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YSGA第329回定例会の様子その5〔(GMT)The Dark Valley  ダーク・ヴァレー 「バグラチオン:1944シナリオ」3人で全5ターン貫徹❶〕

  • (GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー
「バグラチオン:1944シナリオ」
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▲独軍が初期配置を終え、続いて赤軍が配置を開始した場面。
担当としては、独軍:idioten、赤軍北部:Fredさん、南部:友絵少尉
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 友絵少尉殿、渾身のDark Valleyプレイ補助グッズ。
 「~を除く残り全てを完全フリーで初期配置」といった、一番イライラさせられるシナリオ配置方式を持つThe Dark Valleyだけに、シナリオ毎の戦闘序列表は喉から手が出るほど望まれていたもの。
 また、カップから引く方式だと消耗著しい活性化チットを、市販品かと見間違えるほど綺麗な自作カードにしたり、デッド・パイルやスタヴカ予備ボックスなども綺麗なシートとして制作するなど、YSGAでThe Dark Valleyやるなら必ず友絵少尉殿を巻き込むべしと囁かれた。
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▼イニシアチブを握る赤軍が、任意選択できる1枚目の活性化カード〔チット〕として選んだのは『戦闘』
 まず攻撃によって防衛線に穴を開け、そのあとで移動によってそこを突破しようという算段だ。
 実際、目論見通り独軍主力(リヴォフ正面)の脇に突破口を穿つのに成功。
 赤軍が任意でランダムチット引きの代わりに出せる「スタヴカ」切り札チットによって司令部に戦略予備を湧かせて走らせるよう、司令部だけ戦闘後前進させている(予備は司令部のあるヘクスにスタック制限内で湧かせられる為)。
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▼第1ターン第3アクション・サイクルにおいてランダム引きされたチット(自作カード)は、赤軍として願ったり叶ったりの『移動』
 赤軍プレイヤーから、敵味方の立場を度外視して「独軍主力包囲殲滅の危険性」とモーデル使用の利点をアドバイスされながら、シナリオ中ただ一度しか切れない「火消し屋モーデル活性化」切り札チットの使用を躊躇った結果が、この最悪の事態を招いた。
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赤軍
突破キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
▼第1ターン第3アクション・サイクルにおいてランダム引きされたチット(自作カード)は、赤軍として願ったり叶ったりの『移動』。写真はそれを受けての移動開始直前の様子。独軍は縦深配備したつもりだったが、見れば分かるとおり、後方にZOCが張られておらず、親衛赤軍戦車軍のフリーウェイと化している。
 破滅の予感に動揺を隠せない独軍は、その後の対処法を考えるので頭が一杯で、包囲された記念撮影を忘れてしまった。
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前進どころか大包囲だな…
▼第4サイクルにおいて、おくればせながら伝家の宝刀モーデルを抜いた独軍は、包囲された機械化主力と外からの歩兵支援によって、背後に回り込んだ親衛赤軍の群れを逆包囲。
 ルーデルの爆撃成功や攻撃のダイスにも助けられた、まさに薄氷を踏んでの危うい勝利であった。
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▼天国から地獄へ... 独軍主力大包囲の夢破れ、逆包囲殲滅された赤軍先鋒〔と、このターンに除去された独軍ユニット〕
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▼第1ターン〔1944年6月〕終了時の盤面
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全てはチット引きの妙が生んだダイナミック展開に痺れっぱなし!
これだからThe Dark Valleyの1944シナリオはやめられない!!
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独軍戦訓:
赤軍砲兵の絶大さを失念しており、馬鹿正直に最前線に機械化フルスタックを配備してしまったツケを貴重な重戦車大隊の損害で支払う羽目に陥った。
オーデル河のハインリーチよろしく、砲撃必至の最前線には戦線維持の捨て駒配置を行い、機械化部隊は前線後方(可能なら縦深配備3線目)に布陣させる。

