砲兵が耕し、歩兵が収穫する...War Storm Seriesシステム解説➏(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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【盤外砲兵】
 シナリオによっては盤外砲兵による近接支援砲撃が行える。近接支援砲撃は友軍のいずれかの指揮官によって要請され、その指揮官のLOS内の目標ヘクスに対して試行される。
ただし、指揮官は同一ラウンドに2回砲撃要請を行うと、活性化済マーカが置かれてしまいそれ以外のアクション(部下の活性化など)を行えなくなる。従って先に砲撃要請を1回やっておいて、残り1回は部下の活性化に費やすことが多い。
 近接支援砲撃の要請は、目標ヘクスに対して1D6振り、3以下で目標ヘクスに無事着弾、4または5なら1ヘクス偏差、出目6以上だと2ヘクス偏差する。ただしこの際、目標ヘクスがその指揮官のLOS内にあったとしても、敵ユニットが存在しなかったり(空撃ち)、敵ユニットを視認できなかったりすると不利な+1ダイス修正が適用される。
 近接支援砲撃は着弾ヘクスだけに全火力(Full-strength)発揮するものと、着弾ヘクスを中心とするメガヘックスに半減火力(Depleted)で砲撃するものとがあり、それは砲撃要請の段階でどちらの方式か明らかにしておく。

▼盤外砲兵火力算定表
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 この火力を元に射撃戦闘結果表でヒット数を求め、地形防護力表で「対砲撃(ART)」防護値を割り出して、これをヒット数で割った整数が実際のステップロス数となる。
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 ただしAFVに対しては、砲口径と更なる直撃判定が強いられる(〔8.4.2〕参照)。
 それは、砲口径100㍉未満(または空襲8火力以下)による攻撃であるなら軽戦車(Light)のみステップロス適用の可能性があり、それはステップロス数ごとに1D6して、出目6が出ただけ軽戦車にステップロスを適用する。
 砲口径100㍉以上120㍉未満(空襲9~16火力)による攻撃なら、中戦車(Medium)ならびに軽戦車(Light)にのみステップロス適用の可能性があり、それはステップロス数ごとに1D6して、出目5~6なら軽戦車、出目6なら中戦車にステップロスを適用する。
 砲口径120㍉以上(空襲17火力以上)による攻撃なら、重戦車(Heavy)、中戦車(Medium)ならびに軽戦車(Light)いずれにもステップロス適用の可能性があり、それはステップロス数ごとに1D6して、出目4~6なら軽戦車、5~6なら中戦車、出目6なら重戦車にステップロスを適用する。
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▲上掲写真を基に具体例を挙げてみたい。シナリオで独軍に105㍉盤外砲(全半火力または煙幕)×3回が与えられており、まだ1回も使用していないとする。
 独軍歩兵「E」中隊長は、2ヘクス前面の赤軍T-28B多砲塔中戦車のいるヘクスに105㍉盤外砲による近接支援砲撃(全火力集中)を要請した。目標は近いので問題なく視認できている。
しかも独ソ戦41では独軍に有利な要請ダイス修正マイナス1が適用される。
1D6振って出目は4だった。普通なら1ヘクス偏差するところだが独軍の優秀さ修正で3となって目標ヘクスに着弾した。105㍉砲の全火力は9。
 これに基づいて射撃戦闘結果表で2D6を振ったところ、ピンゾロでヒット数「7」だった。
 平地のART防御値は2であり、実際のステップロス数は3となった。
 ただし目標ヘクスにはAFVしかいないので、更に直撃判定を行わなければならない。
 ステップロス数は3なので、1D6を3回行い、出目6が出た数だけT-28B中戦車にステップロスを適用する。
 その結果はどうあれ独軍歩兵「E」中隊長は、もう1回砲撃要請して活性化済みマーカが置かれるか、または再度の砲撃要請は行わず、「E」中隊の各小隊の活性化を行った後、活性化済みマーカを置く。

【盤上砲兵】
 迫撃砲と歩兵砲は直接砲撃だけでなく、間接砲撃も行える。言い換えると対戦車砲、高射砲、野砲は直接砲撃しかできない。
 直接砲撃の場合、単純に射撃戦闘結果表でヒット数を求める。
いずれにせよオレンジ色(ART)の火力を使用した場合は、対砲撃防護値が使用される。
 間接砲撃は、砲撃を行う迫撃砲や歩兵砲から目標ヘクスまで視線が引けなくても、その迫撃砲や歩兵砲を率いる砲兵中隊長が、目標ヘクスに視線が引ける限りにおいて間接砲撃を行える*
 この場合も、目標ヘクスを全火力で撃つか、メガヘクスで半減火力で撃つか事前に宣言しておく必要がある。その上で着弾ダイス1D6を振り、出目4以下で目標ヘクスに着弾、5~6で1ヘクス偏差する(盤上砲兵の場合、2ヘクス偏差は無い)。
また、これには独軍だからという優秀さ修正は盤上砲兵には適用されない。
 着弾した後の処理は、前述した盤外砲兵による近接支援砲撃と全く同じ。

間接砲撃を行う迫撃砲または歩兵砲が森または浅い森に位置しており、射線が隣接する森または浅い森ヘクスに掛かる場合は間接砲撃できない(隣の木の枝に触れる為)。言い換えると森の奥に砲を潜ませて曲射を行わせることは許されない。
▼下の図で言うと、迫撃砲は前面の開けたヘクス811を通してしか間接砲撃できない。ヘクス1212やヘクス1010が目標だと、隣の浅い森や森に邪魔されて撃てないことになる。
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▼下の図だと迫撃砲自身は平地にいて、森でも浅い森でもないので、たとえ隣接する浅い森ヘクスに射線がかかったとしても間接砲撃を行える。
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by ysga-blog | 2018-02-03 05:57 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(0)
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