多人数戦に備えて事前システム解説➊War Storm Series.Ⅲ:(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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シリーズ最新作、2018年9月発売予定〔Draco社〕ノルマンディー
 このゲーム出版の為の200万円のキックスターターが既に740万円以上も集まっている。リンク先の最後にある、ユーチューブでのルール解説も有り難い。3/2までに事前注文すれば日本円で1個5000円弱、仲間を集って6個まとめて注文すれば1個あたり3300円程度(送料別)で買える模様。
※結局、YSGA内で12人の注文(12個セットだと1個あたり3000円足らず:送料別)があり、ダイスタワー幾つかと共に発注。ちなみに発注者はFredさん、鈴弘さん、AOKさん、酒さん、ウラビィさん、もりっち、ぱんさん、饅頭屋さん、ironcradさん、官兵衛さん、鬼政さん、idiotenの12人
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(Compass)Paths to Hell
東部戦線1941:1ユニット小隊レベル戦術戦闘ゲーム War Storm Series3作目
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 デザイナーがスペイン人だからか、これまで「スペイン内戦」「西部侵攻1940」「独ソ戦1941」と、微妙に不人気なテーマ続きで知名度の低かった、この戦術級シリーズ。
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 しかし出版社をスペインのゲーム会社に移行しての4作目は、掴みが大事とばかりにメジャーテーマのノルマンディー上陸からサン・ロー攻防戦までを描くアメリカ・ドイツ戦。ならば、それに備える意味もあって来たる2/4例会で希望者を集めて勉強会プレイしようという企画。
 しかし当日、ユニットの見方からルール口頭説明していては時間が勿体ないので、事前にここでシステム解説しておいて当日すぐプレイできるようにしておきたい。なお、日本語ルールも作られていないゲームなので、あやふやな英文ルール素読みであり、誤読や勘違いなども多々あると思うので、公開されている英文ルールと比較して間違いがあればコメント欄で指摘していただきたい。ウォーゲームのルール和訳とルール理解を助けるためのサポート記事は、ゲーマーの共有財産であるべきだとの信念で臨んでいるので恥も外聞もなく常に正しい情報に刷新していくつもり。⇔2/4の6人戦で大いに英文ルール誤読、勘違いが判明。こちらの解説記事も該当部分にこんな書き換えラインを引いて逐次訂正!
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 それではまずユニットの見方から。一番左端の大隊長は無視〔特殊なシナリオのみ使用〕するとして、次の独軍歩兵小隊の記載は、左上の黄色い四角で囲まれた数字「6」は、対人(AP)火力6である事を表し、その右肩の小さな数字「2」は通常射程を表す。従って2ヘクス先までのソフトスキン目標に対して6火力で射撃可能となる。
なお通常射程を越えて2倍の距離までは火力半減で撃てるので、3~4ヘクス先の目標には3火力で撃てる事となる。
 右上のアルファベット「A」はA中隊所属の小隊という意味で、その下の緑丸は、視認に関して小型目標と見なす事を意味する。
 そして右下の白抜き数字の「5」は、移動タイプ徒歩で5移動力を持つという意味。

 隣のソ連軍(右脇の数値背後が黒色は歩兵)中隊長の見方としては、左上のアルファベット「A」はA中隊を率いている事を表す。
 左上枠外の「1」は、指揮範囲を表し、中隊長のいるヘクスと隣接するヘクスまで指揮範囲下におけることになる。
 黄色の「6」は中隊全体の士気値を表す。士気判定は6面2ダイスの出目合計で、士気値以下をださないといけないので、この中隊は並以下の余り信頼のおけない中隊だと分かる。ただし左下の黄色い丸の中の赤数値「2」は、スタックしている指揮範囲内にいる部下の士気判定に有利なダイス修正2を適用できると共に他の中隊との協同活性化の判定においてもこの数値の合計が成功値(6面体1ダイスで数値以下)となるので、中隊全体の士気こそ低いが中隊長個人の能力は高いと分かる。
 そして右下の白抜き数値「5」は、歩兵と同じく移動タイプ徒歩で5移動力を持つという意味。
 ちなみに指揮官は、スタックする友軍がステップロスすると除去判定を強いられ(ただしスタックが白兵戦で全滅すると指揮官も自動的除去)、除去されると次のターンの冒頭の指揮統制フェイズに無作為引きされた補充指揮官が登場する。

