夢じゃ夢じゃ夢でござるぅぅぅ...(3CG/CMJ#112)ナルヴァ軍集団/Army Group Narwa™ その❶

(3CG/CMJ#112)ナルヴァ軍集団
ARMY GROUP NARVA:FIGHT WITHOUT MERCY
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▼第1ターン終了時
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 1ターン最初のチットは独軍SSで、ノルトラントSSの2ユニットがクリバソー渡河点の守りに駆けつけるも、ソ連軍の航空支援4シフトの前に渡河を許してしまう。
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▼第2ターン終了時
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 今回のソ連軍の方針としては、可能な限り、増援軍団をナルヴァ河西岸橋頭堡に送り込む事であった。ついつい最前線での攻撃浸透にアクションを使ってしまいがちだが、結局は橋頭堡に注ぎ込んだユニット数がソ連軍の推進力になるのだ。
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▼〔写真右端〕独軍が「まさか、ここからは攻めて来るまい」とした油断に乗じ、大湿地帯の凍結路を伝って、12攻撃力の戦車旅団と5攻撃力の戦車連隊を攻撃投入。
 出目1以外なら独軍を吹き飛ばし2ヘクス前進して小川まで渡れるはずだったのだが、恨めしくも出目1で独軍は半減戦力面で一歩退却、虎の子のソ連軍戦車旅団は1損耗食らって6攻撃力となる。
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▼〔写真左端〕クリバソー渡河点での攻め上りも順調なソ連軍
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171.png『ナルヴァ軍集団』は、これまでゲーム化された事のない題材を扱い、しかも大隊/連隊規模の詳細さと、プレイ意欲を掻き立てずにはおかない美しいマップとユニットを持つ希有な作品である。
 システム的にもチットプル方式としてはスタンダードな物で、ルールの難易度も高くはないのだが、いかんせんソ連軍に勝ち目が無く、ストレスばかりがつのる展開が難点となっている。
 これが勝利条件だけの話なら、勝利得点の調整で片が付くのだが、史実と比べてソ連軍の進撃が遅々として進展しないのは、守る独軍としても緊張感に欠ける。
やはり史実同様、ナルヴァ要塞(SS第3装甲軍団)の死生を決するロールバーン(補給道路)を巡って、手に汗握る激闘が繰り広げられてこそ、真に両軍が楽しめるゲーム展開と言えるのではないか。
 そこで、可能な限りルール量を増やさずに史実の展開へ近付ける以下のオプションを提案したい。

大前提として〔戦闘結果表は、ソ連軍も最上段「独軍」列の戦闘結果表を使用する。なお、その結果として〔A1〕表記があれば、通常通りソ連軍に1損害追加すること〕

1).チット以外の独軍側増援を、それぞれ1ターンずつ遅らせる。具体的に言うと第1ターンに独軍が増援として受け取れるのは国防軍チット1枚だけで、本来受け取るはずの14ユニット(司令部2個含)は第2ターン増援となる。同様に2ターン増援の10ユニットは3ターンへと順繰りに遅らせる。

【改訂理由】史実以上にソ連軍が苦戦する最大要因は、独軍の対応の早さにある。
本作の場合、増援登場はそのターンの最後とは言え、登場と同時に移動できるので、次ターンのチットの引きによってはWムーブで最前線へ駆け付ける事ができる。
独軍は地の利、内線の利に加え、兵力的にも恵まれている。
これに対しソ連軍の増援は、量こそ多いが前線へ移動するだけでもかなりの手番を必要とし、ようやく到着した時には独軍が守りを固めていて歯が立たない。
そこでせめて独軍増援を1ターンずつ遅延させる事により、クリバソー渡河点から孤児院の丘へとソ連軍が地歩を確保できるようにしたい。

2).自動車化ユニットは、移動/ZOCに関して機械化と見なす。具体例を挙げると、自動車化部隊は道路を使わずには湿地に入れず、同様にそのZOCも道路を使わずには湿地にのびない。なお、この制限は移動/ZOCに関してだけであり、戦闘後前進は徒歩部隊として1ヘクスしかできない。

