北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」

(GMT)Barbarossa:Army Group North
(GMT)バルバロッサ:北方軍集団シナリオ8
「The Tikhvin Offensive:ティフヴィン冬季反攻」


 急遽組まれた対戦で、何やろうか協議した結果、ここ最近プレイして勘所もなんとなく掴んだバルバロッサ・シリーズを、ソ連軍プレイヤーのワガママで、よりにもよって「北方軍集団」の一番最後のシナリオであるこれを対戦することに。
 YSGA旧ブログにある通り、3年前に何度かプレイして、ドイツ軍の手番が先だとドイツ軍有利過ぎるだろうという素人考えで、勝手に独ソの手番を入れ替える(ソ連軍が先攻になる)ローカル修正が適当であるとしたが、ドイツ軍プレイヤーの提言により今回は第1ターンのドイツ軍手番をスキップして、ソ連軍ターンから開始してみた。

シナリオ8「The Tikhvin Offensive:ティフヴィン冬季反攻」
初期配置全景
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_11555597.jpg

▼ドイツ軍プレイヤーが、薄い防衛線からSS長官警護大隊+高射砲大隊+突撃砲大隊を抽出して編成した、KG.Tikhvin(カンプフグルッペ・ティフヴィン)の勇姿。写真がボヤけていなければもっと良かったのだが...。第2ターンドイツ軍プレイヤーターン終了時のティフヴィン・バルジ中央
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_20224836.jpg

▼第2ターン(1941年11月27~28日)ドイツ軍プレイヤーターン終了時
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_2023635.jpg

▼第2ターン(1941年11月27~28日)ソ連軍プレイヤーターン終了時。ソ連軍、ティフヴィンを正面から無理攻めして大消耗。
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_20232294.jpg

▼第3ターン(1941年11月29~30日)終了時
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_20233872.jpg

▼第4ターン(1941年12月1~2日)終了時の盤面。それまで3ターンに渡って天候が凍結(晴天の次に機動戦には都合のいい天気)だったものが、このターンには厳寒に。厳寒となるとドイツ軍機械化部隊の能力が極度に制限される。1移動力減に加え、ZOCは道沿いのみ、ドイツ軍機械化移動フェイズはスキップされる等。
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_20235541.jpg

▼第5ターン(1941年12月3~4日)終了時の盤面。このターンは、よりにもよって暴風雪(スノー・タイフーン)。機械化部隊の多いドイツ軍は、普段なら見向きもされない分割歩兵連隊を、フルに派出して何とか戦線構築に務めるが、長大な突出戦線をカバーするのは無理な話であり、大規模な撤退を準備し始めた。ソ連軍が序盤にティフヴィンを正面から無理攻めして大消耗していなければ、この天候に乗じて本格的な攻勢に出られたものをと地団駄を踏む思い。
北辺のバルジ!(GMT)バルバロッサ:北方軍集団「ティフヴィン冬季反攻」_b0173672_20241279.jpg

※今回初めて、天候が降雪/厳寒になるターンまでプレイした事により、ティフヴィン・シナリオに抱いていた誤った見解が、見事なまでに粉砕された。
 そのままプレイすればドイツ軍が有利と考えたのは、初期配置の段階で北部のソ連軍戦線に穴があり、そこを初手に突かれると北部のソ連軍が孤立状態に陥って、その救出に時間と手間を取られるソ連軍にティフヴィン攻勢の余裕がないという推測だったが(検証ソロプレイも天候が降雪や厳寒にならなかった最初の2、3ターンしかプレイしていなかった)、遅かれ早かれ迎えるであろう降雪/厳寒ターンには、ドイツ軍の機械化移動フェイズが無くなる上に、機械化ユニットのZOCが道路を通じてしか展張しないという規定によって、ドイツ軍が調子に乗って、下手に突出なんてしようものなら、たちまち包囲殲滅されるという危険性に思い至らなかったのだ。
 3年前から今日まで、ゲームデザイナーのボリス氏には、「ティフヴィン・シナリオ、時間不足だったか、思い入れ不足だったかで、テストプレイしてないんじゃないか!?」なんて悪く思っていたが、まるまる拙者の当て外れ。
 ボリス御大には、この場を借りて、心底より陳謝する次第...。

 そしてシナリオ8「The Tikhvin Offensive」は、ドイツ軍が機動防御を繰り広げながら、如何にティフヴィンに踏み止まって勝利得点を稼ぎながら、巧妙に突出部(バルジ)から撤収するかを競うという、非常に面白いシナリオだという事がいみじくも証明された。
 ソ連軍の作戦としては、天候が悪化するまでは兵力の南部移送に務めながら忍従し、天候が悪化したら南部からバルジの切断を図って、ドイツ軍が自主的に突出部から撤退するのを余儀なくさせるという間接アプローチが有効と思われる。
 総統がティフヴィン近郊のボーキサイト坑欲しさに、無理無理突出させたティフヴィン防衛線を巡る、バルバロッサ作戦ゲームらしからぬ厳冬期の戦いを描くこのシナリオがあるがゆえに、「北方軍集団」を買ったソ連軍プレイヤーも、大満足の今回の対戦となった。
by ysga-blog | 2010-12-11 17:30 | (GMT)バルバロッサ:軍集団 | Comments(0)
<< (GMT)ノルマンディ'... (AH)We the Peop... >>