広大な戦線に比して防御ユニットは過小なり。正面だけ固めても、脇に攻撃力を集中されて抜かれる。今回も脇から抜かれて、リヴォフ正面の独軍機械化主力がマルッと包囲殲滅されかけた〔投了して泣きの再戦を覚悟したほど〕。
 ただ、幸か不幸か、赤軍チットが4連続して(そのせいで独軍主力が成す術なく包囲された)ターンの残りではもう対応できない事が露呈したので、逆に独軍がモーデル・チットも利用して突出した赤軍機械化主力を包囲殲滅できた。
しかしこれはチットの妙によるもので、独軍がそのまま孤立除去されていてもおかしくなかった。
そう考えると、やはり独軍機械化主力は包囲されないように戦線後方に予備として初期配置して、モーデルや装甲軍HQチットで反撃できる形にしておくのがベストだろう。

赤軍突破を阻止すべくZOCで縦深防御していたつもりが、簡単に背後に回られて包囲された。
初期配置写真を眺めるに、白ロシアの後方にZOCを持つ独軍歩兵軍団を漫然と配備しているのが全くの無駄と分かる。
歩兵軍団は主防衛線の背後に整然とZOCを敷き詰めるよう、よくよく考えて配備する。足りなければZOCを持つ装甲師団をバラして配備させる。
機械化ユニットは後方配置ならスタックさせる必要はなく、あくまでモーデルやHQ活性化でまとめて動けるように(3ヘクス以内に)集めておくだけで良い。

赤軍戦闘結果表を検討すれば分かる通り、実はそんなに恐るほどではない。大抵の場合、1ステップ相殺である。
結局のところ、波状攻撃と砲撃による損害累積で崩れるのであり、必ずしも最前線の防御力を高める必要はない。
赤軍の主攻軸を見極めたあと、その前面へ兵力を移せるように、機動の自由を得られる後方予備配置こそ重要。

勘違いしやすいが、モスクワ・ワルシャワ街道(黄色い細い線)だけが道路であり、その他の白い二重線は、ただの鉄道線。
鉄道は鉄道移動にのみ影響し、線路が河にかかっていても、ユニットの通常移動に関しては橋梁の効果さえない。
 また、秋の地表状況悪化の影響は枢軸軍のみ被るのに注意。
泥濘だと枢軸軍機械化ユニットのZOCが消えるので、泥濘になる前には必ず歩兵ZOCで戦線を構築しなければ破滅する(今回はたまたま歩兵ZOCが敷き詰められていたから良かったが、機械化ZOC消失のルールは全く頭になかった(;´д`))。

by ysga-blog | 2016-11-13 19:44 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

YSGA第329回定例会の様子その6〔(GMT)The Dark Valley  ダーク・ヴァレー 「バグラチオン:1944シナリオ」3人で全5ターン貫徹➋〕

  • (GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー
「バグラチオン:1944シナリオ」
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 先に包囲殲滅された赤軍ユニットのほぼ全てが、すぐに補充で戻ってくるのだが、一度逃がした獲物は捉え難く、攻撃衝力の減退は覆うべくもない。
 今から考えると、補充で戻した親衛赤軍戦車と司令部は、白ロシアに出して、そこから新たな突破を試みるべきであったと思われる。

▼第2ターン〔44年7月〕終了時の北部・南部戦域
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▼第3ターン〔44年8月〕終了時の盤面全景
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 友絵少尉殿自作の活性化カードは、相手の行動済カードを視覚的にすぐ確認できて非常に良い。
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▼第4ターン〔44年9月〕終了時の盤面全景
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▼第5ターン〔44年10月〕終了時の盤面全景
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▼善戦著しかった白ロシア防衛の独軍
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次回赤軍への提言:
1944シナリオに関して言えば、史実誘導の為もあってか、白ロシアに勝利得点ヘクスが集中していることに注意。
それゆえ、もし独軍がリヴォフ正面をガチガチに固めるなら、必然的に薄いはずの白ロシア攻略に大軍を投入し、『楽してズルしてVPいただきかしら』を決め込むべし。
 逆に白ロシアの守りが固いなら、リヴォフからバルト海へかけての大突破を志向して、独軍を慌てさせるべし。
 ルーマニア方面はブカレストと油田の2箇所だけしか勝利得点がなく、ある意味、放っておいても手に入るようなものなので、適当な兵力配分で良い(ルーマニア領内に20ステップ侵入させるとルーマニアは降伏して傀儡赤軍も貰えるので、それだけは計算して配備)。
 敵が固めたところに、わざわざ大軍を投じてそれを打ち破ろうとするのは、第一次大戦のヘイグや、アメリカ南北戦争のブラックストン・ブラックの如き、不必要な消耗戦を招くだけ。