【改訂理由】独軍のみが有する自動車化ユニットは、機械化と同じ8移動力を与えられながら、森や湿地を徒歩として踏破できる為、最も使える部隊となっている。
特にFHH師団の自動車化部隊は、ソ連軍の進撃を大いに遅滞させる。
いくらトラックで快速移動できるとしても、大湿原に分け入り、凍結した大河をも易々と渡るのは理不尽だ。この改訂を導入する事でナルヴァ河中流域でのソ連軍の進撃は、劇的に進展する。

3).徒歩ユニットだけは、ZOC to ZOCしない限りにおいて、最低1ヘクス移動を保証する。なお、自動車化ユニットは移動に関して機械化と見なすので、最低1ヘクス移動の対象外とする。

【改訂理由】敵ZOCの侵入/離脱に追加2移動力を強いられる事から、現状では独軍が凍結大河や小川を盾に一歩退いて守ると、対岸が平地でない限り、ソ連軍歩兵は移動力不足によって永久に渡河できない(額面4移動力に対し、森/湿地で2MP、渡河1MP、ZOC侵入2MPの計5MP必須)。また、孤立によって移動力が半減した徒歩部隊は敵ZOCから離脱して下がる事さえ許されない。この徒歩最低1ヘクスの保証により、ゲーム的な鉄壁河川を無効とし、非補給歩兵でも引き抜き可能となる。
 特にナルヴァ北方リーギィ橋頭堡の増強/拡大と、クリゲ湿地帯へのソ連軍の浸透が容易になるのが大きく、独軍は必然的に防衛線を下げざるを得なくなる。

4).イヴァンゴロド周辺のSS陣地に籠もる独軍ユニットのZOCは、陣地のソ連軍側外部には及ばないとする。具体例を挙げるなら、リリエンバッハ陣地(3331)に居る独軍戦闘部隊のZOCは、3332、3431、3430には展張しない。
 なお、当然ながら陣地ヘクスを離れたユニットと陣地戦闘の結果として削られて陣地シフト特典を喪失したSSユニットのZOCは、この制限外として、通常通り展張する。また、ソ連軍のZOCは通常通り、陣地ヘクスへ展張する。

【改訂理由】強烈無比の陣地シフト(あれば森も累積)に加え、独軍がスタックして守ると、事実上陣地は難攻不落となる。
 ソ連軍の歩兵ではZOC to ZOCできないので現状、独軍は1ヘクスおきにスタックして守るのが最善手となっている。この改訂を採り入れる事で独軍は、敵歩兵の浸透を恐れて陣地をユニットで埋めざるをえなくなる。

5).ソ連軍増援登場ヘクス「H」から10ヘクス以内も、便宜的にソ連第2打撃軍司令部の指揮範囲と見なす。具体例としては、リーギィ村(2734)に渡った43軍司令部は、第2打撃軍司令部ユニットの指揮範囲外であったとしても、増援ヘクス「H」のいずれからも10ヘクスの位置にいるので、打撃軍チットによって活性化できる。
(更なる明確化)ただし、他の軍司令部が、この便宜的指揮範囲に移動してきた、または再配置された時点で、この特例措置は終了する。

【改訂理由】指揮統制ルールが厳密なのも本作の魅力だが、それが裏目に出ている部分が幾つかある。第2打撃軍もその一つで、ナルヴァ河下流と中流とに部隊が分断されている為、敵の目前に不自然極まる形で打撃軍司令部が置かれている。
 勿論、最初の活性化で退避させれば済むのだが、そうすると配下の軍のいずれかが全くの活動停止状態に陥る。それはそれで史実的には正しいのかも知れないが、正面の敵が一歩も動かないと独軍が読み切って行動できるのは史実に反する。
 この改訂を採り入れても第2打撃軍の活動数が増える訳ではないが、少なくとも独軍に警戒態勢をとらせる牽制効果はある。
 更なる明確化は、この特例措置を悪用し、他の軍司令部と重複させて活性化の可能性を不当に高めたり、その意図がなくとも他の軍司令部を再配置したりする際の矛盾回避のためである。