 旧式のソ連軍76.2㍉歩兵砲の見方は左上から、白で囲まれた数字「4」は、対戦車(AT)火力4であることを表し、その右肩の「2」はその通常射程。隣のオレンジ色で囲まれた数字「6」は、砲兵(ART)火力6であることを表し、その右肩の「6」はその通常射程。迫撃砲と歩兵砲に関しては、その砲を率いる中隊長が観測する限りにおいて間接砲撃を行える。間接砲撃の利点は砲兵自身は隠れていて視線が目標に引けなくても撃てるのと、火力半減でメガヘクス弾幕砲撃ができること。ただし間接砲撃は偏差の可能性あり。
アルファベット「A」は歩兵砲A中隊に属し、黄色のは視認に際して中型目標と見なされる。右端の赤色「T」は、トラックや馬車に懸架して運搬可能だが、白兵戦からの退却不能=白兵戦での敗北即除去を表す。
そして右下の白抜き数値「1」は、歩兵と同じく移動タイプ徒歩で1移動力を持つという意味。

 航空機は特別なシナリオにしか登場しないが、盤外砲兵に似たルールで、このポリカルポフ複葉爆撃機の場合、「8」砲撃力でヘクスを攻撃できることになる(当然偏差の可能性もある)。

▼独ソ戦41までのユニットの見方〔上段〕と、ノルマンディからのユニットの見方〔下段〕
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▼続いて戦車ユニットの見方。3号戦車G型の場合、左から黄色の囲みで対人火力「3」通常射程「4」、白の囲みで対戦車火力「6」通常射程「4」、赤の数値「4」は装甲値、「R」はR中隊、赤丸は視認に関して大型目標、そして右下の黒字の「10」は、移動タイプ装軌式(T)で10移動力を表す。
 ただし装軌式の場合、道路こそ1MPで行けるが、平地で2MP掛かるので、平地を進撃するなら歩兵と同じく5ヘクスしか動けないことになる。なお、この小隊規模ゲームには向きの概念はない。T-34BにBT-5、47㍉対戦車自走砲、KV-1Aともに見方は同じ。

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▲ 変わり種としては、T38水陸両用偵察戦車の水色Aが表す渡河能力、赤丸の下の赤字「R」が表す「視認補助能力」がある。水陸両用能力は登場するシナリオが希なので無視しても良いが、赤字「R」が表す「視認補助能力」は意外に重要で、このゲームでは目標が存在するヘクス地形によって視認可能なヘクス距離が決まっており、視認するユニットと赤字「R」を持つユニットがスタックしているか、視認を行う中隊長の指揮範囲内に赤字「R」を持つユニットがいれば、視認可能距離が割増される。
 あと独軍2号火炎放射戦車の赤で囲まれた数値「16」と射程ゼロは、敵と同一ヘクスにいる場合にのみ使える対人火力。
 最後のソ連軍タチャンカ(機関銃馬車)は、移動タイプ徒歩で8MP持つのが利点。ただしオートバイとタチャンカは敵ヘクスに自ら突入(白兵戦)できない。
ちなみにルール単純化の為に、AFV同士の白兵戦(敵AFVと同一ヘクスになること)は不可とされている。


▼独ソ両軍における偵察(R)兵各種。トラック乗車歩兵やハーフトラック乗車歩兵と同じく、乗り降りには移動力の半分(端数切捨)を必要とする。またいずれの歩兵も固有の移動手段を引き連れて移動していると見なされ(移動力の回りの色を黄色くする事で表す)、オートバイやトラックなど車両が進入禁止な地形には歩兵モードであっても進入が禁止される。その代わりハーフトラック(装甲兵員輸送車)歩兵などは、歩兵面での移動中にも装甲援護効果である避弾修正が得られる。
 また下を詳しく見れば分かるとおり、騎乗していると移動力は少し増えるが火力は半減したり、被弾率が上がったり、騎兵突撃できたりする。
オートバイの場合は移動力が大幅に増えるが(装輪式だと平地コスト2MP)、視認に関して中型目標となる。またサイドカーの機関銃が使えるようになるので全体としての火力は下がっても射程は延びているのが分かる。
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 後回しになったがゲームスケールを紹介すると、個々のユニットは個人である中隊長ユニットを除き小隊規模(歩兵3個分隊相当、戦車4輌前後)で一律3ステップを有す。1ヘクス約200メートル、1ターン15分、各ゲームごとシナリオ13本(シナリオ自作ルール有)。なお当然ながらステップロスに連れて火力と白兵戦力(および個々の士気値)は低下する。
 そしてスタック制限は、1ヘクスにつき3個小隊(3ユニット)まで。

