(AH)MBT解説に続いての勝手仕事...(GMT)ドーントレス作戦のプレイ図例を利用し、直ちにシステム解説ノ要アリト認ム➊

(GMT)Operation Dauntless
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 本作の尊い和訳をアップして下さっているsgt-chi様には百万遍、お礼を言っても足りないぐらいですが016.gif、おんぶに抱っこでおすがりしてばかりではウォーゲーマーの仁義に欠けるので、sgt-chi様の侠気に帯ぶべく、私個人の勝手仕事としてプレイブック未訳部分「拡張されたプレイの例」を題材に、Operation Dauntlessのシステム解説を行いたいと思います。

 このゲーム、決して難しい概念ではないのですが、手順が斬新すぎて、ルールを読んだだけではサッパリ分かりません。
そこで対戦記憶が鮮明な内にルールの流れを解説しておいて、いずれルールを忘れてしまった時に、ここを読み直して勘所を取り戻す備忘録的意味合いも込めています
 また、このブログ全体のポリシーでもある、ここを覗くことでプレイ意欲が少しでも高まれば、それに勝る喜びは無いという意味で常に正確な情報へ更新しています。
 ですので筆者の勘違いや誤認に基ずく記述がありましたら遠慮なくコメント欄でご指摘ください。
可及的速やかに訂正し、より公益性の高いものに仕上げていきます〔'16.11.20の対戦を経て改訂〕
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★ゲームのあらましは上掲の写真にあります箱裏情報を、クリック拡大してご確認下さい。
 ゲームの題材としては、1944年6月中旬から半月に渡る、カーン西方13Kmの付近で繰り広げられた英軍第49歩兵師団「ホッキョクグマ」と、独軍SS第12装甲師団「ヒトラー少年団」の激闘を、1ヘクスおよそ400㍍、1ターン90分(昼間)、1ユニット歩兵中隊/一部小隊、AFV小隊規模で描く「作戦/戦術級」です。
 ちなみに、大日本絵画の「SS第12戦車師団史(上)ヒットラーユーゲント」〔元師団参謀フーベアト・マイヤー著〕308ページから460ページにかけての随所に、この戦いの詳細が描かれています。

◆ゲーム手順としては、先攻後攻(大抵は英軍先攻)の順に、アクション・フェイズ→戦闘フェイズを繰り返します。

 そしてアクション・フェイズでは手番側の各ユニットとも「移動(敵ヘクスに乗り入れての接近戦=蹂躙も可)」「対戦車射撃」「対人制圧射撃」「築壕」「歩兵ステップの回復」のいずれかを行うことができます
また、この際、非手番側も対戦車臨機射撃、平地限定の対人機会射撃を行えます。

 続く戦闘フェイズには再び手番側の各ユニットが「隣接する敵に対しての戦闘比攻撃」「対人射撃を使っての攻撃支援制圧射撃」「対戦車射撃」「対人制圧射撃」のいずれかを行えます。
 また、この際、非手番側も対戦車臨機射撃、防御支援制圧射撃を行えます。アクション・フェイズとの大きな違いは「戦闘=戦闘比攻撃」を行えることと、臨機射撃も含め行動は1回しか行えない(即行動済みとなる)ことです。

 紛らわしいのは戦闘解決方法が以下の3種類あることで、

 個々のユニット毎に目標AFVユニットを指定し、2D10の出目合計(修正後)14以上で目標に1ステップロス(損害)を与える「対戦車(AT)射撃」
※なお、和訳原紙はフルカラーのチャートです。単に私がモノクロでプリントアウトしているだけです(紫の蛍光ペンで縁取りしている項目は選択ルールなので原則使用せず)。
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 原則として個々のユニットが2ヘクスまたはそれ以上離れた目標ヘクスを指定し、2D6の出目合計(修正後)14以上で目標ヘクスに制圧マーカを1個置ける
「対人制圧射撃=遠距離攻撃表(RAT)使用」
(対人制圧射撃では更に出目合計(修正後)17以上で制圧と目標ヘクスのいずれかのソフトターゲット(非AFV)に1損害、19以上だと、これが2損害に跳ね上がります。
なおAFVは決してこの対人制圧射撃によって損害を出すことはありません〔12.1〕参照)
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対人制圧撃の主な修正▼
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⑶ 普通の作戦級の様に隣接している敵を、それを囲む複数ヘクスから一斉に攻撃できる2D6による戦闘比解決表を使用した「戦闘」(移動中の蹂躙=接近戦も同様に解決)
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...とがあって、

