2018年 02月 03日 ( 8 )

多人数戦に備えて事前システム解説➊War Storm Series.Ⅲ:(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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シリーズ最新作、2018年9月発売予定〔Draco社〕ノルマンディー
 このゲーム出版の為の200万円のキックスターターが既に740万円以上も集まっている。リンク先の最後にある、ユーチューブでのルール解説も有り難い。3/2までに事前注文すれば日本円で1個5000円弱、仲間を集って6個まとめて注文すれば1個あたり3300円程度(送料別)で買える模様。
※結局、YSGA内で12人の注文(12個セットだと1個あたり3000円足らず:送料別)があり、ダイスタワー幾つかと共に発注。ちなみに発注者はFredさん、鈴弘さん、AOKさん、酒さん、ウラビィさん、もりっち、ぱんさん、饅頭屋さん、ironcradさん、官兵衛さん、鬼政さん、idiotenの12人
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(Compass)Paths to Hell
東部戦線1941:1ユニット小隊レベル戦術戦闘ゲーム War Storm Series3作目
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 デザイナーがスペイン人だからか、これまで「スペイン内戦」「西部侵攻1940」「独ソ戦1941」と、微妙に不人気なテーマ続きで知名度の低かった、この戦術級シリーズ。
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 しかし出版社をスペインのゲーム会社に移行しての4作目は、掴みが大事とばかりにメジャーテーマのノルマンディー上陸からサン・ロー攻防戦までを描くアメリカ・ドイツ戦。ならば、それに備える意味もあって来たる2/4例会で希望者を集めて勉強会プレイしようという企画。
 しかし当日、ユニットの見方からルール口頭説明していては時間が勿体ないので、事前にここでシステム解説しておいて当日すぐプレイできるようにしておきたい。なお、日本語ルールも作られていないゲームなので、あやふやな英文ルール素読みであり、誤読や勘違いなども多々あると思うので、公開されている英文ルールと比較して間違いがあればコメント欄で指摘していただきたい。ウォーゲームのルール和訳とルール理解を助けるためのサポート記事は、ゲーマーの共有財産であるべきだとの信念で臨んでいるので恥も外聞もなく常に正しい情報に刷新していくつもり。⇔2/4の6人戦で大いに英文ルール誤読、勘違いが判明。こちらの解説記事も該当部分にこんな書き換えラインを引いて逐次訂正!
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 それではまずユニットの見方から。一番左端の大隊長は無視〔特殊なシナリオのみ使用〕するとして、次の独軍歩兵小隊の記載は、左上の黄色い四角で囲まれた数字「6」は、対人(AP)火力6である事を表し、その右肩の小さな数字「2」は通常射程を表す。従って2ヘクス先までのソフトスキン目標に対して6火力で射撃可能となる。
なお通常射程を越えて2倍の距離までは火力半減で撃てるので、3~4ヘクス先の目標には3火力で撃てる事となる。
 右上のアルファベット「A」はA中隊所属の小隊という意味で、その下の緑丸は、視認に関して小型目標と見なす事を意味する。
 そして右下の白抜き数字の「5」は、移動タイプ徒歩で5移動力を持つという意味。

 隣のソ連軍(右脇の数値背後が黒色は歩兵)中隊長の見方としては、左上のアルファベット「A」はA中隊を率いている事を表す。
 左上枠外の「1」は、指揮範囲を表し、中隊長のいるヘクスと隣接するヘクスまで指揮範囲下におけることになる。
 黄色の「6」は中隊全体の士気値を表す。士気判定は6面2ダイスの出目合計で、士気値以下をださないといけないので、この中隊は並以下の余り信頼のおけない中隊だと分かる。ただし左下の黄色い丸の中の赤数値「2」は、スタックしている指揮範囲内にいる部下の士気判定に有利なダイス修正2を適用できると共に他の中隊との協同活性化の判定においてもこの数値の合計が成功値(6面体1ダイスで数値以下)となるので、中隊全体の士気こそ低いが中隊長個人の能力は高いと分かる。
 そして右下の白抜き数値「5」は、歩兵と同じく移動タイプ徒歩で5移動力を持つという意味。
 ちなみに指揮官は、スタックする友軍がステップロスすると除去判定を強いられ(ただしスタックが白兵戦で全滅すると指揮官も自動的除去)、除去されると次のターンの冒頭の指揮統制フェイズに無作為引きされた補充指揮官が登場する。

 旧式のソ連軍76.2㍉歩兵砲の見方は左上から、白で囲まれた数字「4」は、対戦車(AT)火力4であることを表し、その右肩の「2」はその通常射程。隣のオレンジ色で囲まれた数字「6」は、砲兵(ART)火力6であることを表し、その右肩の「6」はその通常射程。迫撃砲と歩兵砲に関しては、その砲を率いる中隊長が観測する限りにおいて間接砲撃を行える。間接砲撃の利点は砲兵自身は隠れていて視線が目標に引けなくても撃てるのと、火力半減でメガヘクス弾幕砲撃ができること。ただし間接砲撃は偏差の可能性あり。
アルファベット「A」は歩兵砲A中隊に属し、黄色のは視認に際して中型目標と見なされる。右端の赤色「T」は、トラックや馬車に懸架して運搬可能だが、白兵戦からの退却不能=白兵戦での敗北即除去を表す。
そして右下の白抜き数値「1」は、歩兵と同じく移動タイプ徒歩で1移動力を持つという意味。

 航空機は特別なシナリオにしか登場しないが、盤外砲兵に似たルールで、このポリカルポフ複葉爆撃機の場合、「8」砲撃力でヘクスを攻撃できることになる(当然偏差の可能性もある)。

▼独ソ戦41までのユニットの見方〔上段〕と、ノルマンディからのユニットの見方〔下段〕
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▼続いて戦車ユニットの見方。3号戦車G型の場合、左から黄色の囲みで対人火力「3」通常射程「4」、白の囲みで対戦車火力「6」通常射程「4」、赤の数値「4」は装甲値、「R」はR中隊、赤丸は視認に関して大型目標、そして右下の黒字の「10」は、移動タイプ装軌式(T)で10移動力を表す。
 ただし装軌式の場合、道路こそ1MPで行けるが、平地で2MP掛かるので、平地を進撃するなら歩兵と同じく5ヘクスしか動けないことになる。なお、この小隊規模ゲームには向きの概念はない。T-34BにBT-5、47㍉対戦車自走砲、KV-1Aともに見方は同じ。

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▲ 変わり種としては、T38水陸両用偵察戦車の水色Aが表す渡河能力、赤丸の下の赤字「R」が表す「視認補助能力」がある。水陸両用能力は登場するシナリオが希なので無視しても良いが、赤字「R」が表す「視認補助能力」は意外に重要で、このゲームでは目標が存在するヘクス地形によって視認可能なヘクス距離が決まっており、視認するユニットと赤字「R」を持つユニットがスタックしているか、視認を行う中隊長の指揮範囲内に赤字「R」を持つユニットがいれば、視認可能距離が割増される。
 あと独軍2号火炎放射戦車の赤で囲まれた数値「16」と射程ゼロは、敵と同一ヘクスにいる場合にのみ使える対人火力。
 最後のソ連軍タチャンカ(機関銃馬車)は、移動タイプ徒歩で8MP持つのが利点。ただしオートバイとタチャンカは敵ヘクスに自ら突入(白兵戦)できない。
ちなみにルール単純化の為に、AFV同士の白兵戦(敵AFVと同一ヘクスになること)は不可とされている。


▼独ソ両軍における偵察(R)兵各種。トラック乗車歩兵やハーフトラック乗車歩兵と同じく、乗り降りには移動力の半分(端数切捨)を必要とする。またいずれの歩兵も固有の移動手段を引き連れて移動していると見なされ(移動力の回りの色を黄色くする事で表す)、オートバイやトラックなど車両が進入禁止な地形には歩兵モードであっても進入が禁止される。その代わりハーフトラック(装甲兵員輸送車)歩兵などは、歩兵面での移動中にも装甲援護効果である避弾修正が得られる。
 また下を詳しく見れば分かるとおり、騎乗していると移動力は少し増えるが火力は半減したり、被弾率が上がったり、騎兵突撃できたりする。
オートバイの場合は移動力が大幅に増えるが(装輪式だと平地コスト2MP)、視認に関して中型目標となる。またサイドカーの機関銃が使えるようになるので全体としての火力は下がっても射程は延びているのが分かる。
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 後回しになったがゲームスケールを紹介すると、個々のユニットは個人である中隊長ユニットを除き小隊規模(歩兵3個分隊相当、戦車4輌前後)で一律3ステップを有す。1ヘクス約200メートル、1ターン15分、各ゲームごとシナリオ13本(シナリオ自作ルール有)。なお当然ながらステップロスに連れて火力と白兵戦力(および個々の士気値)は低下する。
 そしてスタック制限は、1ヘクスにつき3個小隊(3ユニット)まで。