 システムは簡単。先手側から中隊長1人を活性化。その中隊に属する各小隊ユニットが、それぞれ移動、射撃、臨機射撃(リアクション・マーカーを置いて敵の移動に対して全火力で臨機射撃できるように待機する)、混乱回復(中隊長とスタックしていないと不可)の内いずれか一つのアクションを選択して行う。
これを交互にパスが連続するまで中隊単位で活性化させ続ける。
 活性化した中隊の各小隊ユニットには活性化済(フィニッシュ)マーカを配置(伏撃を命じた小隊には活性化済みの代わりにリアクション・マーカが置かれる)。
 ちなみに、臨機射撃は、リアクション・マーカーが載っていなくても未活性であれば行えるが、リアクション・マーカなしの臨機射撃は火力半減する。
 臨機射撃で面白いのは、移動中のソフトターゲット(対人射撃)は臨機射撃を受けると被弾しやすく、移動するハードターゲット(対戦車射撃)には当たりにくい修正が適用されること。
AFV中隊と協同活性化してAFVユニットと歩調を合わせて(スタックして)移動するソフトターゲットには、装甲援護効果として命中しにくい修正が適用されるので、その意味でも諸兵連合効果が利いている。
 また、友軍AFV中隊と協同活性化できれば、そのAFVとスタックして活性化を開始した徒歩ユニットは、そのAFVを引き連れて共に突撃(白兵戦)でき、突撃前モラルチェックを免除できたり、有利な修正を得たりできると効果は絶大。
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 そして臨機射撃を行ったユニットには活性化済みマーカが置かれる(リアクション・マーカを持つユニットが臨機射撃を行ったら、当然リアクションマーカを取り去って、入れ違いに活性化済みマーカを置く)。
 なお、一度置かれたリアクション・マーカは、臨機射撃を行うか、次ターン以降に違う活動命令を受けるか、白兵戦に巻き込まれるか、潰走しない限り、ずっと置かれ続ける。
一つの活用法として、リアクションを命じた小隊ユニットを守備隊として後方に残置したまま、中隊の残りの小隊ユニットは中隊長と共に前進を続けるなどがある。
中隊長の指揮範囲にいない小隊は、個別に1手番費やして不利なモラル判定を行って成功しないと活動できないが(判定にしくじると活性化済みマーカが置かれてしまう)、取り敢えずリアクション・マーカが置かれている限り、敵の接近を躊躇させる効果はある。
 ただし、対戦車砲と高射砲を除き、迫撃砲や歩兵砲、野砲はリアクション・マーカを置けないことに注意。奇異に感じるかもしれないが、ゲーム的に十分強力なので、リアクション・マーカ無しの半分火力での臨機射撃に止めて、本領発揮は砲兵器側の手番が回ってきた時の射撃に任せているのかもしれない。

 ゲーム手順としては、およそ次の通りで、先攻後攻決定フェイズ 指揮統制確認/中隊長補充フェイズ 先攻後攻決定フェイズ 活性化フェイズ(両軍がパスするまで交互に継続)で1ターンが構成されている。
 ターン冒頭の先攻後攻決定フェイズでは、お互いに1D6して修正後の目が大きいほうが先攻を選べる。
この際のダイス修正には、シナリオ攻撃側+1、前ターンの先攻側+1が適用される。
言い換えると前ターンの最後に活性化した中隊が、次ターンの先手で間髪入れずに再度活性化する「ダブルムーブ」という現象が発生する可能性がある。

