西新宿の伯父貴の口癖は「やるなら今しかねぇ」...Tales of the Arabian Nights(Z-Man)ゲームシステム解説➊ テイルズ・オブ・ジ・アラビアン・ナイト 千夜一夜物語

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(Z-Man)Tales of the Arabian Nights
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174.pngかつてウォーゲーム・ブーム期のタクテクス誌に(AH)「アフリカ探検」イラスト葉書とリプレイを投稿し、目次ページのイラストと読者のページにそのリプレイが掲載されたほどの「アフリカ探検(ナイル河の水源探検)」愛好家として、偉大なナイル河の源流探検家リチャード・バートンが訳出して欧米にも広めた『Tales of the Arabian Nights』に興味がないわけがなく...
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 1985年にウエストエンド社から出た『Tales of the Arabian Nights』初版〔上掲写真〕に興味津々だったものの入手のアテもないままブーム期も去り、ウエストエンド社も消滅して、YSGAメンバーで唯一のプレイ経験者であるMiuさんの『あのゲームは面白かった』という感想を聞くに甘んじていたのが、何とも心残りであった。
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↑そんな今から4年前、2014年5月のGW連続例会における、年に一度のYSGA恒例ゲームオークションに、西新宿鮫さんが2009年に米国Z-MANゲームズから再版された『Tales of the Arabian Nights』をダブって買ってしまったからと出品され、知名度の低いゲームだっただけに幸運にも即決で落札に成功。
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↑まさか手に入れられるとは、年来のアフリカ探検好きを諸天が嘉して下さったお陰だと早速、箱を開けて中身を拝んだところ
〔2014.0505.鶴見公会堂にて〕。

 しかし、いくら高名なゴールドバーグが作ったゲームとは言え、ウォーゲームとは全く違う構造のゲームだけに、英文ルールを読んでもさっぱり分からず、「いつかルール教えますよ」と言って下さった西新宿鮫さんを頼みに待つこと4年。
 今や四国に栄転された西新宿鮫さんが、1年以上ぶりにYSGA例会に参加されるというので、無理を押してルールをご教授いただいた〔これ目当てでいらしたMarさんも講義に参加〕。
 しかも、当日、私の対戦相手であったDublinさんには「要塞都市ブレスラウ1945」のプレイを中座することを許していただき、Dublinさんを待たせてのちょっぱやインストプレイとなった。

 そんな訳で、当日に備えてルールサマリーまで作って下さった西新宿鮫さんと、プレイ中のゲームに水を差すのを許して下さったDublinさんの御厚意に報いるべく、(VG)Korean War(AH)MBT(GMT)Operation Dauntless(AH)TAC-AIR(Compass)Paths to Hellに続く、「いつかまたプレイする時の為の」ゲームシステム解説記事の第6弾をお届けしたい。

 なお、すぐに売り切れるウォーゲームと異なり、ある程度大きなゲーム会社から出ているので、発売後10年近く経ってもまだ在庫がある〔内容的にも良い再版先に恵まれて嬉しい〕。
 また、英文ルールも以下からダウンロードできるので、英文ルールを読める方はそちらにあたっていただきたい。

