いま甦る(EP)マレー電撃戦 その六 10年前に書いたリプレイ下書き(英軍視点)とその戦訓

シンガポール陥落70周年記念〈1942年-2012年〉

(EP)マレー電撃戦
(EP)Malay Campaign
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※以下に掲載するのは、10年前にYSGA会誌に掲載するつもりで、書き貯めていたリプレイ下書き(英軍側から観たもの。日本軍側も紙媒体としては残っていたが、電子データはなし)。今後(EP)マレー電撃戦をプレイする際の参考になればと思い、恥を忍んで載せておく。一応、今回の対戦ではここに書かれた戦訓を胸にプレイに臨んだつもりだ。
 なお、矢印付きの紫色のコメントは、この10年前に書いた「英印軍三箇条」に対する、今回のプレイでの感想である。

西洋覇道の爪牙となるか東洋王道の干城となるか

マレー電撃戦(EP)リプレイ
文責/英軍担当/Idioten
〔対戦日時:2002年5月11日(土)午前11:25~午後7:25〕

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▼対戦前コメント:


 マレー電撃戦に抱いている一般的なイメージとは、油断しきった英植民地軍が精鋭の日本軍になす術もなくやられるというものだろう。
しかし、このゲームでは違う。マレー戦のヒストリカル・シミュレーションとして、どうやっても史実通りにしかならない「日本の進撃」(HJ)とは違い、ウォーゲームとしての自由度により重きをおいた本作では、英軍は数少ない精鋭のオーストラリア軍でインド軍をてこ入れし、要所要所に陣地を築くことで戦略持久を図ることが可能なのである。これにより両軍プレイヤーがあの手この手と知力の限りを尽くすほど、ゲームの面白さが加速度的にアップしていく稀有のゲームと言えるだろう。
 そういう訳で、英軍がどれだけ奮戦して、日本軍を苦しめることができるかを、このリプレイを通して実証しなければならない。その為に必要な「マレー英軍三ヶ条」を下記に掲げ、この方針を貫くことで自説を証明したい。

1).オーストラリア大隊の絶対温存

 貴重極まりないオーストラリア軍ユニットは決して包囲されて降伏除去とならないよう注意深く布陣させる。抵抗拠点から叩き出されても生きて退却さえすれば、次の防衛線でまた戦える。そのためにはオーストラリア軍だけのスタックを作るより、インド軍を少し混ぜてのオーストラリア軍を核とする増強スタックで水増しする。

→今回の対戦では、終盤までオーストラリア歩兵大隊の損害はなく、日本軍が苦り切っていたので、おおむね戦訓は活かせた。

2).インド軍は最終防衛線でこそ役に立つ

 インド大隊は、ジョホールバル前面の最終防衛線において、日本軍の進撃路上に敷き詰め、最後の時間稼ぎに有用なので、出来る限り後方へ撤退させる。前線に残すインド軍は、オーストリア軍スタックの補強または撤退援護の側面防禦に使うのはもちろん、日本軍の士気回復を妨害するため捨て駒覚悟で前進して、士気低下した日本軍に隣接させる戦術も忘れない。

→今回のプレイでは、結果としておおむね上記の戦訓は活かせたが、序盤ペラク河の防衛で冗長な布陣を行って無為に英印軍を喪ったことは、今後の教訓としたい。

3).マレー戦は退き際も芸のうち 

 カンパル、クァンタンなど要所要所での絶対抵抗拠点は可能な限り持久に務めるが、いつか必ず撤退しなければならなくなる。この引き際が肝心で、思い切って撤収させないと、思わぬ迂回を受けてゴッソリ包囲殲滅されることが多い。大事なのは土地より部隊である。危うく思えても退くときは思い切って退く。

→今回の対戦では、序盤のペラク河防衛において、徹底を欠いて無為に兵を喪った恨みあり。ペラク河に架かる3橋梁を爆破したら、カンパル阻止陣地以北には英印軍がいないように総撤退に努めるべし。

 これらを心に刻んで戦略持久を貫けば、必ずや勝敗は最終ターンにもつれこむだろう。そして常に崩壊の危険を内含しながら、綱渡り的防衛戦を続ける英軍こそ、このゲームで最もプレイし甲斐のある側であると言っていい。