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▲参考までに最新作のノルマンディーユニットから。原則的にユニット記載の能力値は同じだが少し進化していて、中隊名(アルファベット)の下の数字は「白兵戦力」。
もちろん旧作にも白兵戦力はあったが、いちいち白兵戦力チャートで確認する必要があった。あと歩兵の対人火力の数字が黒字と赤字になったが、これは黒字がボルトアクション小銃、赤字が半自動小銃を主に装備していることを表すらしい。
 あと視認の際の目立ちやすさを表す色付きは見分けにくいということで、ユニットの右肩(中隊アルファベットの背後)に、カラーバンドとして大きく記載される形に変更されている。従って緑は小型黄色は中型赤は大型目標と見なされる▼
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▼指揮範囲に関して。敵の存在や地形に関わらず直属中隊長の指揮範囲内にいれば指揮下。ノルマンディーユニットの例で言えば、ヘクス509のE中隊長(指揮範囲1ヘクス)は、ヘクス510の小隊のみ指揮下に入れていることになる。
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▼中隊長の指揮範囲は敵ユニットの存在や地形に影響されない。下図で言うと、指揮範囲2ヘクスの中隊長が指揮統制下における範囲はこんな感じ。
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【移動ルール】移動も単純。以下の地形効果表通りに進入するヘクス単位で移動コストを支払っていくだけ。移動タイプには「徒歩」「装輪(車輪)」「装軌(履帯)」の3種があり、地形によってコストは異なる。
 ちなみに道路の「1+1ヘクス」は、徒歩タイプが全ての移動を道路沿いに行った場合、路上で追加1ヘクス貰えることを示す〔ASLにもそんなルールあり〕。
 ちなみに独立家屋(ディスパース・ビルディング)ヘクスとは、ヘクス内に2軒しか建物がないヘクスを指す。 なお、集落(ビルドアップエリア)ヘクスの「0.5-2(装輪式の場合)」とかは、道路沿いに進入した場合とそうでない場合を示す。
上掲の例図で言うと、ヘクス510から410の集落へ歩兵が移動した場合は道路沿いなので0.5MP、ヘクス411または509から410の集落に移動した場合には徒歩で1MPかかるわけだ。注意すべきは道路沿いでも戦車などの装軌式は集落ヘクスへの進入には2MPかかるということ。これは戦車の運用にかなり邪魔となる(道が狭いからか、それとも警戒する為か)。
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よく考えると違和感ありまくりなので英文ルールにあたると、手持ちチャート(フルカラー)の地形効果表とルールブック記載の地形効果表とに明確な違いがあり、モノクロの手持ちチャート(上掲)にある移動コスト表を確認すると、集落の部分 
『Built-up Area: 1 (徒歩)/0.5-2(装輪/ 0.5-2(装軌)』
..とあり、やはり徒歩タイプは道路を使おうが集落1MP、装輪式と装軌式は道路沿いで0.5MP、そうでないと2MPであることが判明。単なる印刷ミス。
その解釈で行くと、徒歩タイプは道路沿いでなく独立家屋(ディスパース・ビルディング)に入るのは2MPだけど、より建て込んでいる集落ヘクスに入るのは1MPで済むことになる。これは集落の方が路地が沢山あって移動しやすいからか!?
これに対して独立家屋は、ほぼ平地だから平地と同じ2MPと言う訳かも知れない。

 なお、移動すると敵から臨機射撃を受ける可能性があり、その際、同兵種で6ステップ(無傷の2ユニット)以上スタックしていると被弾率が上がる。そしてAFVに対する臨機射撃では当たりにくい修正が、非AFVだと臨機射撃は当たりやすい修正が適用される〔ASLにもそんな修正あり〕。
 また、臨機射撃でなくとも移動したターンに敵から射撃を受けると、移動目標ダイス修正が適用される〔マーカーが不親切で、移動済みフィニッシュ・マーカが欲しい〕

 また、「徒歩」移動タイプに限り移動時に一切、敵ユニットの隣接ヘクスに存在/侵入しないことを条件として、移動力を+3増やせる「強行軍〔Double Time〕」がある。
 ただし強行軍を行うと強行軍マーカが置かれ、臨機射撃だけでなく通常の射撃に対しても被弾率が上がる〔単なる移動目標が1修正に対し強行軍は2修正でキツイ〕。
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▼河〔メジャーリバー〕はヘクスサイドではなくヘクスの真ん中を流れているタイプで、河ヘクスで移動を終えないことを条件として、河畔の地形に従って河ヘクスを通過できる。そして河は橋梁または浅瀬を利用しないと渡河できない〔例外:水陸両用戦車〕。
 下の図で言うと、ヘクス1308の歩兵は、ヘクス1208の河畔を通過してヘクス1108まで平地各1MPずつ計2移動力消費で移動できるわけだ。
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【射撃ルール】 射撃は火力を基に6面体2ダイスを使用する射撃戦闘結果表で損害値を求め、この損害値を目標が存在する地形による防御値とで割って出た結果が実際に目標ヘクス内の敵が被るステップロス数となる。
これは対人射撃、対戦車射撃(対戦車肉薄戦)、砲撃も原則的に同様で、戦車の絡まない白兵戦のみ戦闘比で解決される。
 射撃に関しては少しだけ斬新なので、ここでぐだぐだ説明するより、次の射撃例で解説したい。
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▼せっかくなのでノルマンディーの図例を流用して。
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 ヘクス1209の3ユニットが、3ヘクス先の独軍を射撃しようとしている。まず敵を視認できるか確認すると、平地の小型目標は視線が引ける限り7ヘクス以内の敵から視認される(移動中なら10ヘクスまで延長)。