 ザックリ言うなら、目標とする敵車両ユニットまで視線が通り、視認できている限り射程内ならどこでも撃てる「対戦車(AT)射撃」と、3つの例外を除いて隣接ヘクスは撃てない、面制圧を目的とした敵ヘクスに対する「対人制圧(RAS)射撃」、隣接する敵ヘクスに力押しを掛ける「戦闘」に分けられます。

 原則として隣接ヘクスを対人制圧射撃できないのは理不尽に感じるかも知れませんが、隣接ヘクスに対する攻撃は、あくまで戦闘比で解決する「戦闘」または移動中の「接近戦=蹂躙」に集約させたいというデザイン意図が伺えます。

平地に対する隣接防御支援射撃(〔10.3.6〕参照)、平地に対する対人機会(FF)射撃〔10.7〕、敵の射撃を切っ掛けとする臨機射撃のいずれかに該当する場合のみ、隣接する敵を対人制圧射撃することが許されます。

 なお、車両を含む移動中の蹂躙=接近戦では、肉薄戦の混沌を再現するため、戦術優勢チットをどちらが何枚引けるかの判定を経て、対戦車射撃、戦闘比戦闘と順に解決していきます。
その際、歩兵のPz.ファウストやPz.シュレッケ、ピアットやバズーカ(射程無しの対戦車力)の対戦車射撃には、専用の肉弾DRMチットを引いて、そのチットに記載された方法でしか射撃解決できないなど、やや煩雑ではありますが、非常に盛り上がる手順を踏みます。
 いずれにしても、自分の手番に(移動の代わりに射撃を行う事で)2度射撃を行えます。これにAFV臨機射撃や防御側としての支援射撃を加えると、1ターンにかなりの回数射撃できることになります。

 また、戦術級名物の臨機射撃はAFVが/またはAFVの射撃、移動、戦闘後前進、退却をきっかけとして行えます。アクション・フェイズに行われるARC(アーマー・リアクション・サイクル=対戦車臨機行動)は、切っ掛け(敵の射撃または車両移動トリガー)ごとに無限に行え、戦闘フェイズのそれは各ユニット1回限り行えます。

 最重要の概念は、撃つ側か、撃たれる側のどちらか一方でもAFVであれば臨機射撃または臨機1ヘクス機動(ただしこの臨機機動は射撃の目標となったAFVのみ)できるという「AFV万能」の考え方で、1ターン90分という枠の中では、戦場の主導権を握っているのはあくまでAFVであるという戦術思想デザイン思想です。
 ですから、例え歩兵や迫撃砲の射撃に対しても、それを射程内で視認できるAFVがいれば、ARCとして歩兵や砲に対して臨機対人射撃できるわけです。

 要はAFVの目が黒いうちは、その射撃可能範囲内で行われる敵の行動は、すべからく脅威(ARC:アーマー・リアクション・サイクルに晒されるのです。
逆に言えば、それほど敵から恐れられているが故に、AFVが何かする度に敵の反応(ARC)を招くとも言えます。

 例えばアクション・フェイズに英軍M4戦車が独軍Ⅳ号戦車を撃ったとすると、それを視認できる独軍で対戦車射撃可能なものは、そのM4に対して射撃でき、もしそれがAFVであれば、さらにそれを視認できる英軍(もし先ほど撃たれたM4が生き残っていればそれも可)が、今度はそれに対して臨機射撃(応射)できると、どちらかが止めるまで応射の連鎖が(他のアクションを一時凍結して)続きます。
その際、射撃を被った車両であれば応射の代わりに1ヘクス動くという選択もあります(なお、これは純粋な移動ではないので移動力は関係ありません)。
 この臨機撃ち返しは移動中でも問題なく行えます。ただし移動中に臨機射撃を行うと、そこで移動は終了となります。
 ですから「雉も鳴かずば撃たれまい」「触らぬ神に祟りなし」の精神で、撃ち返されたら怖い敵には手を出さないほうが賢明な場合も多いです。

 ただ、射撃によって視認された場合は、地形効果が少なく命中しやすくなったり(射撃した正面射界からの応射の場合)、通常は見えない敵がその瞬間だけ視認できる好機でもあるので、撃つべきか、見逃すべきかで悩まされます。

 なお、臨機射撃のきっかけ毎に1ユニットしか射撃できないので、1発撃ったら100発お返しが来るなんてことは臨機射撃(ARC)では有り得ません。
ですから1ユニットずつで移動するより、スタックで移動すれば、移動したヘクス毎にスタック全体で1回ずつしか撃たれずに済みます。

 また、平地以外にいるAFVは、隣接する敵か、4ヘクス以内にある丘の上から見下ろす敵(ただし森に限り隣接のみ)からしか視認されないので、視認していなくても当てずっぽうに撃てる対人射撃とは異なり、平地以外に位置する、またはそこを移動するAFVは、自身が発砲しない限り、撃たれないという強みがあります。
 