 システムは簡単。先手側から中隊長1人を活性化。その中隊に属する各小隊ユニットが、それぞれ移動、射撃、臨機射撃(リアクション・マーカーを置いて敵の移動に対して全火力で臨機射撃できるように待機する)、混乱回復(中隊長とスタックしていないと不可)の内いずれか一つのアクションを選択して行う。
これを交互にパスが連続するまで中隊単位で活性化させ続ける。
 活性化した中隊の各小隊ユニットには活性化済(フィニッシュ)マーカを配置(伏撃を命じた小隊には活性化済みの代わりにリアクション・マーカが置かれる)。
 ちなみに、臨機射撃は、リアクション・マーカーが載っていなくても未活性であれば行えるが、リアクション・マーカなしの臨機射撃は火力半減する。
 臨機射撃で面白いのは、移動中のソフトターゲット(対人射撃)は臨機射撃を受けると被弾しやすく、移動するハードターゲット(対戦車射撃)には当たりにくい修正が適用されること。
AFV中隊と協同活性化してAFVユニットと歩調を合わせて(スタックして)移動するソフトターゲットには、装甲援護効果として命中しにくい修正が適用されるので、その意味でも諸兵連合効果が利いている。
 また、友軍AFV中隊と協同活性化できれば、そのAFVとスタックして活性化を開始した徒歩ユニットは、そのAFVを引き連れて共に突撃(白兵戦)でき、突撃前モラルチェックを免除できたり、有利な修正を得たりできると効果は絶大。
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 そして臨機射撃を行ったユニットには活性化済みマーカが置かれる(リアクション・マーカを持つユニットが臨機射撃を行ったら、当然リアクションマーカを取り去って、入れ違いに活性化済みマーカを置く)。
 なお、一度置かれたリアクション・マーカは、臨機射撃を行うか、次ターン以降に違う活動命令を受けるか、白兵戦に巻き込まれるか、潰走しない限り、ずっと置かれ続ける。
一つの活用法として、リアクションを命じた小隊ユニットを守備隊として後方に残置したまま、中隊の残りの小隊ユニットは中隊長と共に前進を続けるなどがある。
中隊長の指揮範囲にいない小隊は、個別に1手番費やして不利なモラル判定を行って成功しないと活動できないが(判定にしくじると活性化済みマーカが置かれてしまう)、取り敢えずリアクション・マーカが置かれている限り、敵の接近を躊躇させる効果はある。
 ただし、対戦車砲と高射砲を除き、迫撃砲や歩兵砲、野砲はリアクション・マーカを置けないことに注意。奇異に感じるかもしれないが、ゲーム的に十分強力なので、リアクション・マーカ無しの半分火力での臨機射撃に止めて、本領発揮は砲兵器側の手番が回ってきた時の射撃に任せているのかもしれない。

 ゲーム手順としては、およそ次の通りで、先攻後攻決定フェイズ 指揮統制確認/中隊長補充フェイズ 先攻後攻決定フェイズ 活性化フェイズ(両軍がパスするまで交互に継続)で1ターンが構成されている。
 ターン冒頭の先攻後攻決定フェイズでは、お互いに1D6して修正後の目が大きいほうが先攻を選べる。
この際のダイス修正には、シナリオ攻撃側+1、前ターンの先攻側+1が適用される。
言い換えると前ターンの最後に活性化した中隊が、次ターンの先手で間髪入れずに再度活性化する「ダブルムーブ」という現象が発生する可能性がある。

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▲参考までに最新作のノルマンディーユニットから。原則的にユニット記載の能力値は同じだが少し進化していて、中隊名(アルファベット)の下の数字は「白兵戦力」。
もちろん旧作にも白兵戦力はあったが、いちいち白兵戦力チャートで確認する必要があった。あと歩兵の対人火力の数字が黒字と赤字になったが、これは黒字がボルトアクション小銃、赤字が半自動小銃を主に装備していることを表すらしい。
 あと視認の際の目立ちやすさを表す色付きは見分けにくいということで、ユニットの右肩(中隊アルファベットの背後)に、カラーバンドとして大きく記載される形に変更されている。従って緑は小型黄色は中型赤は大型目標と見なされる▼
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▼指揮範囲に関して。敵の存在や地形に関わらず直属中隊長の指揮範囲内にいれば指揮下。ノルマンディーユニットの例で言えば、ヘクス509のE中隊長(指揮範囲1ヘクス)は、ヘクス510の小隊のみ指揮下に入れていることになる。
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▼中隊長の指揮範囲は敵ユニットの存在や地形に影響されない。下図で言うと、指揮範囲2ヘクスの中隊長が指揮統制下における範囲はこんな感じ。
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【移動ルール】移動も単純。以下の地形効果表通りに進入するヘクス単位で移動コストを支払っていくだけ。移動タイプには「徒歩」「装輪(車輪)」「装軌(履帯)」の3種があり、地形によってコストは異なる。
 ちなみに道路の「1+1ヘクス」は、徒歩タイプが全ての移動を道路沿いに行った場合、路上で追加1ヘクス貰えることを示す〔ASLにもそんなルールあり〕。
 ちなみに独立家屋(ディスパース・ビルディング)ヘクスとは、ヘクス内に2軒しか建物がないヘクスを指す。 なお、集落(ビルドアップエリア)ヘクスの「0.5-2(装輪式の場合)」とかは、道路沿いに進入した場合とそうでない場合を示す。
上掲の例図で言うと、ヘクス510から410の集落へ歩兵が移動した場合は道路沿いなので0.5MP、ヘクス411または509から410の集落に移動した場合には徒歩で1MPかかるわけだ。注意すべきは道路沿いでも戦車などの装軌式は集落ヘクスへの進入には2MPかかるということ。これは戦車の運用にかなり邪魔となる(道が狭いからか、それとも警戒する為か)。
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よく考えると違和感ありまくりなので英文ルールにあたると、手持ちチャート(フルカラー)の地形効果表とルールブック記載の地形効果表とに明確な違いがあり、モノクロの手持ちチャート(上掲)にある移動コスト表を確認すると、集落の部分 
『Built-up Area: 1 (徒歩)/0.5-2(装輪/ 0.5-2(装軌)』
..とあり、やはり徒歩タイプは道路を使おうが集落1MP、装輪式と装軌式は道路沿いで0.5MP、そうでないと2MPであることが判明。単なる印刷ミス。
その解釈で行くと、徒歩タイプは道路沿いでなく独立家屋(ディスパース・ビルディング)に入るのは2MPだけど、より建て込んでいる集落ヘクスに入るのは1MPで済むことになる。これは集落の方が路地が沢山あって移動しやすいからか!?
これに対して独立家屋は、ほぼ平地だから平地と同じ2MPと言う訳かも知れない。

 なお、移動すると敵から臨機射撃を受ける可能性があり、その際、同兵種で6ステップ(無傷の2ユニット)以上スタックしていると被弾率が上がる。そしてAFVに対する臨機射撃では当たりにくい修正が、非AFVだと臨機射撃は当たりやすい修正が適用される〔ASLにもそんな修正あり〕。
 また、臨機射撃でなくとも移動したターンに敵から射撃を受けると、移動目標ダイス修正が適用される〔マーカーが不親切で、移動済みフィニッシュ・マーカが欲しい〕

 また、「徒歩」移動タイプに限り移動時に一切、敵ユニットの隣接ヘクスに存在/侵入しないことを条件として、移動力を+3増やせる「強行軍〔Double Time〕」がある。
 ただし強行軍を行うと強行軍マーカが置かれ、臨機射撃だけでなく通常の射撃に対しても被弾率が上がる〔単なる移動目標が1修正に対し強行軍は2修正でキツイ〕。
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▼河〔メジャーリバー〕はヘクスサイドではなくヘクスの真ん中を流れているタイプで、河ヘクスで移動を終えないことを条件として、河畔の地形に従って河ヘクスを通過できる。そして河は橋梁または浅瀬を利用しないと渡河できない〔例外:水陸両用戦車〕。
 下の図で言うと、ヘクス1308の歩兵は、ヘクス1208の河畔を通過してヘクス1108まで平地各1MPずつ計2移動力消費で移動できるわけだ。
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【射撃ルール】 射撃は火力を基に6面体2ダイスを使用する射撃戦闘結果表で損害値を求め、この損害値を目標が存在する地形による防御値とで割って出た結果が実際に目標ヘクス内の敵が被るステップロス数となる。
これは対人射撃、対戦車射撃(対戦車肉薄戦)、砲撃も原則的に同様で、戦車の絡まない白兵戦のみ戦闘比で解決される。
 射撃に関しては少しだけ斬新なので、ここでぐだぐだ説明するより、次の射撃例で解説したい。
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▼せっかくなのでノルマンディーの図例を流用して。
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 ヘクス1209の3ユニットが、3ヘクス先の独軍を射撃しようとしている。まず敵を視認できるか確認すると、平地の小型目標は視線が引ける限り7ヘクス以内の敵から視認される(移動中なら10ヘクスまで延長)。