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【第1ターン〈英軍〉】

 コタバル陣地は全ユニット・スタック、ジットラ陣地には4ユニットを入れ、陣前に1ユニット出し、中央のクロウ陣地には2ユニット、その陣前に1ユニットという「広島がんぼう流セットアップ」(唯一マレー電撃戦(EP)のバトルレポートが掲載された86年春のシミュレーター誌4号に基づく)で配置した。
コタバル陣地がまさかの1レベル陣地で、強襲上陸してきた日本軍に大した損害も与えることなく簡単に陥落してしまったのが無念だが、まぁよい。除去さえされなければ、いずれ完全回復して戦線に復帰できるのだ。「諸士生キテ還レ」である。取り合えず混乱(D)した1ユニットを牽制用に中央の悪路方面に退却させ、もう1つはクァンタン方面へ逃がすこととする。退却にせよ鉄道移動にせよ、中央の悪路上にはインド軍1ユニットでいいから布陣させて、せめて日本軍1ユニットだけでも引き付けておくべきだ。

【第2ターン〈英軍〉】

 ジットラとクロウに攻めかかった日本軍であったが、史実と異なりジットラ陣地は望み得る最強の3レベル陣地となり、しかもインド大隊4個のうち3個が3モラルという望外の頑強さに、日本軍は「コタバルの恨みをジットラで晴らされた」と嘆いて、あえて威力偵察に止めて様子見に出た。横のクロウ陣地でも予想以上の奮戦ぶりを見せ付けて日本軍のモラルを少しは低下させたインド軍であったが、さすがにここは抜かれてしまった。
 しかし実はジットラもクロウも(ペナン島も)「捨てる陣地」と決めているので、これは大した問題ではない。ジットラのインド軍が無傷でペラク河南岸に撤収できる幸運こそ、喜ばねばなるまい。実のところ、もしこれら陣地守備のユニットが全降伏しても、英軍防衛策にいささかの揺らぎもないのだ。要は2ターンにペラク河の全橋梁を落とし、オーストラリア軍がカンパルとクァンタンに布陣してからが英軍にとってのゲームスタートと言えるのだから。
 そんなわけでジットラ堅陣地もペナン島も、未練残さず放棄してペラク河南岸へ全軍撤収。「マレー戦は引き際の芸のうち」である。ただ、お楽しみのイベントカードが「義勇軍の編成(1~3ターン無効)」だったのはガックシである。

【第3ターン〈英軍〉】

 今ターンは、先に英印軍がペラク河の橋梁をすべて落として南岸に引き揚げた為、お互いに戦闘なし。ついに移動制限解除となったオーストラリア軍が、予定通りカンパルとクァンタンの重点陣地に進入した。特にカンパル陣地は1ヘクスだけで持久を図るため、例外的にオーストラリア軍3個大隊を入れて最強を期した。またクァンタン防衛にあたっては、迂回浸透で孤立させられないよう、隣接する飛行場ヘクスも陣地化してオーストラリア×1、インド×2をスタックさせて連携防御を図るべく布陣させる。
「防衛戦の推移は事前に予想した範囲内で進行中。万事順調とさえ言える。カンパル、クァンタンの悠久陣地でどれだけ粘れるか? 前半の展開はひとえにこれにかかっている」
お楽しみのイベントカードは、またしても「義勇軍の編成(1~3ターン無効)」。2回もイベントなしとは、全くついてない。

【第4ターン〈英軍〉】

 今ターンもペラク河で足踏みする日本軍により、一切戦闘なし。ただし河を押し渡った銀輪部隊にイポーを無血占領され、大量の物資・トラックが捕獲された(と言ってもイポー市はこちらが放棄したのであり、捕獲はヘクスに進入すれば自動的チェックなので防ぐ手はないのだが)。
今ターンの英印軍は、既に計画的布陣を終えているので、部隊番号を合わせる等些細な整理に終始。ただ前回の戦訓を活かして、マレー西海岸のペラク河口渡河点(テロクアンソンの南3ヘクス)を陣地化して、たとえ背後に日本軍の舟艇移動を受けても補給切れにならないようにした。
お楽しみのイベントカードは、「スピットファイア戦闘機の配備」。これまで何度もマレー電撃戦をプレイしてきたが、スピットを手に入れたのは初めてである。これでマレー上空の制空権は、我が軍が握ったも同然よ!(ウソ)

【第5ターン〈英軍〉】

 ペラク河クアラカンサルの橋梁が、わずか2ターンで修復完了って、そりゃないよって、まぁ、史実でもそんなもんだから止むを得まい。ただし日本軍は、モラルを全回復させて一斉に攻め寄せるべく慎重な前進を見せ、今ターンも攻撃なし。3ターン連続で攻撃なしとは静か過ぎて不気味である。
 英印軍もほとんど動きはなく、カンパル背後の道路上にインド大隊5個をそれぞれ1個ずつ敷き詰めて遅滞戦術をアピールし、陣地化を図ったペラク河口渡河点に3ユニット・スタックを築いた程度であった。ちなみに現在の陣地ポイントは、カンパル4、クブロド2、クァンタン2+固有2、その隣の飛行場ヘクス1である。
お楽しみのイベントカードは、「敗走部隊の再編成」。これは次ターンに攻撃を受けて混乱(R~DD)しても、ターンの終わりに全回復するというもので、日本軍の攻撃を待ち受ける英印軍にとって、まさに打って付けのカードと言えよう。

