強襲上陸こそ王者の技よ...新Bさん霊峰富士の裾野から横浜市内へ転居記念に『Black Sea ★ Black Death』(PWG：1983)シナリオ３「夜間強襲上陸」いまだプレイ中 リプレイ

　idiotenの煽り記事でゲームを沢山買ったからには、その面白さを証明してもらおうという圧迫対戦第１弾。

新Bさん　 vs.　idioten

　同じシステムの「ボロジノ1941」を以前に終盤までやったことがあるからルールもなんとか理解できたが(ボロジノ41はゲームルールらしく端的にまとめられていたが、この黒海★黒死は戦史解説とルールが混在一体の読み物)、シリーズ中これにしかない強襲上陸と水際防御がとても分かりにくいので、プレイ動画とかリプレイでもないかとネット検索しても全く見当たらず、コンシムに専用掲示板さえ無いという(検索してもヒットするのは中古販売のみ)、一体どこの誰がプレイしとるんじゃいという本作。

　だったら、この対戦をネット唯一のBlack Sea Black Deathのリプレイ記事にすべく、我々のようにルール解釈で苦労しないように、理解できたシステムを解説していくつもり。
↗　ネット上になんの参考記事もないが、有難いことにVASSALにはこのゲームのモジュールがあり、今回やる１ターンだけの初期上陸シナリオも初期配置ユニット付きで用意されている。

　これがあるお陰で、文字情報だけでセットアップユニットを探す不安感を払拭　➡　しかし鵜呑みにはできない　

　もちろん公式ではなくボランティア製作なので完璧に正しいとは思わないが、少なくとも目安にはなるし、多少間違っていてもこれで良いと思えさえすれば何の問題もない。➡　このシナリオの場合、VASSALは赤軍艦艇と軍艦のセットアップに間違い多し。その点は配置情報と増援表を比較参照の上で確認要!!

　そんなわけで、何の準備もせずに当日ぶっつけ本番でやろうとすると一番時間がかかる上陸船団編制を事前に済ませる。
↘　艦艇ユニットには大別して「艦砲射撃」「上陸支援射撃」「輸送揚陸」の３つの任務があり(正確にはあと3つ別の任務があるが置いといて)、部隊を乗せられる船は全部「輸送揚陸」任務とし、兵員輸送できず、上陸船団とは別の遠い港から来る重巡と駆逐艦は上陸船団護衛の「艦砲射撃」任務、ロケット砲艦(掃海艇にカチューシャロケットをむりやり搭載)や砲艦、掃海艇などは「上陸支援」任務とした。

　今回は１点集中上陸として、上陸船団＝ウェーブ/上陸波を青と赤の２波に分けた。

　青の方を主力として、より強力な護衛艦と３つある戦車のうち２つを含めた。

　とは言え、戦車を上陸用に海輸できるのはハシケ(バージ)しかなく、ハシケは最も鈍足の１インパルス２ヘクスしか進めない。

　１回の上陸波は６インパルスしかないので、マップ南端から進入して１２ヘクス以内しか上陸できないことになる。しかも1インパルスにつき独軍の水際防御ユニットは２回ずつ射撃を行えるので、その射程内にあれば理論上、敵1ユニットから１２回撃たれる可能性がある。そしてバージは２命中で沈むので狙われたらほぼ助からないだろう。

　しかしそれが射撃を引き付ければ、他の船が撃たれずに済むわけで無駄死にではない。

※VASSALのシナリオ２「夜間上陸」の赤軍ディスプレイにすべての艦艇ユニットが載っていたので計画では全部使ったが、実際にセットアップ情報確認してみると、かなりの数が増援で使えず、軍艦も遠くの港と船団出発港に分散していることが判明。従って、ここにのせた乗船計画は実際とかなり異なる　

　実際に対戦プレイしないとこうした間違いはままあるものだが

　　そんなわけで今回のこの上陸船団編成計画は、あくまで概念的なものとして参考程度にとどめてほしい。その点でもこれからこのゲームやる方はお気を付けいただきたい。

　ゲーム上は独軍が水際防御ユニットを秘匿配置し、紙片にプロットしておくが(それなのにヘクス番号なし。付属のコピーマップに書き込めという事になっているがヘクス番号はあるべきだよなぁと。親切なVASSALは入れてくれている)。