今回も第二のタンネンベルグ殲滅戦が発生したことを考えると、赤軍も突破するなら、まずその根元を親衛赤軍や歩兵軍のスタックで固めるべし。赤軍には1セット4戦力相当の空軍支援と、強力な地上戦力があるので、独軍に反撃を躊躇させる布陣は容易に組み立てられるはず。
 それをせず、独軍包囲殲滅の夢に浮かされて不用意に走り込むと、無為に逆包囲されて孤立除去される。
 大突破の好機を掴んだなら、まず落ち着いてそのターン残りのチットと、独軍の反撃方向を熟慮すべし。

赤軍の親衛戦車軍、最大の利点は、その大戦力もさることながら、1ヘクスだけとは言えZOC to ZOCできる能力にあり。
 独軍の恐怖は、常に親衛戦車軍に浸透されて包囲攻撃を受けることなので、赤軍としては親衛戦車軍はバラして防衛線にベタ貼りさせ、独軍に後退を強いること。

独軍が最も苦慮するのは反撃戦力の不足であり、赤軍としては独軍防衛線の背後にZOCを持つ歩兵軍を扇状に突破展開させるのが最良の策。
 ばらまかれた歩兵軍の除去は至難であり、補給切れになっても、そのZOCは独軍の移動展開を邪魔しつづけられるので、相当邪魔できる。
 その意味では突破口から独軍背後に送り込むのは、戦車より一般の歩兵軍である方が独軍には嫌がられる場合がある(赤軍は歩兵軍を包囲殲滅されたとしても戦車ほど痛くない)。

※前回は赤軍、今回は独軍を担当したが、いずれも大変ドラマチックかつダイナミックで心底痺れた。
後ろでUkraine43 2ndをプレイしていた占さんがThe Dark Valleyを2個持っているそうなので、来年夏に凱旋帰国の暁には、占さんにもご参加願って是非また再戦したい。

by ysga-blog | 2016-11-13 19:43 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

2年振りの再戦に備えて着々と準備は進む...(GMT)The Dark Valley  ダーク・ヴァレー 「バグラチオン:1944シナリオ」

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  • (GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー
「バグラチオン:1944シナリオ」
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★当日赤軍担当:友絵少尉殿の事前研究コメント:ドイツ軍をルヴォフ正面に重点配備でソロプレイしてみました。試しに、ドイツの4-6-4歩兵軍団を24ステップ裏返しにして初期配置してみたのですが、見事にZOCが消えますね。
その分、ユニットは一切除去されていないので全戦線に歩兵を敷き詰める感じになりました。
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 ソ連軍は、14-8親衛戦車軍も14-5親衛狙撃兵軍もほとんどルヴォフ方面につぎ込んだのですが、ダメです。抜けないです、ルヴォフ正面。チットは、ソ連移動→激戦→枢軸攻撃→ソ連攻撃が出ています。その攻撃終了時に撮影してみました。
北部が抜けてくれます。ジューコフさんの指揮の下、打撃歩兵軍を主力に、あと鉄道移動で急遽14-5親衛狙撃兵軍2個を急派した結果やっと抜けてくれました。
写真は2ターン目の途中経過です。
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■当日独軍担当idioten事前初期配置■ 
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 盤面写真の通り、リガ以東は最初から捨てるつもりの初期配置を考えています。
ルーマニアも最初から大敗走するつもりです。
その分の兵力は全てリヴォフ正面と、東プロイセンのラインに配備する予定です。
 初期損耗の歩兵24ステップは、独軍配置兵力に含まれる「1-4」「1-2-4」歩兵師団の除去で賄っています。
 当日、初期配置に時間がかかりすぎるのももったいないので、赤軍がスムーズに初期配置を決められるように事前に独軍初期配置〔完全フリーセットアップなので〕を載せておきます。
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▼リヴォフ正面。機械化フルスタックと縦深配備。スタック制限外の重戦車大隊も最前線の機械化フルスタックに重ねて4ヘクスは5枚スタックになっています。
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▼ほぼ放棄されたも同然の白ロシア。ただし街道を突っ走られないように交差点にはZOCを持つ歩兵軍団を配備しています。
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▼ルーマニア戦線も、どうせルーマニアが寝返ってルーマニア国内の独軍は全部補給切れになるのだからと、捨て配置。
 ZOCを持つ歩兵軍団も装甲師団もまるで配置せず。ただ形だけ最前線を埋めています。
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by ysga-blog | 2016-11-11 20:56 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

