第346回定例会の様子その6 こういうZOC表現もあるのか...〔Strategemata〕Festung Breslau 1945 その①

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〔Strategemata〕Festung Breslau 1945
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Dublinさんの対戦後コメント: ボックスアートがいきなり廃墟の白黒写真にゲームタイトルという虚無感漂うテイストである。
 ポーランドで何故にこのゲームが出版されたかというと、一応現在のポーランド内の戦いであるし、状況が許せばポーランド第2軍が戦いに参加した可能性があったからか?(ゲームでも再現され、ポーランド軍を投入すると赤軍の勝利条件が厳しくなる)。

駒数278個
地図ハーフマップ
全20ターン
地図上の勝利条件ヘクス20ヶ所以上をゲーム終了時に占領でソ連軍の勝利(前述のポーランド軍投入で25ヶ所)
スケールは1駒: 大隊から連隊
ヘクス: 400m
1ターン: 4日間
兵科は、歩兵、装甲、砲兵のみ
歩兵と装甲は共同攻撃で諸兵連合効果有り
ソ連は異師団で共同攻撃できない。
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 駒の移動力は一律5移動ポイント(独ソで移動コストが異なる)。

 さらに独ソで移動と攻撃の順番が異なる。特に独軍は移動後に攻撃できないので反撃してVPヘクスを取り返すのが困難。

 駒に戦力の違いはなく、すべからく1駒1戦力で1ステップのみ。戦車も歩兵も違いはない。市街戦ともなれば、質より量で勝負だからだろう。
 それでも戦車と歩兵が組めば、諸兵連合効果+1ダイス修正はある。

 戦闘は防御射撃と突撃しかなく、6面体ダイス1つ振りで各種修正後、地形による命中値以上を出せば目標は除去される(ただし砲爆撃を除き、スタック全体に対する射撃や突撃はできない。ピンポイントで目標ユニットを指定して行う)。
 そしてダイス目には射撃または突撃に参加した駒数がダイレクトに加算される。例えば1駒で防御射撃した場合、出目+1となるわけだ。
最低でも1駒は参加するんだから、その分、差し引いて命中率出せばなんて、野暮なことを考えてしまうが、「バカ野郎、そんなの面倒だ。何駒撃ったからその分足すんだよ!」という発想で、実に男らしく、シンプル。わかりやすい。 

 スタックに関しては、赤軍は禁止(通過はOK)。独軍は2枚まで。
 ただスタックして守ると砲爆撃でまとめて混乱させられる恐れがあり、かと言って1枚だと一撃除去されやすいのが独軍のジレンマとなる。

 射撃修正のあるエリート兵はSS,HJ(ヒトラーユーゲントの、こども兵たち)、滑走路に強行着陸してくる降下猟兵、ソ連の戦闘工兵などがある。

 赤軍による砲撃や突撃が効果なしの結果に終わると一部のドイツ軍部隊は戦意高揚状態となる(赤軍に対する射撃命中率が高まる)。
※真っ赤なファナティック(F)マーカが置かれるのだが、赤軍と間違えやすい...

 地図盤の真ん中に位置するブレスラウに対して、赤軍は北西、西、南、北東の4方向から攻撃を開始する。
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第1ターン(1945年2月14日から18日)終了時
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 第1ターン取り敢えず、市街への突入と防衛軍の補給に有利な修正が付く飛行場の占領を目指す。

 赤軍ユニットの移動前に赤軍の空襲砲撃が始まる。
 砲撃は盤上の砲兵ユニット、空襲は航空ポイントを投入されて行われる。
 空襲と砲撃は共同できず、地形の影響は受けず、そして最高火力でも6分の1で失敗する可能性がある。それでも赤軍の移動前に独軍の防御射撃を沈黙させられる砲爆撃は極めて重要である。
 ちなみに砲爆撃とも観測や射程距離などといった面倒なルールは無い。それがなくても問題なく機能するのはテストプレイをやりこんでいるからではないか。
 ゲームデザインとは、かくあるべし。