　独軍が秘匿配置なので、赤軍はマップ上に何も置かれていない空のヘクスを探り撃ちすることが許される。

　そして上陸の肝は、艦砲、支援、上陸波がどのタイミングでマップに侵入できるか、協同行動表でランダムに決まる。今回の編制例で言えば、ブルーウェーブの艦砲波、上陸波、レッドウェーブの艦砲波、上陸波の４群あるとすれば、それぞれ1D6した結果、例えばブルーウェーブの艦砲波＝２期、上陸波＝３期、レッドウェーブの艦砲波＝１期、上陸波＝２期にマップ南端から進入となった。

　従って、１期に指定されたレッドウェーブの艦砲波は、露払いとして４セグメント＝期ある上陸セグメントの最初に重巡１隻と駆逐艦２隻だけで艦砲射撃を行うことになる。

　かくして敵の射撃＝正体暴露を誘うためにわざと沿岸に近づいても良いし、敵沿岸砲の射程外になる盤外から未確認射撃、いわゆる遠鉄砲で撃っても良い。上陸要地はほとんど崖で上陸できる部分は極めて狭いので(後述する地図エラッタで今まで平地だった沿岸がほとんど崖になった)、そこを空撃ちすれば敵が水際で待ち構えているかどうか見当がつくだろう。

　そして１期の艦砲波が帰投した後、次にブルーウェーブの艦砲波とレッドウェーブの上陸波が足並みをそろえて登場できる。こうなれば色(編制)の違いなど取り払って、助攻の上陸波を主攻の艦砲波が助ける形で上陸を助けたい。上陸船団に向けて敵が発砲したら、そこを艦砲で叩くのだ。

　そして２期の上陸が６インパルスで終えたら、３期のブルーウェーブ上陸波が現れる。この段階ではある程度、水際防御ユニットも叩かれているので、もしかしたら戦車とか生きて上陸できるかもしれない。その意味で主攻の上陸波が最後に登場することになったのは幸運と言えるだろう。

そんなわけで、事前に上陸船団編制と、どこへ上陸するかの目論見だけは立てたので、この記事はプレイ当日の１０／８の１４時過ぎに予約投稿しておく。

↘　地図エラッタ

「スタニチカ南の海岸線から岬を回ってミシャコ山南の崖まで、アレクシナ、ミシャコ川の両側の1ヘクス、フィッシュファクトリー以外はすべて崖です。おっと、これはいろいろ変わるぞ。」

↘　という事なので、確認してみると確かに、指摘の部分、原版マップでは広大な上陸適地が広がっている。

　とは言え、厳密にこの言葉通りに適用すると、あまりに限定的で史実より厳しい事になりそうだし、どこまで信じていいか分からなかったので、唯一の対抗作とも言える↘(Compass)CCS：リトルランドのマップの当該部分を確認してみた。

　すると、確かに崖で覆われているが、「黒海★黒死」のエラッタほどではなく、若干の上陸適地が空いているのが分かった。

↘　そんなわけで、下記がとりあえずエラッタの崖を追加したマップとして一応許容できる範疇だと思う。対戦当日はこの修正地形でプレイに供するつもり。

(素人仕事でお恥ずかしい限りだが、↘汎用のペイント機能で、通過不能の「崖」のヒゲ印を書き込みしてみたマップがコレ)

▼　ここからは実際のプレイ盤面。艦砲射撃グループは第１期登場となった。ただ軍艦/艦艇のヒットや撃沈は大変な失点なので、どうせ当たらない艦砲は盤外の敵沿岸砲の射程外から砲撃することにした。