6).初期配置の段階で、不自然に指揮範囲外にあるソ連第45親衛歩兵師団の3ユニットと、第11、43歩兵師団の各1ユニットは、それが属する司令部が活性化した最初の機会に限り、指揮範囲外であっても例外として活性化でき、その司令部の指揮範囲内めざしての移動が許される。
 また、独軍の第225歩兵師団司令部は、始めて活性化して移動を終えるまで司令部除去〔12.1eの1項〕の対象とされない。第3ターン増援のソ連第59軍司令部は、登場時に他の軍司令部の指揮範囲内〔12.2dの4項〕にあるなら、増援フェイズにおける移動を利用してその範囲外へ出るよう務める。
(更なる明確化)なお、59軍司令部がどう移動しても他の軍司令部の指揮範囲から離脱できない場合、59軍司令部の移動後に、他の軍司令部の方を再配置しなければならない。

【改訂理由】これ以降は改訂と言うより、ルールの穴を埋める明確化の意味合いが強い。史実的に現状の配置が正しいとしても、遥か後方に残置されたソ連歩兵は事実上ゲーム終了まで遊兵となり、独軍225師団司令部は第1ターン終了時に指揮範囲内に友軍がいないという理由で自動的に除去される。
 残置歩兵の場合、無理をすれば連れてくる事も可能だが、その為に貴重な手番を費やし司令部を寄り道させる余裕はソ連軍には無い。ある意味、両軍の司令部も含め、配置のバグとも言えるので単純に特例として処理したい。

7).ナルヴァの防衛〔12.3d〕に関して、ここで言うナルヴァとはナルヴァ市街の4ヘクスとその対岸、ナルヴァ河東岸の陣地線を含む、その内側15ヘクス(イヴァンゴロド市街含)を指す。従ってSS以外のユニットは、そこで移動/退却を終了する事は許されない。
また、ナルヴァがロールバーンを敵に断たれて限定補給源となった場合、ナルヴァ防衛範囲内にいる全てのSSユニットは、孤立にこそならないものの補給切れとなる。

【改訂理由】ナルヴァ防衛範囲の明確化は単純な訳し漏れの補正となる。ナルヴァの限定補給源ルールは、現状ルールの字句通りに解釈すると都市ヘクスだけが補給切れ扱いになると取れるので、ナルヴァ防衛範囲全体に影響するものと明確化したい。
 こうしないと、陣地線がいつまでも強力なままでロールバーン争奪戦の重要性が薄れる恐れがある。

 以上の改訂を採り入れてプレイした経験で言うと、自動車化のZOC限定によりナルヴァ河中流域を守るFHH師団の抵抗が微弱となって一斉渡河が可能となり、最低1ヘクス移動の影響でナルヴァ北方のソ連軍圧力が増した事で防御兵力の転用がしにくくなったのも相まって、独軍はクリバソー渡河点を捨てて防衛線を北に引き直さなくてはならなくなる。
本来ならここで独軍の大増援が到着するところだが、1ターンずつの遅延が効いて、ナルヴァ市街のSS部隊をさえ抽出してクリバソー橋頭堡の拡大阻止に充てざるを得ない。
とは言えソ連軍も、初期の進撃を終えるとたちまち兵力不足に見舞われるので、一旦進撃を停止して、後方の親衛軍団や、遥か彼方からやって来る増援を呼んでこなければならない。その間に独軍も、遅延したとは言え増援を受け取り、防衛線を強化。
かくしてクリバソーからの突き上げに、ナルヴァ河下流域での渡河浸透(独軍に油断があれば河口の都市フンガーブルグさえ奪える)、ナルヴァ陣地に対する強襲と、三方からの攻撃に独軍は翻弄される。
それでもソ連軍が勝利できる最低ラインの36VPを稼ぐには、死力を尽くしてようやく五分といったところで、史実同様、あくまでソ連軍にはキツめのゲームバランスになっていると思う。
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ナルヴァ河西岸のヘルマン城から、河を挟んで対岸のイワンゴロド要塞を睨む1941年夏の写真

by ysga-blog | 2017-06-25 19:44 | ドラバル・ナルヴァ対戦記 | Comments(0)
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