 生垣はノルマンディで追加された新たな地形だが、おそらくASLと同じく敵側生垣ヘクスサイドに接するヘクスまで視認可能と思われる。従ってこの場合は3ヘクス先なので十分視認できている。
 また、目標は2ユニット・スタックしているが、それぞれ1ステップロスしている為、4ステップしか持っておらず、被弾率が上がる6ステップ以上スタックではない。
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 火力の合計は9火力(歩兵は延長射程で射撃しているので火力半減なのに注意)。6面2ダイスの合計は7だったとする。多分生垣の効果はダイス修正+1だと思われるので、修正後8となる。
これを射撃戦闘結果表の縦列「9」火力、横列ダイス「8」の交差で確認すると『2』とある。続いて地形効果表の防御値「AP(対人)射撃」に求めると、平地の防御値は「2」とある。従って2ヒット÷防御値2=1により、目標は1ステップロスを被る。
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 どの小隊に損害を割り振るかは任意だが、原則として累積損害が均等になるようにしなければならない。この場合はどちらも同じ1損害なので、どちらに適用しても良い。2ステップロス喰らった小隊ユニットは、1損害マーカを取り除いて減少戦力面へ引っくり返される。
そして1つでも損害が発生したので、独軍中隊長は除去(死傷)判定を強いられ、6面2ダイスで修正後1以下になれば除去される。この射撃では合計1損害被ったのでマイナス1修正が適用され、ピンゾロが出ると除去となる。
 更に恐ろしいのが中隊士気チェックで、この独軍D中隊(3個小隊編成)は既に小隊数と同じ3損害を被っており、そこに1損害を追加されたことで小隊数の3をオーバーしてしまった。
これは中隊士気判定の切っ掛けとなるので、中隊長ユニットに記載された士気値7を基準に、この損害を新たに被ったヘクスを目視できるD中隊ユニットは全て個々に士気チェックされる。
この際適用される修正は、小隊数を越える損害につき+1、そのユニットが被っている損害につき+、スタックする指揮範囲内にいる中隊長のマイナス修正となる。
従ってヘクス910で2損害を持つ小隊は士気値7マイナス3+指揮修正1=5以下を出さないと潰走(潰走マーカを載せて直ちに3ヘクス後退)する。
また修正後士気値を5上回ると潰走を超越して壊乱となり一発除去される。従ってこの場合は出目10以上で小隊が消える。
残りの1小隊は士気値7マイナス2+指揮修正1=6なので6以下で耐えられる。そうでないなら出目7~10で潰走、11以上で除去となる。
 そして隣接するヘクス911のD中隊所属小隊も士気判定を強いられ、士気値7マイナス1+指揮修正1=7が基準値となる。
 こうなってしまうと、もはやいつ中隊が潰走してもおかしくなく、独軍としては、もはやD中隊は信頼に値せずとなる。
 この、「部隊は一定の損害を越えると、もはや戦闘組織としての機能を失う」という軍事常識が上手く再現されているのが、このゲームシリーズ最大の売りであり、個人的にも惹かれた点である。
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▲射撃解説をもう一つ。中隊長の指揮範囲内(B中隊長の2ヘクス以内)にいる直属小隊は火力を合計して射撃できる。上図で言うと6火力の歩兵小隊×3と7火力機関銃×1(皆「B」歩兵中隊所属)による計25火力による射撃を平地にいる独軍に加え、射撃結果「8」を得た。
平地の防御値は2なので一挙4ステップロスを与えた事になる。撃たれた独軍は歩兵1ステップしかいなかったので当然全滅し、指揮官も損害相当のマイナス4修正で指揮官除去チェックを強いられる。その結果(2D6)「1」以下になれば指揮官は除去される。
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【対戦車射撃】
 こちらも適当な写真の持ち合わせがないので、ノルマンディーの図例を流用して解説したい。
 独ソ戦1941とノルマンディ44とでは対戦車力に格段の差があるが、そこは下掲の砲性能表に置き換えて考えたい。
 対戦車砲が、2ヘクス先の戦車スタックを射撃するとする。まず視認できるか確認するが、平地の戦車〔大型目標〕は12ヘクス先から視認できるので(移動中ならこれが18ヘクスまで延びる)問題なく視認できる。
 次にスタック内のどの戦車を狙うか宣言する。この距離なら大抵の戦車の装甲を貫通できるはずなので、装甲値7の方を狙う。
 そして14対戦車火力で出目7だったとすると、4ヒットと出た。
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 図では75㍉対戦車砲だが、独ソ戦41の独軍では50㍉対戦車砲が最新なのでそうだとすると、1ヘクスで装甲値10までの戦車を貫通でき、2ヘクスでは装甲値9まで抜ける。
これが当時としては一般的な37㍉対戦車砲だと、最大貫通力5なので装甲値9のT34/76や、装甲値11のKV-1A等に対してはまさにドアノッカーにしかならない。
なお、対戦車射撃の際に適用されるダイス/コラム修正は、射撃戦闘結果表下の右側にまとめられている。左側は対人射撃/砲撃に適用される修正一覧となっている。
ちなみに同じ中隊に属し、中隊長の指揮範囲内にあってスタックまたは隣接し合う同じ〔下図の砲アルファベットが同じ〕砲は、火力を合計して射撃できる。
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▲独ソ戦41に登場する全ての戦車砲、対戦車砲、高射砲、野砲の貫通力算定表。縦列がヘクス距離、横列が固有の砲となる▼
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▼いずれにしても、その距離での貫通値が目標の装甲値以上であれば射撃結果で得たヒット数が使える。装甲さえ抜いてしまえば、あとの処理は歩兵とかと同じで、その戦車がいるヘクス地形で防御値〔AT射撃の縦列使用〕を求め、ヒット数を防御値で割って出た整数がステップロスとなる。
 先の例で言うと平地なので2防御値、ヒット数は4なので、目標戦車に2ステップロス与えたとなるわけだ。
これにより無傷だった戦車小隊ユニットは、裏面の減少戦力面へ引っくり返される。
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取り敢えず、指揮と移動、射撃の基本はこんなところ。次は詳しい活性化システム、白兵戦や盤外/盤内砲兵による間接砲撃、中隊士気チェックその他について解説していきたい。
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【ルール情報集約】
Fredさんからのコメント:デザイナーから直々に回答もらいました。
http://talk.consimworld.com/WebX?14@@.1dd160f5/1899

1.Q:ある中隊が戦車突撃を受けて2ステップロス以上したのを目撃した他の中隊は、それによって連鎖的に中隊(フォーメーション)士気チェックするのか?

A:友軍の他の中隊の損害を目撃した中隊が士気チェックをすることはない。

2.Q:友軍の他のユニットが戦車突撃でステップロスしたのを目撃したユニットは士気チェックするのか。

A:あくまで戦車突撃を受けた中隊のユニットが、その損害を受けたユニットを目撃することによってのみ

3. Q:拡張射撃(通常射程を越えて射程の2倍までの距離)で砲兵力を使用できるか。

A:2倍までの射程で半減の砲撃力で可能。

4. Q:拡張射撃で煙幕が撃てるか。

A:撃てない。

5. Q:迫撃砲で煙幕を常に撃てるのか。パスヘルのシナリオで特に迫撃砲に割り当てられた煙幕弾に関する記述が見つからないので不明瞭。

A:同梱シナリオにはないが、自作シナリオにおいて導入することが可能。

【追加質問】
質問1:PAK 37による間接攻撃の是非
返答:不可
対戦車砲と高射砲は間接射撃できず。
高射砲と対戦車砲はリアクション指定できる。

質問2:歩兵の白兵戦と戦車突撃の勝敗、ステップロスによる中隊の士気チェック
答:歩兵の白兵戦:負けた中隊のみ
戦車突撃:2以上のステップロスした中隊、勝敗関係なし