6/21 YSGA第300回定例会の様子その3(GMT)ダーク・バレー「1944バグラチオン作戦」シナリオ3人戦)

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    (GMT)The Dark Valley

 ダーク・ヴァレー
「バグラチオン:1944シナリオ」
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友絵少尉殿特製のシナリオ戦闘序列表など、ダクバレ便利グッズ↑
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by ysga-blog | 2014-06-21 21:29 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

着いたぞ、呪わしのドイツ!The Dark Valley(GMT)1944開始キャンペーンその①

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ゲムマで簡易リプレイ集PiCORO出しました(限定10部)
ダークヴァレー44とかバルバロ電撃戦テスト報告とか

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※YSGAブログ管理人の山内です。個人的なお知らせでお恥ずかしい限りですが、千葉会のyagiさん主催の千葉クラブ(G04)様のご厚意に甘えさせていただいて、6月1日に東京ビッグサイトで行われるゲームマーケット2014春に売り子として参加しました。
 それで、せっかくゲーマーの祭典に行くならと、約15年ぶりにコピー本で同人誌作りました。生来愚鈍な性質なので、5/30夜11時に原稿書き終わり、そのあと編集したり、コンビニでプリントアウトしてコピーして製本してたら、今まで掛かりました。わずか10部だけですが、千葉クラブさんのブースに間借りして、売り子の手伝いの片手間にやりました。
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 内容は、こちらのブログに載せたGame Journalバルバロッサ電撃戦三部作テストプレイ報告と、このダーク・ヴァレー(GMT)バグラチオン作戦1944開始キャンペーンの簡易リプレイ〔本記事に掲載〕とゲーム紹介
〔本記事末尾に掲載〕、そして愚にもつかない独ソ戦映画紹介記事(字数無制限版)です。

(GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー「バグラチオン:1944シナリオ」
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プレイは1945年2月まで続けました。
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■ The Dark Valley1944年からが凄い!!

 前述の『バルバロッサ電撃戦三部作リプレイ』でも書いた通り、筆者の本分は末期戦にあるわけだが、本作の「バグラチオン1944」シナリオには魅了された。そこで簡単ではあるが、リプレイにして書き留めておきたい。

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まず初期配置だが、『独ソ戦2(ロシアン・キャンペーン2)』と同様、開始時戦線をZOCまたはユニットで埋めさえすれば、どのように部隊を割り振って配置しても自由である。ただ前述した通り、シナリオの戦闘序列が仕訳しにくいのが最大の障害なので、今回特に付録として、YSGAメンバー友絵少尉殿特製のシナリオ戦闘序列表を載せておいたので活用していただきたい。

 筆者は今回攻撃側のソ連軍を担当したのだが、大好きなコマンド39号付録『ベルリン総進撃(Rush on Berlin)』でやるように、プリピャチの南、コベリ・ルブリン線に強力無比の親衛戦車軍と砲兵を集中配備した。また、攻勢継続の要となるスタブカもここに配置し、車懸かりで攻め立てる事とする。独軍もこれをある程度予想して、強力な装甲師団をズラリと並べているが、そこは鉄量で押し切れるだろう。

なお、ジューコフは白ロシアのオルシャ正面に配置して、若干の親衛歩兵軍と共に助攻とした。

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バグラチオン・シナリオも特に奇襲を再現するような陰謀じみたルールはないのだが、標準ルールとして主導権を持っている側は、最初のチットをランダムでなく、任意に好きな物(補給判定チット以外)を選べるので、ソ連軍は「激戦」チットを最初に選んで、まずスタブカとジューコフの指揮範囲内のユニットで攻撃解決後・移動を実施。続けて今度は無作為引きしたチットが「スタブカ」だったので、予備拘置していたユニットを出して攻勢を持続した。とは言え、まだまだ独軍の守りは固く、そんなに戦線に空きがなかったので、限定的な継続攻撃に止まった。