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▲それでは、なにはともあれユニットの見方から。

 左上は対戦車射撃力、その右肩は射程ヘクス数

 上は装甲値。その左肩に✽が付いていれば接近戦で歩兵にやられやすいオープントップ。白い丸で囲まれているものは輸送車両で、直接ステップロスせず輸送ポイントを減少させます。

 そして左下は戦闘比攻撃やその防御に使う戦力(対戦車/対人射撃力とは別概念)で、赤いボックス入りは戦闘比解決時に入り組んだ地形では戦力が半減される一般的なAFVを表し、これがオレンジ色だと2ステップ毎に戦闘比を自軍に有利にできる歩兵支援AFV/歩兵砲を、黄色だと接近戦(=移動中の蹂躙)に限り戦力3倍の工兵などを、黒色だと戦闘/蹂躙で戦力2倍の重機関銃を表します。

 下段中央は対人制圧射撃力、その右肩は射程ヘクス数。対人制圧射撃力が黄色のボックス入りだと、直接視認していなくても(友軍のいずれかが視認している限りにおいて)撃てる間接砲兵器を表します。なお間接砲兵器が直接視認して射撃する場合は、直接照準の利点として命中修正+1(迫撃砲のみ)または+2(歩兵砲ほか)が与えられます。
また対人制圧射程の直下にオレンジの丸が付いていると、3ヘクス以上先への射撃でも「遠距離射撃による不利修正(3ヘクスでマイナス1、4ヘクス以上で射撃力半減)」を受けない優秀な砲を表します。なお前述した間接砲兵器にも、この遠距離不利修正は適用されません。

 そして右下は移動力で、黄色ボックスは装軌式、オレンジの丸なら車輪、何も飾りがないなら徒歩となります。
 なお徒歩/移動力無しユニットの移動力右肩に白い丸とアルファベットが付いていれば専用の輸送車両を持つことを表し、もし右肩に小さな数字が付いていれば、それは退却/戦闘後前進限度ヘクスを表します。
 ちなみに戦闘比攻撃で受けたヒット数は退却に変換できますが、個々のユニットの退却ヘクス限度は移動力から2を引いたもので、3移動力以下のユニットは退却不可で損害適用必須となります。
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▲上掲のM4シャーマン戦車と比較した場合、SS Ⅳ号戦車は装甲値を除いて優っていることがわかります。
対戦車/対人とも射程で2ヘクス優っているのは長砲身のお陰ですし、選択ルールを導入すれば、対戦車と装甲の間に記載された「対戦車」練度+3を利用して、対戦車射撃の際に通常の2D10ではなく、6面体ダイス1個と3D10を一緒に振り、もし6面体が3以下であれば、3D10の内、より高い2つの合計を解決に使えることになります。
 凝っているのは、これが損害を受けて裏面になると「+1」に低下して、出目1のみ選択可能となります。
また、上掲のM4戦車も完全面では練度ゼロですが、損害を受けて裏面になると「-2」となって、出目2以下だと3D10の内、より低い2つの合計を解決に使うことを強いられます。
 ちなみに最高練度は鋼鉄の死神ヴィットマンの在籍するSS101重戦車大隊のティーガーで「+5」、次点はSSパンター戦車の「+4」です。
興味深い事に第654重駆逐戦車大隊のヤクトパンターは、車種変換して間がないからか「+1」に留まっています。その代わり対戦車射撃力23、遠距離9ヘクスでも対人火力2が減らない88㍉対戦車砲搭載は伊達ではありません。
 その他にも、英軍クルセイダー20㍉連装対空戦車が何故か「+4」(しかし対戦車射撃力3の射程4では活用の機会が...)だったり、SS歩兵砲が「-5」だったりと、「対戦車」練度を眺めているだけでも楽しめます。 
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 なお、独軍の場合、歩兵とAFVが戦闘/蹂躙に加わっていると、攻防に有利な1シフトが得られる諸兵連合効果もあります。
 ちなみにSS高射機関砲(20粍単装砲)は戦力にカッコ(  が付いておらず、また1移動力を持つので主体的な蹂躙(接近戦)に使えそうですが、MG機銃小隊を除く重火器(対戦車砲、迫、歩兵砲、高射砲)は自ら接近戦を仕掛けることはできません。
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▲戦闘力がカッコ( )付きは、戦闘〔蹂躙含〕に関して防禦にはカウントできるが、攻撃には使えない事を表します。
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接近戦=移動中の蹂躙でのみ使用する「対戦車射撃」戦術優勢チット判定表。▼
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 原則として歩兵のステップ数が多い方が優位で、判定得失点差で勝る方が規定数だけチットを引き、その中から1枚を選んで対戦車射撃を解決します。
 例えば防御側が3枚引いて、それが「AAD」「AT射撃なし」「AAA」だとしたら、攻撃側の2連射に耐え抜いて1回撃つ(AAD)か、対戦車射撃なしを選ぶでしょうし、これが攻撃側が引いたのであれば問答無用で攻撃側3連射(AAA)を選ぶでしょう。
 ただし、あくまで1ユニットは1回しか射撃できないので、対戦車射撃力を持つ者が1ユニットしかいなければ、先制複数回射撃可能でも1回しか撃てません。
 なお、臨機射撃は接近戦解決中のヘクスには行えないので、時と場合によっては薄い装甲値のAFVが、臨機射撃に晒される心配なく、連続する敵ヘクスを1つずつ蹂躙していく事も可能です(と言っても歩兵でさえ、射程こそないもののPz.ファウストやピアットを装備して高い対戦車射撃力を有するので、そんな可能性は低いです)。