質問3.:敵ユニットに隣接して白兵戦をする間、中隊の行動が続くのか。
答:中隊のユニットの準備が整ってから白兵戦を実施する。

SSのMG42やマーダーIIIなど魅力的なユニットがいっぱいです。

by ysga-blog | 2018-02-03 19:41 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(2)

対支一撃論ではないけれど...War Storm Seriesシステム解説➋(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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 個人的に最初に買ったSGが(HJ)戦車戦で、(BAN)最前線や(AH/MMP)ASLをこよなく愛好する身として、これまで幾多の戦術級ゲームをやってきたが、小隊規模のゲームとして最も痺れたのが、この「Paths to Hell 」。
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 では何に痺れたのかと言うと、AFVイラストと指揮官の顔写真、ユニットの大きさに比しての数値記載のバランスといった駒の見た目もさることながら、指揮統制、移動、射撃、白兵戦といった基本システムの素直さ、それに何より中隊単位でのモラルチェックが強いられることによる対支一撃論にも似た、苦しい戦局の中でも一縷の望みを抱ける事や、これがプレイタイムの短縮化に繋がっているのが良かった。
 中隊が潰走/霧散するかもしれないモラルチェックの要因は幾つかあるが、白兵戦での一方的勝利やAFVによる蹂躙の成功がその切っ掛けの要因となっているのが、いかにもそれらしくて良い。
 そうでないと明治42年改正の歩兵操典にある通り、「射撃だけで敵を撃滅することは期待できない。銃剣突撃によって敵を殲滅しない限り、戦闘の目的は達成しえない」と、実際の日本軍のように速戦即決を信条に安易に突撃を選んだりしないからだ。本作でも冗長に射撃損害を蓄積させて敵中隊を破断界に追い込むより、突撃して一撃を加えた方が敵の堅陣が脆くも崩れ去る可能性が高い〔白兵戦に持ち込める限りにおいてだが〕。もちろん白兵戦を成功させる為には、側面や背後から十分な火力を浴びせかけて敵を抑え付け、白兵戦力が肉薄できるようにする必要がある。
 そして他のゲームでは、敵を物理的に完全に打ち崩さないと目標を占領または防御できないが、このシリーズであれば、中隊が保有する総ステップ数の3分の1を越えるステップロスを被れば中隊ごと潰走する可能性があり、戦闘組織としての破断界が目に見える形で存在するのが良い(勿論モラルチェックに成功し続ける限りにおいて最後の一兵まで戦える余地もある)。
 これがあるが故に、まず射撃で敵の力を弱め、可能なら煙幕を張って敵の前線にAFVと歩調を合わせて肉迫し、可能なら敵を包囲する形でその背後を遮断して潰走路を限定または潰走不能で除去できるようにし、更に可能ならAFVと協同して白兵戦を挑むという、ファイア&ムーブメント、包囲、諸兵連合効果の原則が実に有効に機能する。
 また、指揮統制がしっかりしているのも良く、直属中隊長の指揮範囲を離れた小隊ユニットは半分近い確率で何もできず、また指揮外で損害を被るとそれだけで潰走の要因(不利な修正付)になるなど、事実上指揮外では無価値な存在と化してしまう。
 さらに個人的な嗜好は末期戦で、42年以前のテーマには余り食指が動かないのだが(だからFredさんに正月イベントとして誘われるまでプレイしなかった)、このシリーズは戦争初期のちゃちな戦車や装甲車にも活躍の余地が十分にあり、赤軍オートバイや騎兵といった他のゲームではほぼ据え物(例外はボリスのゲーム)でしかない弱小兵科にも大きな使い道があるのが気に入った。
 そんな訳で、ひとくさり本シリーズの気に入った点をお話したところで、本題に入りたい。
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対支一撃論(たいしいちげきろん)とは、 日中戦争初期に武藤章、田中新一らによって 唱えられた事変拡大論で、「蒋介石政府は日本軍による強力な一撃を加えるだけで屈服し 、早期講和に持ち込める」と言うもの。
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【指揮統制】指揮統制と交互活性化について上掲の図を例として解説したい。
 このターンの先攻は赤軍として、T-38水陸両用偵察戦車「S」中隊と赤軍歩兵「L」中隊が、武装親衛隊歩兵「B」中隊を攻めようとしている。
 ゲーム手順で言えば、ターン冒頭でまずダイス判定によって先攻後攻を決めた後、両軍の指揮統制外にあるユニットに指揮統制外マーカを配置しなければならないが、赤軍戦車S中隊長の指揮範囲1ヘクス内にS中隊直属戦車小隊はあり、赤軍歩兵L中隊長の指揮範囲2ヘクス内にL中隊属歩兵小隊もいる。もちろんSS歩兵B中隊長の指揮範囲2ヘクス内にSS歩兵B中隊所属小隊もいるので、お互いに全て指揮統制内にある。
 続いて活性化(アクション)フェイズ。まず最初に赤軍から活性化できるので、最も効率の良い選択肢として赤軍戦車と歩兵とが協同で活性化して、戦車と歩調を合わせてSSに肉薄、しかるのち白兵戦を挑む手がある。図で言えばSSはリアクション・マーカを載せていないので、臨機射撃されても火力は半分でしか撃たれない。
 協同活性化の判定方法は簡単。まずどの中隊長の主導で協同活性を試みるか宣言し、その中隊長の指揮範囲の2倍までの距離内にいる他の中隊長との指揮値(ユニット左下の黄色丸の中の赤数字)合計以下を6面1ダイスで出せれば成功。しかし見て分かるとおり、戦車1+歩兵ゼロなので6分の1でしか成功しない上、この独ソ戦41では独軍には有利な1修正、赤軍には不利な1修正が適用されるので成功確率自体無い。そしてもし失敗すると主導した中隊長には活性化済みマーカが置かれて、その中隊まるごとこのターンでの主体的アクションができなくなる(臨機射撃は可能)。従ってこの選択肢は無い。ただしもし失敗しても罰則は特になく、単に協同活性化できないだけで、主導した中隊長とその配下の小隊だけが活性化する。
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 であれば水陸両用の利点を活かし、池を押し渡って戦車をSSに突っ込ませたいところだが、あいにくT-38水陸両用偵察戦車の白兵戦力は、完全戦力面でも僅か2戦力なので、林(防御3)または独立家屋(防御4)または森(防御4)に立て籠るSS歩兵に突っ込ませても敵に与える損害なく、かえって返り討ちに遭う可能性の方が高い。
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 かと言って車載7.62㍉DT機銃(2火力の豆鉄砲)で、堅固地形に籠る歩兵を撃っても効果は期待薄なので、せめてSS歩兵が潰走する際に妨害できるよう、その背後に回り込みたい。
そこで戦車中隊を活性化させて、上図のオレンジ矢印の通り、移動を試みる。
試みると言うのは池や湿地を押し渡るからで、通常の車両であれば侵入禁止のこれら地形に水陸両用だけは5MPの消費とダイス判定(6面1ダイスで6が出たら移動終了)により移動できるから。なお小川の移動コストは無視できるのでヘクス905は平地の2MPコストで通過できる。この移動に対しSS歩兵は、対戦車火力を持たないので目の前を走り抜けられても指をくわえて眺めている他ない。
そして移動を終えた戦車には活性化済みマーカが置かれて、このターンには臨機射撃もできなくなる(敵が同一ヘクスに突入してくるときの防御射撃は可能)。
 また、図例の赤軍指揮官では能力が低くて無理だが、凡例として、友軍歩兵とスタックする形にしておき、次ターンに歩戦協同突撃を仕掛けるという手がある。そうすれば豆戦車ではあるが、歩兵の突撃前モラルチェックを免除でき、装甲援護修正も得られる。

 次に独軍側に活性化手番が回る。SS歩兵「B」中隊の選択枝は次の通り。

⑴.リアクション・マーカを乗せて、臨機射撃を万全にする。
⑵.遠鉄砲になるが視認できる赤軍歩兵を射撃する。
⑶.ヘクス803の歩兵小隊をヘクス804に移動させて白兵戦に備える。
⑷.後ろに回り込もうとする小癪な豆戦車を追いかけて白兵戦で撃破する。
⑸.パスして様子を見る。