【第6ターン〈英軍〉】

 なんと!? カンパル悠久抗戦陣地の背側に、いまだ修理の終わっていないペラク河第三の橋を泳ぎ渡って強行軍してきた日本軍歩兵が浸透してきて、あっけなく孤立させられてしまった。これまでの対戦では常に正面攻撃を受けてきたカンパルだけに、ペラク河下流側を強行渡河して背側に廻り込まれるという可能性に気が付かなかった英印軍のポカミスである。これによりカンパルの陣地レベルを判定したところ、驚きの5レベル陣地であり、これほどの堅陣を、戦闘陣地として有効に活かせなかった自分の不注意に泣けてくる。テロクアンソンに1ユニット布陣させておくだけで、陣地孤立の憂き目を見なくてすんだものを! こうなるとオーストラリア軍3ユニットをスタックさせておいたのも裏目に出てしまった(陣地が孤立すると立て篭る部隊は、毎ターン自動的にモラルが2ずつ低下する)。孤立状態で除去されると、降伏したと見なされてカードで復活できないのである。
しかも引いたイベントカードは、「嵐」。これは次ターンに航空機が飛べないこと(橋梁の修理と舟艇移動も不可)を意味し、スピットとF2バッファローを防御支援に飛ばせない英印軍に、不利に働くことになるだろう。予想外の展開に、このリプレイで醜態をさらしてしまうのではという恐怖に苛まれる英印軍であった・・・。

【第7ターン〈英軍〉】

 先のターンにモラル低下したのを受けて、カンパルが我攻めされて一撃で陥落してしまった。しかも退却不能で降伏扱いである。貴重極まるオーストラリア軍が3ユニットも永久除去に・・・。彼らは悠久の大義に生きるのだ。
 また畳み込むようにクァンタン悠久抗戦陣地まで、一撃で陥落してしまった。せっかく陣地レベル5という堅陣ぶりを誇ったのに、立て篭る部隊のモラルが3、2、1って、豪雨を避けて路外で雨宿りでもしとったんかいっ!? 早くも第1防衛ライン崩壊である。
イベントカードは、「英軍の善戦」。嗚呼、1ターン遅かった・・・。
「戦利あらずとも、何かあらん―すべては失われず―なお不屈の闘志あり! まったく、今に見ておれでございますよ」

【第8ターン〈英軍〉】

 「なんと第2線のクブロドも一撃で抜かれてしまった。もうこの後方にはまとまった陣地ポイントはないのだ! まだあと8ターン、一体どうやってジョホールバルへの時間を稼げばいいのだ!?」
カンパルとクァンタンを落とした日本軍、一気にクブロドの3ポイント陣地を強襲。蓋を開ければ1レベル陣地でしかなく、インド軍3ユニット・スタックも全てモラル2で一撃陥落。挙句、初の戦車突進を受けるも、ダイス目1で「接敵(C)」という不発に終わった。もしこれが成功していたらホントに防御計画が破綻に瀕するところであった。ヤレヤレ、危なかったワイ。
これを受けて、第2ターンのペラク河北岸撤退に続き英印軍、再び「引き際も芸のうち作戦」発動。クアラルンプールに2個大隊の遅滞任務部隊を置き捨てて、一気に南下撤退。陣地ポイントもメルシンの最終強化(これで2+固有2)とラビス南東1ヘクスの交通の要所にそれぞれ投入する。
イベントカードは、「日本軍、道に迷う」。

【第9ターン〈英軍〉】

 クアラルンプール攻防戦でスピットファイア出撃し日本機を相殺するも、背後の山から駆け下ってきた日本軍によってクアラルンプール守備のインド大隊全滅。
 英軍さらに戦略撤退を続け、主防衛線をメルシン、ラビス、ムアルに設定。また包囲されてもすぐに降伏しない陣地ポイントのあるところなど、随所に足止め用の捨て駒インド大隊を1ユニットずつ撒き散らした。「タイムスケジュール的にはなんとか守りきれるかもしれない気がしてきた。あと7ターンこのまま堪えるのだ」。
なおイベントカードは、「英軍の戦意高揚」。これでホールドカードが3枚となった。