 そして下段は地形効果表。特徴としては歩兵は森以外どこでも1MPで移動できます(ただし敵ZOC侵入で停止。また移動開始時のみ+1MPで敵ZOC離脱)。
 装軌式は浅いボカージュ2MP、深いボカージュ3MP、森6MP。
 車輪式はその倍で、それぞれ4、6、12MPを必要します。

 また、斜面というか丘が視認の目的以外で影響がないのも特徴で、斜面を登ろうが下ろうが、上から撃ち下ろそうが撃ち上げようが、それによる影響はありません。
ただし丘から見下ろす4ヘクス以内で、かつ視線を引ける敵を視認できる観測効果はバカになりません。
 なぜなら、このゲームでは、平地以外にいるユニットは原則として隠蔽状態にあり、射撃を行って臨機射撃の対象となるか、その敵に射撃ユニットが隣接しているか、射撃ユニットがいる丘から視線が引ける4ヘクス以内にいるのでなければ、その敵がAFVであればピンポイントで狙えない為に対戦車射撃を加えられず、対人射撃も盲撃ちによる不利なダイス修正1が適用されるからです。

 なお、敵から常に4ヘクス(間3ヘクス)空けて道路移動に終始するユニットは、+2MPの割増を得られます。
 また、(まだ動いていない)歩兵の積み降ろし/乗車、砲の牽引開始/展開には車両側+2MPを必要とし、下車した歩兵は1ヘクスの展開機動が許されます。

 スタック制限は1ヘクスにつき原則4ユニットまでですが、英軍歩兵中隊は2個までしかスタックできず、独軍の歩兵小隊はスタックの目的では1/3ユニット換算されます。
戦闘/蹂躙は歩兵戦力勝負なところがあるので、独軍歩兵小隊を集中させれば、確かにほぼ難攻不落となりますが、集中配備すれば勝利条件的に英軍の迂回浸透を許してしまいますし、そもそも集中防御できるような兵力の余裕なぞありません。
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▲手持ちチャート片面。左上が「接近戦=蹂躙」戦術優勢判定表、左下が地形効果表。
 右上は対戦車射撃修正値表。
 その左隣(上)は「接近戦=蹂躙」戦時にゼロ射程の対戦車力を持つ歩兵が対戦車射撃する際に引く専用チット数表。
 その下の大砲引っ張っている車両の図表は「輸送車両が損害出した時に除去されるかサバイバル表」。
 その下の英軍汎用キャリアーの図表は、AFVであり歩兵であるという特殊な機甲歩兵の注意書きまとめ。
 対戦車射撃修正値表の下(茶色)は、視認ルールの注意書き。
 その下は、ユニットの向きを変えることで表す行為のサマリー(それに従うかは任意)
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▲手持ちチャートその片面。左は対人射撃修正値表。右は戦闘比解決の「戦闘/接近戦」表とその修正値。
 いずれにしても、流れさえ分かってしまえば、チャートだけでプレイを進められます。ただ細則や例外も多いので、なかなかルールを手放せないのですが。
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ARC(アーマー・リアクション・サイクル=対戦車臨機行動)手順表
 ルールを呑み込んでしまえば参照する機会もなくなりますが、ルールを覚えるときには視覚的で便利です。どんな行動が臨機射撃のきっかけになるかが分かります。
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対戦車射撃修正表。対戦車射撃の一般的な修正としては...