 一番順当なのは⑴の臨機射撃態勢だが、特に現状位置にこだわる理由がないなら⑷も面白い。歩兵の援護もなく単独で突出してきた豆戦車なら容易に白兵戦で撃破できる。ただし豆戦車相手でも対戦車突撃はモラルチェックに成功しないとできない。⑶の兵力集中は、赤軍歩兵が池を押し渡って来られず、また池を大迂回して来るには時間がかかりすぎることから、赤軍が攻め寄せてくるとしたらヘクス805からであり、その場合ヘクス803からだとヘクス804が邪魔(建物でLOSが遮断される)になって臨機射撃もできないので、白兵戦時の厚みを増す為にも移動してスタックするという考え。しかしスタックすると6ステップになるので被弾率が増すのが悩ましい。また移動する事で活性化済マーカが置かれてしまい、移動したユニットに関しては臨機射撃もできなくなる。
⑵の遠距離射撃は、敵歩兵が林と森に位置しているのでほぼ無意味。しかも森と建物の敵に対しては3ヘクス以内でないと視認さえできないので、撃てる小隊はヘクス804の1個しかない。⑸のパスもこの場合、臨機射撃の火力を弱めるだけに思える。
 そこで順当に全ての小隊にリアクション・マーカを置き、SS中隊長には活性化済マーカを置くことにする。
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 最後に赤軍歩兵「L」中隊の活性化手番。最終的にSS歩兵に突撃するにしても、今の位置からは小川(平地1に小川の+2で3MP)と湿地(2MP)が邪魔で敵まで辿り着けない。であれば、背後に回りつつある豆戦車の進出を待ってからでも遅くない。
 と言う訳で小川を越えて対岸に進出しておきたい。小川を渡る瞬間は「危険な行動(リスキー・アクション)」と見なされ臨機射撃修正2が追加され〔リスキー・アクションと見なされるのは大河を渡河している場合〕、更に移動中の被弾修正1も乗るので6面2ダイスの出目マイナス3という恐るべき修正となる。ただしSS歩兵からすれば遠距離射撃なので火力半減が救いだ。
 そこでまずヘクス1105の歩兵を906の林(2MP)に向けて走らせる。当然小川ヘクスでヘクス704のSS歩兵から臨機射撃を受ける(撃ったSS歩兵はリアクションマーカを活性化済マーカに置き換える)。
 火力3で出目7マイナス3で「4」だとすると、射撃結果は「3」。平地(小川)の防御値は2なので1ステップロスを被る。しかし移動を止める事はないので、そのまま林まで駆け抜ける。
 独軍の選択肢としてはヘクス804の歩兵も、赤軍歩兵が小川を渡る際に臨機射撃を行う事だが、ここで撃ってしまうと、残り赤軍歩兵が好き勝手動けるようになるので控える。
 次に黄色の矢印の歩兵が移動する。防御効果の高い森(2MP)を抜けて小川に進出する。ここでヘクス804のSS歩兵が臨機射撃を行い、6以下を出すと2ステップロスを喰らうが、それはそれで最後の赤軍歩兵(中隊長スタック)が進路変更してこの小川に進出する理由になる(スタックしても6ステップにならないので)。もし小川に進出した歩兵が無傷だったら、図の矢印の通り、中隊長スタックは森に移動して終わる。
 大胆さを誇るならヘクス1105の建物からヘクス1005の湿地に進出させて、次ターンの突撃に備える手もあるが、ヘクス803からの臨機射撃に晒される。それまでの損害累積が小隊数の3に迫っていれば、その臨機射撃によって3を上回り、いきなり中隊モラルチェックを強いられて中隊が潰走を始める可能性があるのに注意したい。
 また前述したが一つの手として、豆戦車を小川ヘクスで停止させて、装甲援護効果ダイス修正+1の恩恵に与るという手もある。
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【新しい図版が見つかったので白兵戦の具体例追加】
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独軍歩兵「E」中隊が活性化し、ヘクス203へ突撃を仕掛けると決めた。2個小隊とも移動力的にはヘクス203へ進入するMPを残して目標ヘクスに隣接した。
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「E」中隊は突撃を宣言する
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 これに対しヘクス203のベルギー軍歩兵小隊は、独軍中隊長のいるヘクス303に対して防御射撃を行った。
 ただしベルギー軍歩兵小隊は臨機射撃〔リアクション〕マーカを乗せていないので火力は半減〔端数切上〕して3火力となる。
▼2D6の出目は5。修正は移動目標稜線(crest)越えで相殺されてそのまま。結果はヒット数3、平地防御値2で1ステップロスを喰らった。
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▼1ステップロスした完全戦力面の歩兵は、火力とモラルが1低下する。幸い、指揮官除去判定は無事パスした。
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▼防御射撃を解決したら続けて突撃前モラルチェックを行う。E中隊のモラルは7、中隊長の指揮範囲内なのでその指揮値3ダイス修正を加えて10ベースなのでヘクス204の小隊は、2D6して10以下を出せれば突入成功。ヘクス303は7から損害の1を引き成功のベースが6、ここから共に突入すると宣言した中隊長の指揮値3ダイス修正を加えて9以下成功だったが不運にもしくじった。
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結局、突入できたのは独軍1個小隊だけで、ベルギー小隊と対決する。
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お互いにゼロ損害の歩兵なので白兵戦力4同士、従って1対1(下記の戦闘比計算表を見るまでもない)。
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攻撃側の独軍歩兵の士気値は7であって8ではなく、ベルギーも6以下ではない。
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1D6の出目は3だったので、防御側のみ1ステップロスを喰らって敗北。1ヘクス退却して中隊モラルチェックを強いられる〔中隊長の指揮範囲内なら指揮値を修正として得られることに注意〕。独軍小隊はヘクス203を占拠する。
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by ysga-blog | 2018-02-03 19:40 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(0)

蒼くなって尻込みなさい、逃げなさい、隠れなさい...War Storm Seriesシステム解説➌(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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【モラルチェック】

 このゲーム最大の売りと言ってもいい、中隊モラルチェック(個別ユニットのモラルチェックもあり)だが、ASLの様に被弾する度に要求されるものではなく、以下の要因に依る。
 なお、下記で言うフォーメーションとは個々の中隊を指し、ユニットはその要因に該当する個々のユニットを指す。
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 中隊がモラルチェックを強いられる要因は以下の通り...

 直属小隊ユニットが除去されたとき
 ある白兵戦において一方的に1ステップロス以上損害を出したとき(攻防問わず)
 中隊長ユニットが除去されたとき
 戦車突撃で一方的に1ステップロス以上損害を受けたとき
 その中隊に属する小隊ユニット数を越えるステップロスを受けたとき

 この中隊モラルチェックは、中隊全体でまとめて1回で判定するのではなく、その要因が発生したヘクスを視認できるその中隊所属小隊ユニット毎に判定する。そしてチェックに失敗した罰則は潰走と除去である。
 例えば下図で集中射撃を受けて小隊ユニットが除去された独軍歩兵「F」中隊の場合、ヘクス208のF中隊所属小隊ユニットは2D6して、7以下を出せば判定成功となる。これが出目8~11だと潰走となり、自軍盤端目指して3ヘクス後退しなければならなず、モラル値を5オーバーする12だと逃散してしまい除去される。
 ヘクス307のF中隊所属小隊は、ヘクス208の林とヘクス308の濃密煙幕とに遮られてヘクス209で起きたモラルチェック要因を目撃できない為、モラルチェックを免れることができる。
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 これに対し、個々のユニットのモラルチェック要因は以下の通りで、失敗した時の罰則は即座に活性化済マーカが置かれるだけの場合❶❷❼と、潰走から除去の場合➌❹❺❽とがある。

❶ 白兵戦を実施する前(突撃前モラルチェック) =失敗は活性化終了
❷ 指揮統制外で活性化を試みるとき =失敗は活性化終了
➌ 白兵戦において一方的に1ステップロス以上損害を出したとき(攻防問わず)
 戦車突撃で一方的に1ステップロス以上損害を受けたとき
 対戦車突撃を受けてそのAFVが1ステップロス以上損害を受けたとき
❻ 個々のユニットのモラルチェックは、中隊モラルチェックと異なりその要因に該当するユニットのみ行う。この要因を目撃した他のユニットがモラルチェックするわけではない。
❼ 鉄条網ヘクスに侵入する前 =失敗は活性化終了
 指揮統制外で被弾する度(中隊累積ステップロスの度合いにかかわらず)

 モラルチェックの際のダイス修正は、その指揮範囲内にいるなら直属中隊長の指揮値だけ有利なマイナス修正、そのユニットが既に被っているステップロス分だけ不利なプラス修正、中隊モラルチェックの場合は小隊数を超過した累積ステップロス分だけ不利なプラス修正、指揮統制外であれば不利なプラス1修正、対戦車突撃前モラルチェックには戦車ユニット分だけ不利なマイナス修正がそれぞれ適用(複数あれば全て累積)される。