 生垣はノルマンディで追加された新たな地形だが、おそらくASLと同じく敵側生垣ヘクスサイドに接するヘクスまで視認可能と思われる。従ってこの場合は3ヘクス先なので十分視認できている。
 また、目標は2ユニット・スタックしているが、それぞれ1ステップロスしている為、4ステップしか持っておらず、被弾率が上がる6ステップ以上スタックではない。
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 火力の合計は9火力(歩兵は延長射程で射撃しているので火力半減なのに注意)。6面2ダイスの合計は7だったとする。多分生垣の効果はダイス修正+1だと思われるので、修正後8となる。
これを射撃戦闘結果表の縦列「9」火力、横列ダイス「8」の交差で確認すると『2』とある。続いて地形効果表の防御値「AP(対人)射撃」に求めると、平地の防御値は「2」とある。従って2ヒット÷防御値2=1により、目標は1ステップロスを被る。
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 どの小隊に損害を割り振るかは任意だが、原則として累積損害が均等になるようにしなければならない。この場合はどちらも同じ1損害なので、どちらに適用しても良い。2ステップロス喰らった小隊ユニットは、1損害マーカを取り除いて減少戦力面へ引っくり返される。
そして1つでも損害が発生したので、独軍中隊長は除去(死傷)判定を強いられ、6面2ダイスで修正後1以下になれば除去される。この射撃では合計1損害被ったのでマイナス1修正が適用され、ピンゾロが出ると除去となる。
 更に恐ろしいのが中隊士気チェックで、この独軍D中隊(3個小隊編成)は既に小隊数と同じ3損害を被っており、そこに1損害を追加されたことで小隊数の3をオーバーしてしまった。
これは中隊士気判定の切っ掛けとなるので、中隊長ユニットに記載された士気値7を基準に、この損害を新たに被ったヘクスを目視できるD中隊ユニットは全て個々に士気チェックされる。
この際適用される修正は、小隊数を越える損害につき+1、そのユニットが被っている損害につき+、スタックする指揮範囲内にいる中隊長のマイナス修正となる。
従ってヘクス910で2損害を持つ小隊は士気値7マイナス3+指揮修正1=5以下を出さないと潰走(潰走マーカを載せて直ちに3ヘクス後退)する。
また修正後士気値を5上回ると潰走を超越して壊乱となり一発除去される。従ってこの場合は出目10以上で小隊が消える。
残りの1小隊は士気値7マイナス2+指揮修正1=6なので6以下で耐えられる。そうでないなら出目7~10で潰走、11以上で除去となる。
 そして隣接するヘクス911のD中隊所属小隊も士気判定を強いられ、士気値7マイナス1+指揮修正1=7が基準値となる。
 こうなってしまうと、もはやいつ中隊が潰走してもおかしくなく、独軍としては、もはやD中隊は信頼に値せずとなる。
 この、「部隊は一定の損害を越えると、もはや戦闘組織としての機能を失う」という軍事常識が上手く再現されているのが、このゲームシリーズ最大の売りであり、個人的にも惹かれた点である。
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▲射撃解説をもう一つ。中隊長の指揮範囲内(B中隊長の2ヘクス以内)にいる直属小隊は火力を合計して射撃できる。上図で言うと6火力の歩兵小隊×3と7火力機関銃×1(皆「B」歩兵中隊所属)による計25火力による射撃を平地にいる独軍に加え、射撃結果「8」を得た。
平地の防御値は2なので一挙4ステップロスを与えた事になる。撃たれた独軍は歩兵1ステップしかいなかったので当然全滅し、指揮官も損害相当のマイナス4修正で指揮官除去チェックを強いられる。その結果(2D6)「1」以下になれば指揮官は除去される。
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【対戦車射撃】
 こちらも適当な写真の持ち合わせがないので、ノルマンディーの図例を流用して解説したい。
 独ソ戦1941とノルマンディ44とでは対戦車力に格段の差があるが、そこは下掲の砲性能表に置き換えて考えたい。
 対戦車砲が、2ヘクス先の戦車スタックを射撃するとする。まず視認できるか確認するが、平地の戦車〔大型目標〕は12ヘクス先から視認できるので(移動中ならこれが18ヘクスまで延びる)問題なく視認できる。
 次にスタック内のどの戦車を狙うか宣言する。この距離なら大抵の戦車の装甲を貫通できるはずなので、装甲値7の方を狙う。
 そして14対戦車火力で出目7だったとすると、4ヒットと出た。
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 図では75㍉対戦車砲だが、独ソ戦41の独軍では50㍉対戦車砲が最新なのでそうだとすると、1ヘクスで装甲値10までの戦車を貫通でき、2ヘクスでは装甲値9まで抜ける。
これが当時としては一般的な37㍉対戦車砲だと、最大貫通力5なので装甲値9のT34/76や、装甲値11のKV-1A等に対してはまさにドアノッカーにしかならない。
なお、対戦車射撃の際に適用されるダイス/コラム修正は、射撃戦闘結果表下の右側にまとめられている。左側は対人射撃/砲撃に適用される修正一覧となっている。
ちなみに同じ中隊に属し、中隊長の指揮範囲内にあってスタックまたは隣接し合う同じ〔下図の砲アルファベットが同じ〕砲は、火力を合計して射撃できる。
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▲独ソ戦41に登場する全ての戦車砲、対戦車砲、高射砲、野砲の貫通力算定表。縦列がヘクス距離、横列が固有の砲となる▼
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▼いずれにしても、その距離での貫通値が目標の装甲値以上であれば射撃結果で得たヒット数が使える。装甲さえ抜いてしまえば、あとの処理は歩兵とかと同じで、その戦車がいるヘクス地形で防御値〔AT射撃の縦列使用〕を求め、ヒット数を防御値で割って出た整数がステップロスとなる。
 先の例で言うと平地なので2防御値、ヒット数は4なので、目標戦車に2ステップロス与えたとなるわけだ。
これにより無傷だった戦車小隊ユニットは、裏面の減少戦力面へ引っくり返される。
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取り敢えず、指揮と移動、射撃の基本はこんなところ。次は詳しい活性化システム、白兵戦や盤外/盤内砲兵による間接砲撃、中隊士気チェックその他について解説していきたい。
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【ルール情報集約】
Fredさんからのコメント:デザイナーから直々に回答もらいました。
http://talk.consimworld.com/WebX?14@@.1dd160f5/1899