　それでも６回射撃できるので、上陸予定地には痛打を加えて(出目が冴えた)、もしこの探り撃ちヘクスに実際に敵がいたらかなりの打撃を与えたマーカが配置されている。
　続く第２期には、上陸支援グループが３回射撃したがこちらは外れ。逆に姿を現した88高射砲によって掃海艇が１打撃を受けた(マイナス５点)
上陸支援グループ
第３期に、２グループの上陸ウェーブが侵攻開始。↘６インパルスある１インパルス目の移動後
↘　第２インパルスの移動終了時。上陸予定地店に反共コサック中隊２個が塹壕で守りを固めており、正面から乗りつけようとした部隊はことごとく撃退され帰投した。。
コサック孤軍奮闘!　水際防御射撃は両脇の敵を撃ちすくめて、撃たれた船員がモラル判定に失敗して砂浜を指呼の間に望みつつ、揚陸せずに引き返す。しかもコサックのZOCを離脱して引き返す際にZOC離脱射撃で再度撃たれる地獄...
↘　沿岸砲台の正しい配置は、それぞれの配置間隔を６ヘクス開けて、小道の１ヘクス以内の森ヘクスと縛りが厳しいのに気づいて配置し直した。これからこのゲームやる方はお気を付けください。
第３インパルス。主攻上陸グループが無血上陸。しかし赤軍の計算ミスでインパルス毎に2ヘクスしか航行できないはしけ＝バージが、６インパルス１２ヘクスでは到達できない地点を目指していたことに気づく。戦車が夜間上陸できるのって左側の上陸地点だけなのね。ここなら第５インパルスに着岸できる。という訳で主攻上陸を助けるはずだった戦車2ユニットは後の後詰で送り込まれるのを期待して帰投した。

夜間上陸でない海輸や昼間上陸なら海上移動力の制限はないが、独軍爆撃機につけ狙われる恐れがあり。
左の上陸地を目指したスチュワルト戦車の乗ったハシケは88高射砲に撃たれまくって１ヒット喰らい(ハシケはでかく遅いので射撃側２シフト有利修正。しかも88と沿岸砲は独自のサーチライトを持ち夜間の不利修正1シフトも無視できる)、士気判定にも失敗して揚陸も果たせずに帰投する半壊したハシケとステップロスした戦車
↘　また間違い発見。対戦車砲とか砲兵とか移動カテゴリーが車輪または馬匹のユニットは自主的に敵ZOCに入れないというルール。従ってコサックの両脇ZOCに揚陸したそれら砲兵器ユニットはルール違反だと分かって上陸しなかったことに。
↘　夜間上陸シナリオは夜間ターンしかなく、上陸が全部終わったらシナリオ終了なのだが、それじゃあ分厚い和訳ルール読み込んだ甲斐がないとして、そのままのユニットで翌朝の先制インパルスまでやってみた。

　ちなみにせっかくなので、夜間ターンの終わりに、このゲームで伝説となっている赤軍空挺２個中隊の夜間空挺降下を試してみた。

　これは６０センチ上空からユニットを落とし、着地点が海だったり森だったり敵ZOCだったりすると除去、着地時にユニットが裏返ったら混乱マーカが置かれるというもので、海や森を避けて内陸に降下させたところ見事に無傷で着地した(奥の青いユニット２つがそれ)。
↘　赤軍の出目も冴えて、魚の缶詰工場に立てこもったブランデンブルグ特殊部隊を含むスタックに対して突撃が大成功。

缶詰工場を超えてノボロシスク市街の1ヘクス隣スタニチカ市街にまで戦闘後前進で食い込んだ。

↘　さらに市街戦扱いの泥風呂ヘクスに立てこもったコサック＋懲罰大隊も包囲集中突撃でZOC抜け退却を強いて突撃の損害な加えてZOC離脱射撃も喰らって全滅。

　助攻のつもりの左側上陸海岸でもコサック２個中隊を突撃で大損害出させて退却させた。
↘　かくして史実通り、リトルランドと呼ばれたノボロシスク南の橋頭堡は確保できそうな感じに。
↘　ただし、上陸時の撃沈やヒットの累積失点が２５点にも上る。赤軍の最低限勝利は50点なので、７５点とらないといけないわけだ。
　感想戦として次、独軍やるなら、このリトルランド橋頭堡方面に配置の自由がきくユニットを集中配置し、１０個ある塹壕も魚の缶詰工場とかノボシロスクの南側市街地とか、上陸適地の沿岸とかに直接部隊と共に配置して、水際で撃ちしらませ、上陸後の陸戦でも粘れるようにしたいねと話し合った。