モラルチェックに失敗することによってのみ生起する潰走は、徒歩ユニットで3ヘクス、車両で5ヘクス、自軍盤端(あくまで優先事項として)へ向けて可能な限り直線コースを描いての後退を強いられる(ただし毎ターン潰走し続けるわけではない)。
その際、敵戦闘部隊ユニットの隣接ヘクスを通過することはできず、包囲されて退路のないユニットまたは赤字で「T」マークを持つ砲兵器が白兵戦関連で潰走を強いられた場合は、潰走不能として除去される。

 なお、潰走状態からの回復は、個々の小隊ごとに直属中隊の中隊長が自身のモラル値以下を出す事によってのみ成し遂げられる。また回復自体、一つのアクションと見なされる。言い換えると散在する潰走小隊のところへ中隊長が移動するのに1ターン、回復チェックに1ターン費やす事になるので、事実上、中隊が潰走すると戦線復帰は絶望的となる。
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by ysga-blog | 2018-02-03 19:39 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(0)

戦争を開始いたしましょう...War Storm Seriesシステム解説❹(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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【白兵戦の例】

 適当な図版が前作「フランス戦1940(LBF40)」のものしか見当たらないので、こちらを例にとって白兵戦システムの解説を進めたい。国籍カラーや名前が異なるだけで、数値的にはソ連軍として流用しても問題ない。
 まず基礎知識として、白兵戦にはAFVの参加しない『格闘戦〔Hand-to-Hand Combat〕』、歩兵がAFVと協同活性化して移動開始時から一緒に敵ヘクスへと突撃する『歩戦協同突撃〔Armored Support〕』、AFVだけで非AFV敵ユニットを蹂躙する『戦車突撃〔Armored Assault〕』、歩兵がAFVを含む敵ヘクスへと突撃する『対戦車突撃〔Anti-Armored Assault〕』の4つがあると覚える。
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▲協同活性化と格闘戦。手番(ラウンド)を得た仏軍はファイア&ムーブメントの原則通り、射撃で目標を撃ち減らし、煙幕で接近路を作って友軍の突撃を支援したいと考えた。そこで指揮範囲の長い歩兵「C」中隊長を先導として宣言し、その指揮範囲の2倍までの距離に居る歩兵「B」中隊長と協同活性化を行うと宣言。
お互いの指揮値の合計3以下を1D6で出せば、協同活性化に成功する。そして出目は3で成功した。
 もし4以上であれば、歩兵「C」中隊長には即座に活性化済みマーカが置かれ、配下の「C」中隊(歩兵3個小隊と迫撃砲)は受身の臨機射撃以外このターンには何もできなくなるところであった。だけが活性化する。
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▲活性化に成功すればアクションの順番は完全に自由なので、まず歩兵「C」中隊所属の3個歩兵小隊で、突撃対象のヘクス410(ヘクス地形:独立家屋)の独軍スタックを集中射撃する(「C」中隊長の指揮範囲内なので火力合計できる)。ちなみに独立家屋に立て籠る敵を視認するには3ヘクス以内に近づいていないといけないが、2ヘクス以内なのでその条件はクリアしている。
 歩兵5火力×3なので計15火力だか射撃戦闘結果表には14火力の次は16火力となっているので、最大公約数の14火力欄を見つつ、2D6を振って7を出し、その結果は「4」だった。
独立家屋の防御値も4なので、独軍は1ステップロスを被った。
 独軍は歩兵と機関銃のいずれかに損害を割り振らなければならないが、機関銃小隊の方が貴重なので歩兵小隊に1損害を割り当てた。無作為判定でどちらに割り当てるか決めなければならない。その結果歩兵小隊に命中した。
さらに指揮官を含むスタックからステップロスが出たので、指揮官除去チェックも行わなければならない。2D6を振って修正後1以下になれば除去されるが、その射撃で被った合計ステップロス数がダイス修正されるので、2を出すと除去されることになる。しかし出目はピンゾロではなかった。
 続いて迫撃砲がヘクス510に薄い煙幕を撃ち込む。ちなみにLOSを完全に遮る黒い濃密煙幕はシナリオで指定された盤外砲兵のみ撃て、盤上の迫撃砲は灰色の薄い煙幕しか撃てない(しかもシナリオで特記がある場合のみ迫撃砲は煙幕を撃てる。独ソ戦41のシナリオでは迫撃砲で煙幕を撃てる物はなく、自作シナリオ用となっている)。
 迫撃砲で煙幕を撃つ場合も着弾偏差チェックが必要で、1D6で4以下で目標ヘクスに着弾、5、6で1ヘクス偏差する。この例では3を出して、無事ヘクス510に薄い煙幕マーカを配置できた。
ちなみに煙幕マーカの数字は、煙幕が持続する活性化ラウンドを表す。薄い煙幕は4ラウンド継続なので原則このラウンドを含めて仏⇒独⇒仏⇒独の手番が終わると霧散(除去)する。なおラウンドはパスしたり、次ターンにダブルムーブになったりするので交互陣営は目安にすぎない。
 いずれにせよ、これで全ての「C」中隊はアクションを行ったので、活性化済マーカが全ての「C」中隊ユニットに置かれる。
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▲続いて本命の白兵突撃を開始する。
 ヘクス710の森にいた仏軍歩兵「B」中隊の歩兵3個小隊スタックが中隊長と共に森を飛び出してヘクス611を経て煙幕のあるヘクス510に突入して、残りの移動力で独軍スタックのいるヘクス410への突撃を宣言した。
 移動力的に余裕があるので他のヘクスから突入する選択肢もあるが、他のヘクスでは余計に臨機射撃を受ける可能性があるので安全策を採っている。
 なお、AFVによる戦車突撃(アーマーアサルト)と異なり徒歩ユニットによる突撃の実際の解決は、同一ラウンドであればどのタイミングでもよいので、突撃対象の敵の周りに友軍を集めてから、一斉に突入を宣言したあとに解決することもできる。
例えばヘクス710の3個小隊がそれぞれ別ヘクスへ移動して、1個小隊ずつヘクス509から410へ、510から410へ、310から409へと一斉突撃してもよい。
もちろんそれぞれ突撃前モラルチェックがあって、それに成功しないと突入できず、その際にはスタックする共に突撃する中隊長の指揮範囲内ならその指揮値を有利な修正として活用できる為、共に突撃する中隊長の指揮範囲内にいた方が確実な場合がある。
またスタック制限はあくまで片側9ステップ上限なので、突入成功したユニットが9ステップに達したら、それ以降は突入モラル判定できない〔オーバースタック禁止〕。
 この移動に対しヘクス410の独軍スタックは臨機射撃を行えるが、リアクション・マーカーなしによる火力半減もさることながら、薄い煙幕越しのヘクス611への射撃は火力コラムマイナス2、煙幕ヘクス510内への射撃でも1コラム不利になるので、突入時防御射撃に賭けることにした。
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▲仏軍は突撃の実施を宣言。これに対し独軍は突入時防御射撃を行う。上図の通り、1ステップロスした歩兵は火力が1減るので5火力、機関銃4火力の計9火力で、突撃発起点であるヘクス510に対する射撃として解決する。
 地形は平地だが薄い煙幕があるヘクスへの射撃になるので1コラムダウンして8火力欄で解決される。2D6の出目は11で、移動中である不利修正1と6ステップ以上存在する不利修正1が適用されても9にしかならず、火力8欄の9はちょうど外れであった。
これがもし煙幕がなくて火力9のままなら修正後出目9でも2ヒット(平地防御値2なので1損害)だったので、目論見通り煙幕支援に助けられた格好となった。
 ちなみに突入前防御射撃は、まだ未活性かリアクション・マーカを載せているなら全火力で、既に活性化済みなら半減火力での射撃となる。
また指揮統制外マーカを乗せているとスタックしていても火力合計できず、潰走マーカが置かれていると防御射撃不可となる。
 なお1ユニットは同一の突撃に対して防御射撃を1回しか行えないので、複数ヘクスから突入宣言されると、いずれかを選んで撃つしかない。
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▲幸運にも防御射撃を無傷でくぐり抜けたので、続けて突撃前モラルチェックを行う。
 中隊の基本モラルは7だが、中隊長が共に突入し、その指揮範囲内なら指揮値を有利なダイス修正にできるので、小隊ごとに2D6判定して9以下を出せば突撃できる。
その結果は3個とも成功であった。
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 続いて白兵戦力の算定に移る。
 まず攻撃側の仏軍歩兵は全て完全戦力(3ステップ)なので、上掲の戦力算定表の横列「歩兵」、縦列「ゼロ損害」の『4』戦力×3=合計12戦力となる。
防御側の独軍は歩兵・1損害で3戦力+MG・ゼロ損害で3戦力の計6戦力となる。これを一般的な戦闘比に直すと2対1となった。
モラルが8以上だったり、AFVと一緒だったりすると修正が適用されるが、今回は該当するものがないので、コラムもそのまま出目(1D6)のそのままを使う。
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 振った出目は3で、結果は「1/1R2」だった。見方は攻撃側1ステップロス、防御側1ステップロスと2ヘクス退却となる。
(図例では独立家屋で+1ダイス修正となっているが、集落と森でようやく+1なので間違いと思われる)
 独軍スタックは歩兵に1損害を適用して半減戦力面とし、2ヘクス退却した。また損害が出たので指揮官除去判定も行わなければならない。
 白兵戦に勝利した仏軍はヘクス410に移され、いずれかの小隊に無作為に1損害を被らせた上で、指揮官除去判定を行う。
 また、両軍とも損害を出したので、白兵戦で一方的に損害を出したことによるモラルチェックは免除される。