「対戦車射撃力から目標の装甲値を差し引いた残りがダイス修正(±8限度)」
「目標までのヘクス数だけマイナス(以降マイナスは△表記)修正」
「地形(浅いボカージュか、それ以上に濃い地形かの違いのみ)による△修正」
「制圧下のヘクスからの射撃:AFV△1、それ以外△4修正」
対戦車射撃では散兵壕・特火点といった陣地的な人工物による修正はありません。

これらの修正適用後2D10の出目合計14以上で目標AFVは1ステップロスします。
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泣かせるのが、臨機射撃の過程、または移動中に敵ヘクスに殴り込んで行われる接近戦(ただし見晴らしの効かない非平地ヘクスであることが前提)において常に発生の可能性がある〔3〕側面射撃修正で、独軍パンターやヤクトパンターの致命的弱点であった側面装甲の薄さが如実に再現されているところです。
 小隊規模、1ヘクス400㍍でここまで再現するのは素晴らしい!!
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2D6による、戦闘比解決表を使用した「戦闘」解決表(移動中の蹂躙=接近戦も同様に解決)。ちなみに、この戦闘結果表に関してはダイス修正はありません。

 左側の赤い数字が攻撃側の打撃数、右が防御側の打撃数。
 この数を全ユニットの退却ヘクス数か、ステップロスで満たさなければなりません。
 しかも攻撃側は、通常戦闘で1、接近戦で2は必ずステップロス(損害)で支払わなければなりません。
 なお、退却中に特火点(ストロングポイント)に入った退却ユニットは、そこで退却を終了できる特例があります。
 ちなみにユニット表面の砲撃態勢面の対戦車砲や歩兵砲など、ユニット裏の牽引面にならないと移動力を持たないユニットが砲撃態勢面で退却を強いられると、ステップロスで満たすしかありません。
 
 また、攻撃側AFVは敵の退却数だけ戦闘後前進可能ですが、視認できる敵からは臨機射撃の対象とされるので、複数ヘクスの戦闘後前進は場合によります。
1歩、戦闘後前進しただけで臨機射撃の切っ掛け/対象になるので、強敵を前にしては車両は敢えて一歩も前進しない時もあるほどです(その敵に視認される限り)。

 ちなみにAFVは決してこの「戦闘」解決表の結果に影響されません。
 言い換えるなら「戦闘」結果によって決して損害を出しませんし(逆に言うと損害を割り当てられず)、退却を強いられることもありません〔12.1〕参照。
 味方歩兵が逃げ散ったとしてもAFVはその場に踏みとどまるわけです。
 もちろんAFVだけ残るという孤絶を嫌うなら、自発的退却を2ヘクスまで行えるという救済的ルールもあります。

▼戦闘比解決における修正一覧
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013.gif下はデザイン途中テストプレイ時のゲームマップ。
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 実際にプレイするとこのテストプレイ版のマップのままであって欲しかったのが悔やまれる。
 こちらのマップの方が重要な丘の存在が明確に見て取れるし、浅いボカージュと平地との区別も容易。
 これが製品版では緑が濃すぎて(暗すぎて)見分け難い上に、いらんこと「平地」を「Field(畑)」なんて格好つけたせいで、かえって混乱を招いてしまっている。
 もっと人気が出れば、別売りで改訂マップがコレクターズ・エディションとして出される望みもあるのだが、こうも斬新なシステムだと広く普及するのは難しいか...002.gif
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それでは、ここからはプレイの例の図例を活用して解説いたします。
 なお、英文図例をそのまま直訳するのが目的ではなく、あくまでシステム理解の手助けになればとの覚書に近いので、プレイ経験に基づいた補足解説や省略などあって、そのままの逐語訳ではないことに留意してください。
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▲ここではアクション・フェイズにおける「移動」行動での歩兵輸送を例にとっています。
 独軍の意図としてはLehr装甲師団「緑」大隊のハーフトラックで路上を南下して、同じく「緑」大隊所属の歩兵中隊を積み込み、取って返して北上し、英軍戦車の前面(白熊マーカの位置)に布陣させたいというものです。
ちなみに、輸送車両と所属大隊の異なるユニットは輸送できません(その為に兵科マークの中や車影の背後のカラーバーを色分けして識別しやすくしています)。

 ハノマグ輸送車は路上を1ヘクス0.5MP消費して6ヘクス移動して(未行動の)歩兵のいるヘクスへ入り、そこで+2MP消費して歩兵を積み込み、路上10ヘクス(5MP)北上して+2MP消費して歩兵を下車させました(ここまで3+2+5+2=12MP消費)。
歩兵は下車特典として1ヘクスだけ動かせるので、下車された特火点ヘクスから英軍戦車の前面へ進出しました。
なお歩兵は平地を移動していないので、対人機会射撃(あくまで平地限定)は発生しません。
しかも隣接ヘクスに対する対人制圧射撃は平地に対する隣接防御支援射撃、平地に対する機会射撃、射撃を切っ掛けとする臨機撃ち返し(応射)のいずれかに該当しなければ行えません。
一見、理不尽に思えますが、このゲームでは隣接しての戦闘解決は原則として戦闘比解決という前提になっていますから、そういうものだと呑み込むしかありません。
 なお、AFVなら敵歩兵の移動を切っ掛けとしてARC:臨機射撃できそうに思えますが、移動切っ掛けで射撃できるのは視認された車両に対してだけです。非車両ユニットの移動を切っ掛けとして撃てるのは平地をそれらが移動した場合だけです。