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しかし、それでも1ターン目(44年6月)が終わってみると、独軍にかなりの損害を与えていた。勿論戦闘結果表の特性上、ソ連軍も大きな損害を出しているのだが、部隊数と補充量が違うので十分採算が合うのである。

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The Dark ValleyT.レイサーを見直した

文/山内克介

 テッド・レイサー氏が作る独ソ戦キャンペーン、しかもフルマップ2枚、ユニット数840のビックゲームだと言うのだから、独ソ戦好きのゲーマーなら関心を持たずにはおられない。しかもビックゲームなのにチットプル活性化システム、モスクワの遥か後方まで含めた範囲設定に、「Barbarossa to Berlin」や「Stalins War(GMT)といった、モスクワの落ち易さに泣かされた経験や、「Case Yellow,1940」のチットプル活性化システムに疑念を抱いた身としては、地雷だったらどうしようという不安に駆られた方も多いと思う。何を隠そう、かく言う筆者がそうだからだ。

しかし、それらの失敗を肥やしとして見事に実を結んだのが本作と言える。その証拠に当初は懐疑的だった筆者が、僅か2ヶ月程の間に「バルバロッサ作戦」シナリオ複数回に、「1942青作戦」「1943城砦作戦」「1944バグラチオン作戦」と、全てのシナリオを対戦してなお飽きないでいる。勿論、完全無欠のゲームなど無いので、気になる点も多々あるが、それは順を追って触れるとして、まず内容物を紹介すると、レニングラード/オデッサ以西と以東で分けられるフルマップ2枚に、枢軸軍計235ユニット、赤軍計404ユニット、ルールとプレイブックの2冊子に各種チャート類で構成される(ルール・プレイブック/チャートの日本語完訳はネットから無償DL可能)。ゲームの規模としては、1ターン1ヶ月、1ヘクス約34キロで、ユニットは原則として軍団規模だが、枢軸軍の機械化師団の全てと両軍の非機械化有名師団(スペイン反共義勇「青」師団や戦前ヴラソフが鍛え上げたソ連第99歩兵師団など多数)、更にソ連には親衛軍、独軍には重戦車大隊が登場する。この使い分けは伊達や酔狂ではなく、ZOCの有無とスタック制限とに絡んでおり、戦争初期のソ連軍はZOCを持たない歩兵師団ばかりだったのが、自然と淘汰されてZOCを持つ歩兵軍となり、やがてそれらが統合されて強力な親衛歩兵軍へと発展していく。その過程は感動的ですらあり、緒戦時12戦力の師団を敷き詰めて時間稼ぎしていたソ連軍が、44年の夏には単独で14戦力を誇る親衛歩兵/戦車軍をズラリと並べて全面攻勢に転ずるのである。また、独軍も史実に沿って自動車化から装甲擲弾兵、装甲師団へと置き換えられたり、クルスク攻勢の様に通常のスタックでは充分な戦闘比が成り立たない所へ、スタックフリーの重戦車大隊を掻き集めたりできる。

なお、416月から455月までのフルキャンペーン(全45ターン)の他、開戦から421月までを扱った「バルバロッサ」(全8ターン)と、426月から11月までの「青作戦」(全6ターン)、437月から12月までの「城砦作戦」(全6ターン)、446月から10月までの「バグラチオン作戦」(全5ターン)シナリオが用意されているが、いずれもシナリオ名となった作戦を実施する誘導ルールこそあれ、バルト海から黒海までの全戦線を扱うので、マップ1枚と一部ユニットだけでプレイできる練習シナリオ的な物は無い。また、ソ連軍の歩兵師団も含め全ユニットに部隊名が記載されているのは嬉しいが、キャンペーン/シナリオとも全てフリーセットアップであり(独ソ戦2や大祖国戦争と同じく開戦時のみ軍集団/軍管区制限有)、記載が『使用しないユニット』を除いた全てという方式なので、使用できるユニットさえ出し忘れるという凡ミスが生じやすい。この点は、GMT社が誇るC3I誌でのサポートに期待したい。