【歩戦協同突撃】
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▲次に歩戦協同突撃(アーマーサポート)について例を挙げたい。
 独軍の手番に独軍歩兵「K」中隊(F機関銃小隊も配属されている)は、ファイア&ムーブメントの原則で、撃ち白ませてから協同活性化している突撃砲と共に歩兵をヘクス807の森に突入させたいと考えた。
 歩戦協同突撃は、移動開始時にAFVとスタックしている徒歩ユニットであれば行えるが、その友軍AFV中隊と協同活性化に成功していることが前提条件で、なおかつ敵AFVのいるヘクスやAFV侵入禁止地形ヘクスに対しては行えない。
 まずヘクス606の「K」中隊歩兵と機関銃小隊の10火力で射撃を加え、1ステップロスを与えた。役目を果たしたこのスタックに活性化済みマーカを乗せる。
(森に籠る敵は3ヘクスまで近づかないと視認できないが、2ヘクスの位置にいるので問題なく視認/射撃できた)。
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▲続けて、ヘクス605の突撃砲とスタックした歩兵が白の矢印の通り、ヘクス807へ突撃を仕掛ける。ちなみにヘクス807の森まで歩兵は4MPで移動でき、突撃砲は8MPで行けるので突撃可能。
 なお、この移動経路ではヘクス908の陣地にいる仏軍スタックは林と森が邪魔してLOSが通らないので臨機射撃できない。
 ヘクス807の仏軍は臨機射撃でなく、突入前防御射撃を行うことにした。
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▲独軍が突撃の実施を宣言したので、突入される仏軍スタックは防御射撃を行う。1損害喰っているので火力が1減るが9火力あり、出目8でこれに移動中による不利1、6ステップ以上による不利1、装甲援護による有利+1による相殺後マイナス1が適用されて修正後7となった。これは9火力欄で3ヒットを意味し、平地の防御値2で割って1ステップロスが突入側の独軍歩兵に適用される。
 続いて突撃前モラルチェックだが、AFVと歩調を合わせての突撃では頼もしいAFVに励まされてモラルチェックを免除されるという大きな特典がある。本来なら指揮官もいない、損害も出たでかなり厳しい突撃前モラルチェックを覚悟しないといけないところだが、諸兵連合効果でフリーパスで突撃できるのは非常に大きい。
 仏軍の選択肢としては、歩兵に対する防御射撃の代わりに、対戦車突撃を以てする防御射撃を行うこともできたが、これには対戦車突撃前モラルチェックが科される上に突撃砲に返り討ちにされる恐れもあり安全策を選んだ経緯がある。
逆にもし突撃砲を撃退できれば、共に突撃するはずだった歩兵も恐れをなして自動的に突撃不可となるのだが、ハイリスク・ハイリターンと言わざるを得ない。
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▲そして白兵戦力算定に移る。まず攻撃側の独軍は歩兵・ゼロ損害で4戦力、歩兵・1損害で3戦力、3号突撃砲B型(無傷3ステップ)で8戦力による計15戦力。ちなみに車両白兵戦力の見方は、3凸を例にすると次の通り...
 8(ゼロ損害)-6(1損害)-4戦力(2損害被っていると)
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 守る仏軍は7戦力で、戦闘比は2対1となる。
 ダイス修正は独軍が歩戦協同(アーマーサポート)で有利なマイナス1、歩兵のモラルも8なので有利なマイナス1、防御地形が森なので不利な+1が適用されて相殺後修正はマイナス1となった(図例では何故か現場にいもしない独軍指揮官修正が1入っているが意味不明。勘違いと思われる)。
 出目は3で修正後2となり、結果は「1/2R1」となった。
 仏軍は2損害を喰らって1ヘクス退却する。
 独軍は1損害を喰らったものの白兵戦には勝利して、ヘクス807を占拠する。
 ただし今回も、一方的に損害を受けた側はいないので、モラルチェックは免除される。

by ysga-blog | 2018-02-03 06:40 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(1)

そしてそして勝ちましょう...War Storm Seriesシステム解説❺(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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戦車突撃〔Armored Assault〕
 AFVによる戦車突撃は、他のゲームでいう移動中のオーバーランの形をとる。
 下の写真を例にとると、ヘクス708のT-28B多砲塔戦車が、ヘクス609の独軍機関銃小隊に戦車突撃を仕掛けるとする。
 戦車突撃の条件は、次の2つ。

⑴.蹂躙目標のヘクスに侵入する移動力消費に加え、突撃直前のヘクスに戻る移動力を残していなければならない(負けて退却する移動力的余地を残していなければならないということ)。

⑵.白兵戦力を持つ車両ユニットが存在するヘクスへ戦車突撃してはならない。
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 突撃発起点も目標ヘクスも平地なので、戦車は2+2=4MP支払えばヘクス609へ突撃できる。歩兵等と異なり戦車突撃では突撃前モラルチェックを必要としない。
 踏み込まれる歩兵〔機関銃〕としては、対戦車突撃の形態で防御射撃できるが、対戦車突撃前モラルチェックを必要とする。
▼目標ヘクスに突入した戦車は、「AFV白兵戦換算表」を見て、白兵戦力を求める。ソ連軍T-28B多砲塔戦車の場合、完全戦力面で8戦力となる〔写真が見切れていて申し訳ない〕。
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▼対する機関銃小隊は、既に1(One)ステップロスしているので2戦力となる。
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 戦車突撃の解決は、白兵戦闘比ではなく、通常の射撃戦闘結果表を使用する。ここで異なるのは、AFVの防御値は地形に依存せず、一律最低の「2」であること。言い換えれば、どんな重戦車も一律最低の防御力で歩兵の肉薄攻撃を耐え凌がなければならない。対する徒歩(機関銃)タイプは平地の防御値2となる。
 8火力の場合2D6で6~8で敵機関銃小隊に1ステップロス、5以下で2ステップロス(既に1損害喰っているので除去)を与えることができる。
 一方の機関銃小隊による2火力の場合、通常だと4以下で命中するのだが、戦車突撃中のAFVは移動目標とされる為、不利な+1ダイス修正が適用されるため出目3で戦車1損害、ピンゾロで2損害を与える。 
 その結果、どちらかが一方的に損害を受けると、その側が白兵戦に負けた事になり退却しなければならない。それがAFVだと突撃発起点ヘクスへ1ヘクス戻り、負けたのが徒歩タイプなら3ヘクス退却しなければならない。
そして負けた側は中隊モラルチェックを強いられる。
 そして戦車突撃を実施したAFVは、結果にかかわらず移動はそれで終了となる。
 なお、お互いに損害を出した場合には白兵戦は膠着し、そのまま同一ヘクスに混在する。
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対戦車突撃〔Anti-Armored Assault〕 
 下の写真を例にとると、独軍37㍉高射機関砲搭載5t牽引車:Sd Kfz 6/2のフルスタックに、赤軍歩兵「A」中隊が対戦車突撃を行うとする。
いずれもSd Kfz 6/2のヘクスに侵入する移動力を残している。
 突入されるSd Kfz 6/2×3ユニットは突撃前防御射撃で、それぞれの歩兵小隊に対し1ユニットずつ(3火力)射撃することにした。徒歩の移動目標なので当たりやすいマイナス1ダイス修正が適用されたが、いずれも外れた。この後の対戦車突撃前モラルチェックを考えると赤軍歩兵「A」中隊長がいるヘクスに集中射撃した方が良かったかもしれない。
 敵AFVに対して突撃する非AFVユニットは、まず対戦車突撃前モラルチェックを行わなければならない。
 赤軍歩兵「A」中隊の士気値は7。ただし敵AFV1ユニットにつき不利な尻込みダイス修正+1が適用される為、ベースの7から3引かれて4となる。「A」中隊長とスタックしている歩兵小隊だけは指揮値1が有利な修正となるので5以下で成功する。
 その結果、2個小隊が成功して突撃する。なお、モラルチェックに失敗した小隊には活性化済みマーカが置かれる。 
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▼ 無傷のSd Kfz 6/2は白兵戦力換算表で4戦力を持つので、3ユニットで12戦力となる。
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▼ これに対し無傷の歩兵小隊は4戦力を持ち、これが2個あるので8戦力となる。
解決は射撃戦闘結果表を使い、Sd Kfz 6/2による12火力射撃には、徒歩の移動目標に対するマイナス1ダイス修正と、歩兵が6ステップ以上密集している事によるマイナス1修正による計マイナス2修正が適用される。
 歩兵の方の8火力射撃にはSd Kfz 6/2が6ステップ以上密集している事によるマイナス1ダイス修正が適用される(なお、車輌は動いていないと見なされる)。
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▼戦闘結果表を見れば分かる通り、12火力の最大結果は8であり、歩兵4ステップロスの可能性もある。逆に8火力の最大結果は6であり、Sd Kfz 6/2が3ステップロスの可能性がある。
 そしてお互いにステップロスを出せば、白兵戦は膠着状態に陥りそのままヘクスにAFVと歩兵とが混在したままになる。
 もしどちらか一方だけがステップロスを受けると、その側が白兵戦に負けた事になって退却を強いられる。攻め込んだ歩兵なら3ヘクス退却、Sd Kfz 6/2なら1ヘクス退却となる。そして負けた側は中隊モラルチェックを強いられる。
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by ysga-blog | 2018-02-03 06:00 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(0)