 なお、この例では、戦車は川の土手が邪魔して隣接にしか視線が対岸に届きませんが...
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↑デザイナーが参謀旅行で訪れた現地で撮影した川の土手。盛り土が高く、壁の様に視線を遮っているのが分かります。この為、ゲームでも川ヘクスサイド越しにはその隣接までしか視認できません。

...仮定として、もし英軍戦車が丘の上にいて
輸送車を視認できたなら、目標AFVとして臨機対戦車射撃を行えます〔丘の上から4ヘクス以内にある、より低い高度のボカージュまたは村であれば視認可能。
ただし、それでもなお
地形
に対しては隣接していないと、移動切っ掛けの対戦車臨機射撃は行えません
 同高度又は
より高い丘の上にある平地以外の地形ヘクス
に対しては隣接していないと、移動切っ掛けの対戦車臨機射撃は行えません

 例示として、丘の上から見下ろしていると仮定して、その条件を満たしたとしましょう。
 M4の対戦車値10からハノマグの装甲値1を引いて9、ただし
これによる得失差は±8が限度なので「+8」、距離2ヘクスなので「△2」、深い(濃い緑)ボカージュにいる「△4」(射撃に対する臨機射撃では原則これが△2に軽減)、道路移動率を使用している目標の「+2」による+10△6=最終的修正+4が2D10の出目合計に足されます。その為、臨機射撃が予想される箇所では敢えて道路コストを使用しないという選択肢もありえます。
 いずれにしましても、その結果14またはそれ以上になれば、ハノマグは1損害を被り、乗車歩兵は直ちに下車して
両者の移動はそこで終了となります。
そして緊急下車した歩兵は残存/サバイバル表の通り、6面体1個振りの2以下で1損害を受けます。
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▼続いて、英軍による装軌式と徒歩ユニットの移動の例...
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 黄色が徒歩の歩兵(5MP)の移動経路。緑が装軌式の戦車(11MP)の経路となります。黄色の経路は平地を経て森を2ヘクス横切るので戦車だと13MPを必要とし不可能な事がわかります。
その点、徒歩だと平地1、森2、森2の5MPきっちりで移動できます。
 ちなみに迫撃砲も徒歩ですが、3MPしか持たないので、歩兵についていけず0615ヘクスまでが限度です。
このゲームではスタックは途中で足の遅いユニットを落としていけないので、歩兵と迫撃砲がスタックとして共に移動を開始してしまうと、歩兵の足でまといとなって、歩兵も0615ヘクスまでしか移動できなくなります。
 また歩兵の移動中、独軍Ⅳ号戦車の隣接を通り過ぎますが、平地ではないので対人機会射撃は受けません(前述した隣接対人射撃3項目のいずれにも該当しません)。
 そしてM4戦車ですが、図のとおり、迂回路を使って森を抜け、特火点(ヘクスサイド白枠)の村まで移動します。
各ヘクスの移動コストは図例の通りですが、森から斜面を下っても移動力に何の影響もないのがわかります。
 また、移動中に独軍歩兵の横を通り過ぎますが、歩兵対戦車射程を持たないので対戦車臨機射撃されません。
ただし0717ヘクスの丘の上にいるⅣ号戦車から、0815の平地と0916の特火点/村に視線が通る〔視認できる〕ので、それらのヘクスで1回ずつ対戦車臨機射撃を喰らう可能性があります。
 もし0815の平地で対戦車臨機射撃を受けたとしましょう。
この場合Ⅳ号の対戦車力14からM4の装甲8を引いて+6、距離2で△2だけを差し引き+4が2D10に足され、14以上なら1損害を出します。
ただしM4はステップロスしても対戦車値は変わらず10なので、対戦車臨機射撃に対する臨機射撃返しで今度はⅣ号戦車が火力装甲差+4、距離△2、地形△2(本来は△4だが射撃に対する応射の場合は、撃ちかけてきた敵が正体を露呈しているので当たり易くなる)の、ダイス修正なしで2D10を振られることになります。
 更に特火点の村に移動したM4を対戦車臨機射撃した場合、M4の背後からの臨機射撃で有利な+3が得られる反面、地形効果△4が加わるので効率が良くありません。
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▼次は敵の隣接攻撃に関する防御側隣接支援射撃の例です。
 支援射撃とは、攻撃を発起するヘクスのいずれか、または防御側(攻撃目標)ヘクスに対して対人(制圧)射撃を行い、付けられた制圧マーカの数だけコラムシフトするというものです。
ただし敵ZOCにいるものは、他のヘクスへの射撃自体が不可となるので必然的に支援射撃も禁止されます。