【第10ターン〈英軍〉】

 日本軍、ペナン島で鹵獲したトラック・ポイントを使って補給基地を更に前進させる。日本軍3箇所の攻撃全て成功させる。
 英軍、一気に主防衛線内に撤収。増援の英国本土旅団はラビスの南に2ユニットとクルアンに1ユニット入れる。「いろいろとヒヤヒヤさせられる場面もあったが、ここにきて第三防衛線の計画範囲内に収まりつつある。取り敢えずメルシン、ラビス南、ムアルにそれぞれオーストラリア軍1ユニットを入れることができた。しかも英国本土旅団も到着して、人心地ついた感じがする。いけるぞ、このまま」。
なおイベントカードは、「日本軍の近衛師団、次ターン動けず」。

【第11ターン〈英軍〉】

 「日本軍は、我が軍のホールドカード3枚を恐れて、西岸での舟艇機動は行なわない様子だ。これを受けて西岸に貼り付けて置いたインド大隊群をジョホールバル前面まで撤退させておくことにする」。メルシン防衛陣が迂回孤立されるのを防ぐため、側面の路上に英印軍3ユニット・スタックを築き上げる。
なおイベントカードは、即時適用の「英軍装甲車による奇襲」で、メルシンに隣接した日本軍歩兵五十五聯隊第二大隊のモラルを2低下させた。
 「今ターンも日本軍は英印軍の撤退の早さに追い付けず、一切攻撃できずじまい。これであと5ターン耐えればパーシバルの戦略持久は貫徹できるのだ!」

【第12ターン〈英軍〉】

 メルシンのみ攻撃される。ここで英軍は航空機2つを投入し、日本機1つを相殺してなお1シフト有利にする。しかし4ポイントの陣地は蓋を開けてみれば最弱の2レベルに過ぎず、守備隊のモラルも頼みのオーストラリア軍が4、英国本土大隊とインドが共に1という体たらくで、たちまちボロボロとなって退却してしまった。東岸の要衝メルシン陣地の陥落で、東岸の防衛線はジョホールバル前面にまで下げざるをえず、取り敢えず足止めユニットを撒き散らしながら陣形を整えた。
なおイベントカードは、お待ちかねの「全滅した部隊を再編成(任意の1駒再登場)」。

【第13ターン〈英軍〉】

 ラビス南の陣地3ポイントが4レベル陣地に化けるも、守備隊のモラルがオーストラリア2、英国本土大隊3、インド2という体たらくで、山側に路外移動しようとした日本軍四十二聯隊スタックを、「日本軍、道に迷う」カードで停止させはしたが、正面からの1スタック攻撃だけで、もろくもラビス南陣地は陥落してしまった。しかしまぁ、混乱(D,DD)だけで生きて退却できただけでも良しとしよう。
「それにしても、レベル4以上の堅陣では、常に守備隊のモラルが低いというのはどーゆーこっちゃ!」。
 これを受けて我が軍は、ジョホールバル最終防衛線の構築を本格化。これまでにジョホールバルに陣地ポイント2、その前面4ヘクスにそれぞれ陣地1ポイントを投入して、持久戦を戦いぬく縦深陣地帯を構築し、インド大隊を路上に敷き詰めて足止めを計ることとする。
 なおイベントカードは、「日本軍、航空隊撤収」。

【第14ターン〈英軍〉】

 日本軍4箇所で通常攻撃後、ひたひたと迫り来る。
英印軍としてはこのターンの増援を全てジョホールバル前面の前進陣地補強に回し、これで余剰となった無傷のインド軍5個大隊にはジョホール水道を越えさせてシンガポール島へと撤収させ、勝利条件の残存ユニット数として確実にカウントできるようにした。また混乱(D)、大混乱(DD)中のユニットもシンガポール島へ収容し、そこで回復後、勝利条件のカウントに含ませるように処置した。
今回の増援によりジョホールバル最終防衛陣地は、全て3スタックで守られることとなり、「これこそパーシバルの決戦必勝陣地なり」と、一人悦にいった。
 現時点での英印軍残存ユニットは、18個+混乱中5個+今ターン増援6個=計29ユニットである。この個数ならあと2ターン戦って15ユニット残存で勝利という条件を充分に満たせるはずである! 
 そして今ターンのイベントカードは「日本軍を待ち伏せする」という、あるヘクスでの戦闘を英印軍側に2シフト有利にできるという、願ってもないものであった。

