(CompassGames)No Peace Without Spain
スペイン継承戦争のカードドリブン

マルボロやプリンツ・オイゲンが活躍するスペイン継承戦争キャンペーンゲーム(1702年から1713年までの全12ターン)。デザイナーは、Don Herndon氏。コンパスのカードドリブンは「スパルタカス」「The Price of Freedom」に次いで3作目だと思われます(うろ覚え御免)。
同社の南北戦争ゲーム「The Price of Freedom」と似ていて、カードは55枚、プレイ時間3時間の割とプレイしやすいタイプのカードドリブンとのこと。
ありがたくもネイティブに英文ルールを読めるルーベンさんに、その場でルールを口頭説明してもらって、早速お試しプレイしてみました。
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ゲームデータの詳細は箱裏写真をクリックして読み取ってください。

▲カードは純粋な数字だけのアクションフェイズ用デッキと、毎ターン各プレイヤー1枚だけのイベントカードデッキ(1708年から戦争後半イベントカード追加)という、ある意味、シンプルなカードドリブン。それなので作戦運用にだけ没頭できるのが嬉しい。

面白いのは攻囲戦の処理で、要塞レベル「ゼロ」に達したら、篭城していた兵は半減戦力になって開城撤退する(決して城を枕に全員討ち死にはしない/させない)という「騎士道的」ルール、オナー・オブ・ウォーが義務化されています。まさにこれこそサッポロ辺境伯さんが愛して止まない、ロココの戦い《18世紀バロックの戦争》というものでしょうか!?
従って『後詰のない城は落ちる城』と言われる通り、篭城自体の意味は単なる時間稼ぎに過ぎません。難攻不落の要塞は有り得ないようになっています。レベル3の要塞は欧州全体でも2箇所しかなく、攻囲戦したラウンド毎に攻囲戦修正がつく事を勘案すると、年頭から攻城戦を決意してやれば、そのターン中に大てい陥落します(年越しの攻囲戦継続は無し。なぜならターン末に非支配スペースにいるユニットは自領への冬季帰還を強いられるため)。ただ、1ターン目を除き、毎ターン各自5手番しかないので、敵の要塞スペースに入って1ラウンド、攻囲戦1回ごとに1ラウンドを必要とするので、1D6の出目が悪いと落城しないまま推移する可能性はあります。ちなみに要塞レベルは耐久性を表すだけで、レベル3でも1でも篭城できる兵力は1戦力まで、攻囲戦判定の際にはレベル数による修正とかはありません。