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▼英軍の戦闘フェイズ。1211ヘクスのSS歩兵中隊1個に対して、1210と1312ヘクスの英歩兵中隊2個ずつ計4個が攻撃側として「戦闘」を仕掛けます。
ちなみに「戦闘」は、あくまで戦闘フェイズにのみ隣接ヘクスから行われるもので、敵ヘクスに踏み込んでの同一ヘクス内/接近戦ではないことに注意してください。
このゲームは接近戦にのみ適用される修正が多いので戦闘と接近戦は峻別する必要があります。
 独軍はSS歩兵に対する圧力を減らすべく、可能な限り防御支援制圧射撃を行います。
まず1313のSS工兵が1310の英歩兵中隊2個を対人火力3で射撃します。
深いボカージュはZOCが及ばず、隣接する目標が平地なので(ルール10.3.6の特例として)隣接する敵ヘクスに対人射撃できるのです。
修正値としては平地の危険性で+1、密集目標の脆さにより歩兵中隊1個につき+1の+2で、火力3+1+2=+6を2D6の合計に足して14以上で制圧、17、19以上で制圧に加えて1、2損害も追加されます。
 次に1311ヘクスのSS機銃ですが、浅いボカージュでは敵ZOCを打ち消せないので、敵ZOCに存在する事となり支援射撃できません。
 1111ヘクスのSS歩兵砲は深ボカージュ/村にいるので敵ZOCが及ばず、隣接する目標が平地なので(ルール10.3.6の特例として)隣接する敵ヘクスに対人射撃できるのです。
1210の英歩兵中隊2個を対人火力2で射撃します。
しかも間接砲兵が直接照準で射撃するので更に有利な+2修正(迫だと+1)が得られます。
 また、(いかなる理由か分かりませんが)望むなら1211ヘクスの妨害地形を飛び越して、直接は視認できない1212ヘクスの英歩兵に対して間接砲撃による支援射撃を行う事も可能です。
例えば1210ヘクスが平地でなかったなら隣接支援射撃はできないので、1212ヘクスを狙うしかないなどです。
 1209ヘクスの75㍉短砲身"Stummel"(切株)搭載ハーフトラックは、平地にいるので一見すると敵ZOCにいるように思えますが、AFVは敵ZOCを常に完全無視できるのと、隣接する目標が平地なので(ルール10.3.6の特例として)隣接する敵ヘクスを対人射撃できます。
なお、"Stummel"の対人射撃射程にはオレンジの小丸が付いていますが、これは遠距離「対人制圧」射撃修正(3ヘクス先で△1、4ヘクス以上先で火力半減)を受けない利点を表しています。
 ちなみに、この"Stummel"(切株)と歩兵砲の戦力はオレンジのボックス入りなので、これらがスタックすれば2ステップとなり、戦闘に参加した場合は自軍有利な1コラムシフトを得られます。
このゲームほど"Stummel"(切株)を評価しているゲームは他にないかもしれません。文字通り、独軍歩兵の守り神です。

 蛇足ながら、攻撃側の英軍も本来なら攻勢支援制圧射撃を1211ヘクスへ加えたいところですが、対人制圧射撃においては味方ユニットの存在は視認線を妨害するので、1210ヘクスの味方歩兵が邪魔して1211が見えません(視線の片側は浅い/深いボカージュによって視線を遮られています)。
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▼更にもう一つ、敵の隣接攻撃に関する防御側隣接支援制圧射撃の例です
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▼英軍の戦闘フェイズ。0513ヘクスの独陸軍Lehr装甲師団/歩兵中隊1個に対して、それに隣接する全ての英軍(機銃隊含む)が攻撃側として「戦闘」を仕掛けます。
 英軍は攻撃目標の0513ヘクスに対して、M4戦車と機甲歩兵で攻勢支援制圧射撃を行います。
 AFVは敵ZOC無視なのと、高度差によって前面の味方歩兵が視線の邪魔にならないので問題なく支援射撃できます。
 英軍機甲歩兵はAFVと歩兵を使い分けられるので、AFVとして敵ZOCを無視できます。視線も同レベルであれば0612ヘクスの機銃が邪魔になりましたが、高度が違うのでこちらも視線を邪魔しません。しかもいずれの攻勢支援射撃も、目標ヘクスが浅いボカージュで地形修正がない上、歩兵中隊1個なので密集+1を得られ、出目7以上で制圧が置けます。もし出目10~11なら1損害と制圧、6ゾロなら2損害+制圧で戦闘に至る前に攻撃目標が全滅します(その場合でも目標ヘクスへ戦闘後前進できます)。
 ちなみに、これらAFVが支援制圧射撃を行った際、独軍に対戦車射程を持つユニットがあれば、その射撃をきっかけとして臨機対戦車射撃を行えます。
 なお「戦闘」に参加する攻防のヘクスは、例えそれが森やその他の錯綜地形ヘクスであっても隠蔽状態でなくなるので、隠蔽による不利な修正を受けることなく対人制圧支援)射撃を加えられます(遠距離攻撃の修正⑶の備考2参照)。