 そんなわけで飛行場のある南部に重点的に砲爆撃を実施した。
 砲爆撃結果は相手を混乱させるだけであるが、混乱すると防御射撃ができなくなるので、その横を大手を振って通り抜けることができるのだ。他のゲームで言うと、混乱した敵がZOCを失うようなものだ。

 都市に取りつくまでは平地から接近するしかなく、防御射撃は修正が無いから50%の確率で命中除去される。これにより、砲爆撃を耐え抜いた守備隊の防御射撃の前に、書記長の赤子が次々と吹き飛んでいく。
 ただし、赤軍の場合、除去されたユニットは、1D6の半分のターン後に自動的に補充されて登場ヘクスから戻って来れる。
 途中で遮蔽(師団集結地)ユニットなるものを盤上に配置し、そこから補充を出すことも可能になる。
 戦線が盤端から遠くなる戦いの中盤、後半は重要だ。

 一方のドイツ軍は、3補給ポイントの大枚を支払って、除去ユニットを再建補充として購入できる。
 但し赤軍から8ヘクス以上離れている都市ヘクスにしか置くことができないので、必然的に包囲の環が締め付けられる後半は登場場所が無くなり、補給はあってもユニット再建は望めなくなる。その意味でも安易に撤退して包囲網を縮小してしまうのは、独軍自ら首を絞める行為となる。

 かくして第1ターン、大出血しながら郊外からドイツ軍を駆逐するのに成功(独軍が自主的に防御側有利な都市内に撤退したという意見もあるが)。
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Dublinさんによるシステム解説: このゲームは支配地域の概念が防御射撃になっている。従って、ZOCゲームに有りがちな1ヘクス空け戦線は弱点になる。
 砲爆撃によって空きヘクスの両側が耕され、そこから突入されてしまうからである。だが、都市内ではドイツ軍が5ヘクス移動できるのに対して、赤軍は3ヘクスしか移動できない。大きくは突破されずに、何とか戦線を引き直すことができる。
 それでも赤軍の隣接しているヘクスは高修正の防御射撃が待っていることになるので、後半にユニットを無駄に出来ないドイツ軍は戦線を下げざるをえない。
 だが、砲爆撃に生き残っているユニットがいれば、防御射撃で基本6分の1で移動中のユニットを除去できる。
 ドイツ軍は補給ポイントを消費すれば、砲撃支援の形で防御射撃と攻撃を有利にできる。
 但し、どの包囲戦にも当てはまるが、補給ポイントは後半になるほど厳しくなるのは例外ではない。
 貴重な補給ポイントを一時消費して仮設飛行場を建設し、後半戦に備えるのも大事である。
 また、砲爆撃は絶対ではないので、サイの目次第ではソ連軍の進撃は停滞することになる。
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 第2ターン以降は、砲爆撃で耕したところ以外は接近しない戦術に早速切り替える。
 ブレスラウ飛行場にどうにか隣接し、そこの第3ターンの先行手番で守備隊を吹き飛ばす。
 だが、何故か後攻手番で降下猟兵が湧き出てソ連軍の支配を妨害する。
 戦闘はユニットを目標とし、攻撃ユニット数その他修正を1D6に加えて、目標の地形以上が出れば相手を除去できるが、戦闘後前進が無いので、防御射撃を潜れば除去されたヘクスの穴は塞ぐことができる。
 但し、防御射撃は強力な修正が付くと絶対除去になることがあるので、絶対進入できないヘクスとかも生じる。
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▼独軍としては飛行場を確保している間は補給の充当がある程度見込めるので死守したいところだが、滑走路があるということは単なる平地なので、赤軍の猛攻に耐えられるわけがない。しかし赤軍には戦闘後前進がないので、とにかく飛行場にユニットを入れ続ける。まさにブレスラウのベルダン(肉挽き機)状態
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 飛行場奪回の部隊が西に集めながらも、第4ターンに飛行場は陥落、南部と北部で赤軍は都市内に取り付き始めた。
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by ysga-blog | 2018-04-15 20:12 | 大規模市街戦モノ City at War | Comments(0)
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