ちなみに、仕方がないとは言え、北はレニングラードから南はコーカサス山脈の避暑地ソチまでを真面目にマップに収めている為(ウラルまで入っているのは単にマップの切り取り方の問題)、個々のヘクスが小さく、焦点となる戦域では両軍のフルスタックがひしめき合って、ピンセットがないと移動に困難を覚える場面もあるだろう。特にユニットの裏と表でZOCのあるなしが変化するユニットも多く、間違って裏返ったりすると、戦線に穴が開いただ何だと揉め事のタネになりかねないので慎重さが求められる。その予防のために、こまめに盤面写真を撮っておくのも手だろう。実際、何度かそれに助けられた経験がある。

「ビックゲームをチットプル活性化でなんて、まともに動くわけない」とプレイするまでは否定的に考えていたが、それはT.レイサーの前作「Case Yellow,1940」のチットが全体としての移動/戦闘しかなかった事から生じた早合点に過ぎず、本作では「全体としての移動/戦闘」の他、「独装甲軍」「ソ連軍重点攻勢」「スタフカ攻勢」「ジューコフ攻勢」「戦略予備投入」「ソ連軍反撃」「補給判定」(一部名称意訳)といった多彩なチット構成で、しかもこれらが時期毎にどれだけカップに投じられるか厳密に決まっている事で、全般的な戦局の流れが見事に再現されている。例えば417月(第2ターン)のチット構成は、独軍移動/戦闘2枚、第12装甲軍2枚ずつ、第34装甲軍各1枚に対し、ソ連軍は移動と反撃が1枚ずつしかない。これが437月になると独軍移動/戦闘2枚、いずれか2個の装甲軍1枚ずつに対し、ソ連軍は移動、スタフカ/ジューコフ攻勢、重点攻勢、予備投入と、何とか独軍に伍する所まで達し、447月ともなると独軍移動、戦闘、いずれかの装甲軍1枚に対し、ソ連軍移動/戦闘2枚、重点攻勢、予備投入と逆転を果たす事となる。意地悪な見方をすれば陰謀ルール的と言うか恣意的なデザインではあるが、これまでの独ソ戦キャンペーンゲームにおいても、勝てないと判断した独軍が早期に守りに転じた結果、ベルリン陥落という大団円を迎えられなかったり、逆に一気呵成に西端まで進撃を果たしたりと、史実に比して全般的な戦局のコントロールには苦労しており、本作の様に、天から与えられた機会(チット)をどれだけ活用できるかといった、プレイヤーの役割を限定する形でのコントロールの仕方には目から鱗が落ちる思いがした。このチット統制方式はチットプル全盛の現状に一石を投じる物であり、汎用性も高い事から今後のチットプル・ゲームの流れを変える可能性さえ秘めている(既にT.レイサーは「この方式で一次大戦ゲームを」という声に対し「これでWW2北アフリカ物を作る」と答えている)。

 また、チットで行える行動や範囲を限定する事で、ビックゲームである事を忘れさせるプレイし易さを実現している。どういう事かと言うと、全戦線で移動や攻撃が行えるチットより、司令部の3ヘクス以内(ソ連軍スタフカのみ6ヘクス)に限定したチットの方が多いのである。特にソ連軍の場合、司令部は第3ターンに登場するジューコフとスタフカしかなく、どんなに大兵力を有していようと司令部の指揮範囲内にいなければまともに攻撃さえできないのである(移動は更に厳しい)。従って44年夏までのソ連軍は、ここぞと決めた戦域に攻勢衝力を集中しないと、せっかくの機会を無為に失う事となる(戦争中盤の独軍にも言える)。主にソ連軍が使う戦闘結果表Bは攻撃側に厳しい消耗型で、退却の目が少ない事もこれに拍車を掛けており、戦力を均等に配したり、二正面で攻勢に出ようと欲張ったりすると、遅々とした進撃に泣く事となる。ただ、それだけにビックゲームでありながら、バルバロッサの独軍側を除いて多人数でのプレイには向いていない。それどころか、一旦防勢に転じた側は、反撃するより防御部隊を入れ替え入れ替えして持久に徹した方が効率的なので、お互いに攻撃防御を楽しめるといった展開にならず、ストレスが溜まる恐れがある(意外に補充が余って捨てる事が多いので、非補給扱いでも目途が立つなら攻めた方が良い)。その意味では、独ソ戦なんてこんなもんだと分かっている者同士でやるべき、いわばプレイヤーを選ぶゲームなのかも知れない。