 これに対して防御支援制圧射撃を行える独軍ユニットは、0312ヘクスの迫撃砲だけです。なぜなら、0613も0413ヘクスも浅いボカージュなので敵ZOCが及び、支援射撃不可だからです。
 その点、0312ヘクスは特火点であり、深いボカージュなので敵ZOCが及びません。
 従って隣接する平地0412ヘクス、または0512ヘクスの英歩兵2個中隊に対し、平地+密集+直接照準による必殺の迫撃砲弾を放り込めます。また、望むなら英軍機銃のヘクスを目標に選ぶ事もできますが、密集修正が得られず、その分だけハズレの確率が高まります。
 
 ちなみに英軍戦車は、独軍迫撃砲が支援制圧射撃を行った直後に、それに対して臨機対人射撃(応射〔11.5.2.2〕参照)を行えます。隣接してさえいれば、森・ボカージュ・村であっても敵を視認でき、その射撃を切っ掛けとして臨機射撃できるからです。
このようにARC〔AFV臨機活動〕は、歩兵や砲が起こした行動に対しても、AFVなら、それに対して射撃するなり、(撃たれた本人なら)1ヘクス機動するなり、対応できます。
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▼続いて、離れた距離からの防御支援射撃を射撃解決込みで例示...
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▼英軍の戦闘フェイズ。1215ヘクスのSS歩兵中隊1個に対して、1315ヘクスの英歩兵中隊2個が攻撃側として「戦闘」を仕掛けます。
これに対し2ヘクス離れたSS機銃と、4ヘクス離れたSS迫撃砲とが支援射撃で味方を助けます。
 まず機銃ですが、2D6の目合計7を出し、これに対人火力4+平地1+密集+2=+7を加えると14となり、きっちり制圧成功値に達して1315ヘクスに制圧マーカ1枚が置かれます。この際、独軍カラーの面を向けて置く事で独軍有利な1シフトであることを示します。
 続いて迫撃砲ですが、出目合計8に加えて、対人火力5+平地1+密集2+直接照準1(迫なので+1)の計9が加えられて結果17となり、制圧マーカ1追加に加えて、1損害を与えることに成功しました。
1315ヘクスに制圧マーカをもう1枚置いたあと、英軍の選択でいずれかの非AFVユニットを1ステップロスさせなければなりません。
 ちなみに迫撃砲の対人火力は曲射兵器(間接砲兵)であることを表す黄色ボックス入りなので、2ヘクスを上回る遠距離「対人」射撃でも、不利な影響を被りません。これかオレンジの小丸の無い対人火力であれば、4ヘクス離れた対人射撃では、火力を半減(このゲームは原則として端数切上)させなければなりませんでした。

 これにより、もともと戦闘の比率自体8-7の1対1で決して良くなかったのに、1個中隊が半減して攻撃戦力6vs.防御戦力7に転じ、戦闘比2対3(本作には1-1と1-2の間に2-3有)になりました。
そして、さらに制圧マーカ2枚により2シフト不利となるので1対3で英軍は戦闘を解決しなければならず、平均値以上である出目8でも攻撃側2打撃を被るとあっては、無謀攻撃の謗りを免れません。
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続く...

by ysga-blog | 2016-10-15 23:45 | (GMT)ドーントレス作戦推し | Comments(3)
Commented by じーこ at 2016-10-18 14:05 x
いつも大変楽しく拝見させていただいております。
このOperation Dauntlessの和訳はどこかで公開されているのでしょうか?
Commented by ysga-blog at 2016-10-18 22:29
じーこ様、書き込みありがとうございます。
 ご質問のOperation Dauntless(GMT)の和訳に関してましては、ウォーゲーマーのSNS「MustAttack」をネット検索していただいて、そちらに加盟すれば、コミュニティの中から見つかると思います。
Commented by じーこ at 2016-10-21 17:25 x
ありがとうございます
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