【第15ターン〈英軍〉】

 陣地に篭ってのスタック防御が裏目に出てしまった。路外浸透してきた日本軍に退路を遮断されて、1個師団相当のユニットが退却不能により降伏する羽目になってしまった。なんとも痛恨の極み、悔やんでも悔やみきれん。遅滞戦術としてインド軍をジョホールバルへの進撃路上に敷き詰めるべきだった。残存ユニットの多さに目がくらみ、ついつい数を頼んでの防御戦闘に期待した結果が、残存ユニットの半分近くを無為に降伏させてしまうという最悪の展開を招いてしまった。
さっきまでの楽勝ムードが、一気にギリギリの勝利または引き分け狙いにまで、しぼんでしまった。
 強攻フェイズに無理押ししてジョホールバルに突っかかってきた日本軍に対し、ここでジョホールバルを落とされては日本軍に勝ちをかっさらわれると、虎の子のホールドカード「英軍の戦意高揚」で、オーストラリア軍のモラルアップを図り、なんとか撃退することに成功した。
 毎度ながら薄氷を踏む思いで、なんとかしのいでいるというのが実情だ。ちょっとでも傾けば、たちまち敗北してしまう緊張感がたまらない!

【第16ターン〈英軍〉】

 ついにジョホールバル総攻撃が開始され、英軍もホールドカード「英軍の善戦」まで使って防御側6シフトまで持っていくが、日本軍の波状攻撃の前にたまらず陥落。そのままジョホール水道を押し渡ってシンガポール島に戦闘後前進する日本軍であったが、そこには英国本土旅団を筆頭とする無傷の防御3ユニット・スタックが待ち構えており、もはや日本軍にそれを強攻して抜くだけのモラルは残されていなかった。
かくして最後の最後ギリギリの線で、無傷の英印軍12ユニット残存により日本軍の勝利を拒んでの「引き分け」となった。


▼対戦後コメント:

 それにしても「悠久抗戦陣地」とまで頼んだカンパル、クァンタンの重点陣地が、まさかの早期陥落を喫して、一時は防御計画の破綻かと頭を抱えたが、緒戦からのインド大隊温存策が効いて、なんとか遅滞作戦が展開できたのが幸いだった。
 唯一心残りなのは、最終防衛ライン「ジョホールバル陣地帯」構築の成功に慢心してしまい、接近路上にインド大隊を1つずつ敷き詰めて日本軍の進撃を遅滞させるべきところを、陣地に頼ってスタックで守らせたことだ。これにより路外に出て浸透移動してきた日本軍によって、ジョホールバル正面の交差点をZOC下に収められ、これにより前進陣地に立て篭もっていた1個師団相当(12ユニット余り)の英印軍が全て退却不能で降伏するという大失態を犯してしまったことである。残存ユニット数の多さに「もう勝った」と思って油断したせいである。
 また日本軍プレイヤーによると、「もし精鋭オーストラリア軍が縦深配置されて、強攻フェイズに日本軍とぶつかるように仕組まれたら、もっと苦戦しただろう」とのことであり、次やるときはオーストラリア軍の前にインド軍3ユニット・スタックを置くような布陣を心掛けたい。
 それにしても、燃えるゲームである!
 プレイすればするほど、次こそはこれまでのプレイ経験を活かした完璧英軍をプレイしてやると、次回対戦が待ち遠しく感じさせられる。
きょうび最終ターンに1点を巡って勝敗を争うような、絶妙なゲームバランスをもったSGなんて、そうあるもんじゃない。
これが計算され尽くしたゲームデザインの帰結なのか、それとも偶然の産物なのかは分からないが、世界的定義に照らしても「傑作」ゲームと呼ばれるに相応しいゲームと言えるだろう。
 しかし想えば不遇なゲームであった。戦国大名(EP)と同時期に発売されながら、ワンサイド感の強い緒戦のマレー戦に抱くネガティヴなイメージと、一見貧相なコンポーネント(原因の何割かはエポック版の箱側面に描かれた、意味不明な南部十四式拳銃と迫撃砲の絵にあるはずだ!?)によって、これまでプレイされるのも稀な国産マイナーゲームの座に甘んじてきた。
かく言う私も店頭で、二千円で売られている本作を手に取りながら、松谷氏の強い勧めにも関わらず、これを棚に戻して他のゲームを買ってしまったという苦い思い出を持っている。案の定、現在では、マレー電撃戦は10回以上プレイしていても、その時買ったゲーム(リーvs.グラント(VG)は1回、数ターンプレイしただけという体たらくで、あの時買っておけばと心から後悔している始末である。
by ysga-blog | 2012-09-16 18:26 | 【大東亜"新秩序"戦争:総合】 | Comments(0)
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