ちなみにゲーム手順としては、増援/補充、航空基地移転、鉄道移動/海輸/空挺降下、チットプル・アクション(計8枚+補給判定チット)、独軍兵站移動/孤立降伏の順となる。

 幾多の独ソ戦キャンペーンゲームをプレイしてきた身として語弊を恐れずに言うなら、本作は先進的なチットプル方式を軸として、「プラウド・モンスター(XTR)」と「大祖国戦争(L2DCMJ)」の良い所取りで作られているように思う。

移動中の蹂躙攻撃が無い代わりに、独装甲軍チットは攻撃してからの移動(勿論逆も可)が認められるので、一点突破の全面展開によりソ連軍をごっそり包囲してターン末に降伏させるのを理想とするが、補給判定チットがいつ引かれるか分からないのと、純粋な移動チットの際にのみ許される包囲脱出(敵ZOC無視での2ヘクス退却)によってスカされる事も多い。主に枢軸軍が使う戦闘結果表Aは退却型、ソ連軍のB表は消耗型と分かれているのも特徴だが、11を下回ると攻撃側全滅の結果があり、戦闘比修正が先読みできる地形効果しかないのに対し、攻防の戦力を変動させる両軍の航空支援と独軍自走砲マーカの存在が脅威となる。特に任意の戦闘に投じられる独軍自走砲はチット毎に再使用可となるので、ソ連軍に票読みは必須だ(逆に中盤以降の独軍はソ連空軍の多さに無く)。また、地形効果が攻防等しく適用されるのも特徴で、原則として機械化部隊は森や湿地、都市ヘクスに関わらない方が良い。

独ソ戦名物とも言える天候は変動無しのターン固定で、夏季/秋季/降雪/春の泥濘とがあり、原則として天候によって一番最初に引くチットを選ぶ権利がどちらにあるかが決まる(補給判定チットだけは選択不可)。更に毎春の泥濘と初年度の降雪時には独軍機械化はZOCを失うので歩兵軍団との連携が重要になる。初年度の降雪時を除き、天候が補給や戦力に影響を与えないのも特徴か。

 その他のルールの機微についてはネット公開の和訳ルールにあたってもらいたい。細かいルールが多い様に思えるかも知れないが、ビックゲームである事を考えると実際のプレイの簡単さに驚かされる(独ソ戦名物のパルチザンさえ無い)。

最後に、このボリュームで日本での小売価格が5600円前後〔2014年当時〕だと言うのだから凄いと言うほかない。確かに、どのシナリオも常にフルマップ2枚を必要とし、長大な戦線はぎっちりユニットで埋め尽くされる等、日本でのプレイ環境を考えると厳しい面もあるが、ビックゲームである事を一瞬忘れさせるプレイし易さ(ソロプレイにも向いている)に、適度なキャラクター性(有名師団にイラスト入りで成長もする独軍自走砲支援チット等)を勘案すれば、決して損な買い物ではないだろう。


by ysga-blog | 2014-05-11 02:58 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

かの軍隊は敗れたり The Dark Valley(GMT)1944開始キャンペーンその②

(GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー「バグラチオン:1944シナリオ」
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第2ターン(1944年7月)
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2ターン目(7月)は 効率重視でまず移動チットを選んで前線に強力な部隊を並べ直し、ZOC to ZOCできる親衛戦車軍は敵中を浸透。

 続いて引かれたチットは願ったり叶ったりの「激戦」チットで、攻撃解決後移動の結果、事前の目論見通り、コベリ・ルブリン防衛線は完全に崩壊。

溢れ出た親衛赤軍の群がワルシャワに迫る。

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 しかも3つ目に引かれたチットは、「スタブカ」で、スタブカHQから湧き出た予備ユニットが全力疾走してワルシャワを無血占領する事に成功。
 まさに場所を変えたバグラチオン作戦そのもので、史実再現性の高さは見事と言うほかない。
もちろんチット巡りが良かったのが大きな理由なのだが。
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 これを受けて独軍も全面的な撤収を開始するが、形振り構わぬ全力敗走ではなく、あくまで戦線を張りつつの後退で、ソ連軍としては付け込む隙があるように思えてならなかった。
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by ysga-blog | 2014-05-11 02:57 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