砲兵が耕し、歩兵が収穫する...War Storm Seriesシステム解説➏(Compass)Paths to Hell 東部戦線1941

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【盤外砲兵】
 シナリオによっては盤外砲兵による近接支援砲撃が行える。近接支援砲撃は友軍のいずれかの指揮官によって要請され、その指揮官のLOS内の目標ヘクスに対して試行される。
ただし、指揮官は同一ラウンドに2回砲撃要請を行うと、それ以外のアクション(部下の活性化など)を行えなくなる。従って砲撃要請を1回やって、残り1回は部下の活性化に費やすことが多い。
 近接支援砲撃の要請は、目標ヘクスに対して1D6振り、3以下で目標ヘクスに無事着弾、4または5なら1ヘクス偏差、出目6以上だと2ヘクス偏差する。ただしこの際、目標ヘクスがその指揮官のLOS内にあったとしても、敵ユニットが存在しなかったり(空撃ち)、敵ユニットを視認できなかったりすると不利な+1ダイス修正が適用される。
 近接支援砲撃は着弾ヘクスだけに全火力(Full-strength)発揮するものと、着弾ヘクスを中心とするメガヘックスに半減火力(Depleted)で砲撃するものとがあり、それは砲撃要請の段階でどちらの方式か明らかにしておく。

▼盤外砲兵火力算定表
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 この火力を元に射撃戦闘結果表でヒット数を求め、地形防御力表で「対砲撃(ART)」防御値を割り出して、これをヒット数で割った整数が実際のステップロス数となる。
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 ただしAFVに対しては、砲口径と更なる直撃判定が強いられる(〔8.4.2〕参照)。
 それは、砲口径100㍉未満(または空襲8火力以下)による攻撃であるなら軽戦車(Light)のみステップロス適用の可能性があり、それはステップロス数ごとに1D6して、出目6が出ただけ軽戦車にステップロスを適用する。
 砲口径100㍉以上120㍉未満(空襲9~16火力)による攻撃なら、中戦車(Medium)ならびに軽戦車(Light)にのみステップロス適用の可能性があり、それはステップロス数ごとに1D6して、出目5~6なら軽戦車、出目6なら中戦車にステップロスを適用する。
 砲口径120㍉以上(空襲17火力以上)による攻撃なら、重戦車(Heavy)、中戦車(Medium)ならびに軽戦車(Light)いずれにもステップロス適用の可能性があり、それはステップロス数ごとに1D6して、出目4~6なら軽戦車、5~6なら中戦車、出目6なら重戦車にステップロスを適用する。
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▲上掲写真を基に具体例を挙げてみたい。シナリオで独軍に105㍉盤外砲(全半火力または煙幕)×3回が与えられており、まだ1回も使用していないとする。
 独軍歩兵「E」中隊長は、2ヘクス前面の赤軍T-28B多砲塔中戦車のいるヘクスに105㍉盤外砲による近接支援砲撃(全火力集中)を要請した。目標は近いので問題なく視認できている。
しかも独ソ戦41では独軍に有利な要請ダイス修正マイナス1が適用される。
1D6振って出目は4だった。普通なら1ヘクス偏差するところだが独軍の優秀さ修正で3となって目標ヘクスに着弾した。105㍉砲の全火力は9。
 これに基づいて射撃戦闘結果表で2D6を振ったところ、ピンゾロでヒット数「7」だった。
 平地のART防御値は2であり、実際のステップロス数は3となった。
 ただし目標ヘクスにはAFVしかいないので、更に直撃判定を行わなければならない。
 ステップロス数は3なので、1D6を3回行い、出目6が出た数だけT-28B中戦車にステップロスを適用する。
 その結果はどうあれ独軍歩兵「E」中隊長は、もう1回砲撃要請して活性化済みマーカが置かれるか、または再度の砲撃要請は行わず、「E」中隊の各小隊の活性化を行った後、活性化済みマーカを置く。

【盤上砲兵】
 迫撃砲と歩兵砲は直接砲撃だけでなく、間接砲撃も行える。言い換えると対戦車砲、高射砲、野砲は直接砲撃しかできない。
 直接砲撃の場合、単純に射撃戦闘結果表でヒット数を求める。
いずれにせよオレンジ色(ART)の火力を使用した場合は、対砲撃防御値が使用される。
 間接砲撃は、砲撃を行う迫撃砲や歩兵砲から目標ヘクスまで視線が引けなくても、その迫撃砲や歩兵砲を率いる砲兵中隊長が、目標ヘクスに視線が引ける限りにおいて間接砲撃を行える*
 この場合も、目標ヘクスを全火力で撃つか、メガヘクスで半減火力で撃つか事前に宣言しておく必要がある。その上で着弾ダイス1D6を振り、出目4以下で目標ヘクスに着弾、5~6で1ヘクス偏差する(盤上砲兵の場合、2ヘクス偏差は無い)。また独軍だからという優秀さ修正は盤上砲兵には適用されない。
 着弾した後の処理は、前述した盤外砲兵による近接支援砲撃と全く同じ。

間接砲撃を行う迫撃砲または歩兵砲が森または林に位置しており、射線が隣接する森または林ヘクスに掛かる場合は間接砲撃できない(隣の木の枝に触れる為)。言い換えると森林の奥に砲を潜ませて曲射を行わせることは許されない。
▼下の図で言うと、迫撃砲は前面の開けたヘクス811を通してしか間接砲撃できない。ヘクス1212やヘクス1010が目標だと、隣の林や森に邪魔されて撃てないことになる。
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▼下の図だと迫撃砲自身は平地にいて、森でも林でもないので、たとえ隣接する林ヘクスに射線がかかったとしても間接砲撃を行える。
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by ysga-blog | 2018-02-03 05:57 | 【その他戦術級ゲーム:総合】 | Comments(0)

スタンダードASLの第1歩はデラックス・マップに刻む!...(AH)Deluxe ASLシナリオ6「Draconian Measures (苛烈な処置)」


(AH/MMP)
ASL:
[DX6]"Draconian Measures
(
苛烈な処置
)
"
1943年8月13日:第4次ハリコフ戦、独軍vs赤軍)
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 ぱんさんのASL Starter Kit行脚も終わったというのに、スタンダードASLへの最初の一歩は印象深いものをということでデラックスASL、食玩戦車使用にて。期せずして1月、また2月とASLの対戦予定を入れており、ぱんさんの月刊ASL持続中!!
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by ysga-blog | 2018-02-03 05:55 | ASLコンコマコンフリ三大戦術 | Comments(0)

デラックス・ファイター!!...(AH)Deluxe ASLシナリオA1「L'ecole Normale (高等師範学校の戦い)」

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[DX6]"Draconian Measures
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(AH/MMP)ASL:
[DX-A1]"L'ecole Normale(高等師範学校の戦い
)
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1944年6月8日:フランス Tulle、独軍保安連隊vsフランス抵抗組織マキ団)
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集会は終盤ムードなのに寸暇を惜しんで西部戦線マップを使うシナリオに挑戦
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by ysga-blog | 2018-02-03 05:06 | ASLコンコマコンフリ三大戦術 | Comments(0)