1.Q:ある中隊が戦車突撃を受けて2ステップロス以上したのを目撃した他の中隊は、それによって連鎖的に中隊(フォーメーション)士気チェックするのか?

A:友軍の他の中隊の損害を目撃した中隊が士気チェックをすることはない。

2.Q:友軍の他のユニットが戦車突撃でステップロスしたのを目撃したユニットは士気チェックするのか。

A:あくまで戦車突撃を受けた中隊のユニットが、その損害を受けたユニットを目撃することによってのみ

3. Q:拡張射撃(通常射程を越えて射程の2倍までの距離)で砲兵力を使用できるか。

A:2倍までの射程で半減の砲撃力で可能。

4. Q:拡張射撃で煙幕が撃てるか。

A:撃てない。

5. Q:迫撃砲で煙幕を常に撃てるのか。パスヘルのシナリオで特に迫撃砲に割り当てられた煙幕弾に関する記述が見つからないので不明瞭。

A:同梱シナリオにはないが、自作シナリオにおいて導入することが可能。

【追加質問】
質問1:PAK 37による間接攻撃の是非
返答:不可
対戦車砲と高射砲は間接射撃できず。
高射砲と対戦車砲はリアクション指定できる。

質問2:歩兵の白兵戦と戦車突撃の勝敗、ステップロスによる中隊の士気チェック
答:歩兵の白兵戦:負けた中隊のみ
戦車突撃:2以上のステップロスした中隊、勝敗関係なし

質問3.:敵ユニットに隣接して白兵戦をする間、中隊の行動が続くのか。
答:中隊のユニットの準備が整ってから白兵戦を実施する。

SSのMG42やマーダーIIIなど魅力的なユニットがいっぱいです。

by ysga-blog | 2018-02-03 19:41 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(2)
Commented by ぐちーず at 2018-01-20 18:12 x
熱烈続編解説歓迎!
Commented by ysga-blog at 2018-01-21 06:33
> ぐちーずさん

御意見歓喜雀躍!
続編執筆ニワレ猛進ス
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