蛮族なんぞ許すべき The Dark Valley(GMT)1944開始キャンペーンその③

(GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー「バグラチオン:1944シナリオ」
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第3ターン(44年8月)
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しかし3ターン(8月)冒頭の増援フェイズになると、緊急増援のお陰もあって、都市に増援を湧かせる事で独軍は曲がりなりにも縦深防御の態勢を構築。またしても3連続行動チットを得たソ連軍は、それでも一気に片を付けるべく、ワルシャワから北上してケーニヒスベルクに隣接する所まで突進。

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この段階で「独軍投了してやり直しかな?」と内心勝った気持ちでいたのだが、そこがチットプル・システムの妙で、巧みにソ連軍ZOCの穴を突いた独軍移動で、ワルシャワ以北に進出したソ連軍がマルッと包囲され、直後に補給判定チットが引かれたから、さぁ大変。
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実に2個方面軍に相当するぐらいの大軍が補給切れとなり、このターンの終わりまでに補給線を回復させなければ(孤立したとして)問答無用で一発除去となる羽目に陥った。しかもソ連軍はチット3連続の幸運に浮かれていたが、裏を返せば、もはや残っているのは攻撃チットだけであり、その場で攻撃できるもの以外は脱出の機会さえないのであった。かくして奮戦虚しく、ソ連軍はこの超タンネンベルク包囲殲滅戦の結果、親衛戦車軍1、親衛歩兵軍3、親衛戦車軍団7、親衛機械化歩兵軍団2、砲兵2、その他3の計18ユニットが無為に失われると言う大打撃を被った。まさに大逆転であり、天国から地獄とはこの事であった。この惨状に「独軍が投了どころか、ソ連軍が投了か」と心配されたが、「まだまだ、これからっしょ」と意地を張ってプレイを継続。
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古の名将スヴオーロフもかくやの機動戦により東プロイセン以東の独軍を丸々包囲したと浮かれていたら、針の穴ほどのZOCの隙間から独軍機械化部隊がソ連軍背後に雪崩れ込み、ワルシャワを無血で奪回した上に、東プロイセンに進撃したソ連の大軍を、丸々逆包囲!!
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by ysga-blog | 2014-05-11 02:56 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

恨み尽きせぬ蛮族を The Dark Valley(GMT)1944開始キャンペーンその④

(GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー「バグラチオン:1944シナリオ」
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1944年8月の超タンネンベルグ包囲殲滅戦で、孤立除去されたソ連軍ユニット...
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4ターン(9月:曇天)。さすがに大人しく戦線を盤石なものに引き直したソ連軍は、一旦停止して戦力の回復を図る。独軍も「これぞ9月の奇跡だ」と喜んで、ソ連主力の前面に防御部隊を積み上げる。とは言え、ワルシャワ以北こそ沈静化したが、まっすぐ東へ平押ししていたソ連軍はシレジア工業地帯に隣接しており、絶対にここを渡せない独軍は、いびつな形での戦線を維持しなくてはならなくなった。

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by ysga-blog | 2014-05-11 02:55 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

戦わんかな、時いたる The Dark Valley(GMT)1944開始キャンペーンその⑤

(GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー「バグラチオン:1944シナリオ」
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5ターン(10月:泥濘)。

 1944シナリオとしては、このターンがラストになるのだが、あくまでそれは目安として、やれるところまでやろうとシナリオの範疇を越えてプレイを続行。シナリオとして勝敗を判定したところ、独軍が1点差で辛勝であった。

 これはソ連軍がプリピャチ以南に兵力を集中した為に、白ロシアの都市を獲りきれなかった事が原因だった。

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by ysga-blog | 2014-05-10 02:54 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)

敵地に一歩我れ踏めば The Dark Valley(GMT)1944開始キャンペーンその⑥

(GMT)The Dark Valley
 ダーク・ヴァレー「バグラチオン:1944シナリオ」
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6ターン(11月:曇天)

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 戦線の穴を巧みにぬってバルト海へ進出したソ連捨て駒部隊によって、ヴィスワ河以東の独軍を補給切れに陥れたが、港湾補給によって殆どの独軍が補給切れを免れた上、それが届かない白ロシアの部隊も、孤立にまでは到らず、独軍の心胆を寒からしめただけに終わった。
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by ysga-blog | 2014-05-10 02:52 | (GMT)ダーク・ヴァレー対戦記 | Comments(0)