Z-Man公式Tales of the Arabian Nights紹介ページ 定価60ドル

Tales of the Arabian Nights リビングルール(英文) ⇔ ダウンロード先
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175.png まずはキャラ・メイキング。6人のキャラ(男女3人ずつ)が用意されているが、性別以外、ゲーム開始時における個性は一切ない。アラジンもアリババもシンドバッドも男性キャラという以外、全く違いはなく、ただのアイコンに過ぎない。
 キャラの個性は、バグダッドを後にして旅立つ動機付けである「クエスト・カード」と、任意に選ぶ3つの「得意技(Skill)」チットのみによる。
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▼初期配置早わかり表
 遭遇カードは一山目なので「朝」ラウンド。
 全員、位置的にはバグダッドにて開始。
 各人の「人生は波乱万丈(Destiny)」マーカと「話の持ちネタ度(Story)」マーカをそれぞれ盤端に記載された表示欄のゼロの位置に置く。
 また、全員、開始時の「財力(Wealth)」マーカは、『貧乏人(Poor)』欄に置かれる。
 次に、一応の勝利条件である、20VPの獲得割り振り〔後述〕を他人に知られないように決めて、任意に18あるスキルから3つを自分のキャラの得意技として選ぶ。
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▼以下は、各プレイヤーが手元に置く「共通プレイヤーカード」
 見方としては、左上に「初期配置早わかり」、左下は「ゲームターンの手順」、中央は遭遇カードで読み上げられた状況に対応した「キャラクターの反応選択肢」、右上は「スキル一覧」、右下の大きな丸は、「性別チット」の表示欄。
 なんでこんなものがと思うなかれ、冒険の中で性別が入れ替わったりする(「君の名は」か!?)。
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▼勝敗なんて野暮な事は言わず、物語の流れを楽しむ為のゲームであるのは勿論だが、一応ゲーム上の勝敗としては、ゲーム開始時、秘密裏に「波乱万丈(Destiny)」「話の持ちネタ度(Story)」合わせて20点になるように任意の組み合わせでそれぞれの最大値を決めておき、これが満たされた形でバグダッドに帰還していればゲーム上の勝者となる。
 まぁ、誰かが勝利宣言しないと無制限に漫然とゲームが長引くので仕方がない。
 ちなみに数字マーカを任意で複数組み合わせられるのは、他人に点数を読ませないため(勝利宣言まで伏せてプレイヤーカードに置かれる)。
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▼ ゲーム開始時に18種類あるスキルの中から、3つのスキルを取得できる。
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・演技&変装
・外⾒
・交渉⼒&⽬利き
・詐欺
・宮廷作法
・忍耐⼒
・運
・魔法
・敬虔
・機智
・学識
・航海術
・魅⼒
・忍び込み&泥棒
・話術
・武器使⽤
・野外知識
・知恵

スキル・チットの一部。開始時は表面の「通常」クラスだが、遍歴の末に裏面の花開いたような黄色の「達人(マスター)」クラスになることもある。
 スキルは遭遇カードに基づく状況確認の際に、要求されるスキルを持つと、劇的な展開となることが多い。
 もちろんどれを持っているかのベストは無い。あくまで遭遇と状況次第の運任せである。従って、自分がキャラに望むものを好きに選べばよい。
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▲ゲーム開始時、キャラに対し無作為に割り当てられるクエスト・カードの一部。と言っても、あくまで治安の良いバグダッドを出て、わざわざ危険な荒野へと踏み出すに至った動機付けカードに過ぎず、カードに書かれたクエストを達成する義務などは無い。
 もちろん、クエストを達成すると、大きなボーナス(個々のクエスト・カードに記載)が得られることは言うまでもない。

 例えば先日の例会でのちょっぱやプレイにおける私のキャラのクエストは「荒野の呼び声〔Call of the Wild〕」だった。
 これは3つの自分色クエスト・マーカを、盤上のいずれかの山地(茶色)または森林(濃い緑)ポイントにばらまかれて(隣のプレイヤーが任意の場所に置ける。当然、地の果てにテンでバラバラに置かれる)、これを全て踏破できれば(それぞれ現地での遭遇を無事解決できれば)クエスト達成で、そのご褒美は「波乱万丈度2増進」「話のネタ度2増進」「スキル:野外知識」取得となる。⇔苦労の割に、ゆるキャンをこなした程度の評価で大したことない報酬。

 ちなみにまぁさんのクエストカードは「愛を探して〔Seek Love〕」で、劇的度4(を含む)以上の都市(城館アイコン)または野外(山、海、砂漠、森、島嶼)ポイントで遭遇を無事こなしたあと6面体ダイスを1つ振り、出目にその地の劇的度をプラスして9(を含む)以上となれば探していた愛を見つけてクエスト達成。
もし8以下であれば愛は見つからずクエスト未達成で次ターンに必ず現地を離れなければならない。
 クエスト達成のご褒美としては、玉の輿に乗って「財力3レベル向上〔ただし上限:お大尽様 Princely〕」、社会的地位・状態(Status)カード「領主の補佐官(Vizier)」と「既婚」を受け取り、故郷マーカが愛を見つけた都市ポイント(野外ポイントで愛を見つけたなら最寄りの都市ポイント)に再配置される。
 ちなみに「既婚」カードの効用は、故郷に戻る度に子宝に恵まれたかダイス判定して、上は麒麟児、下は豚児によって特典が異なる。
 また「補佐官」カードの効用としては、他の都市に出向いて遭遇を無事解決する度に、人生は波乱万丈だという度合いが深まり、また話のネタも増えて、その合計が12に達すると補佐官カードは捨てられて「領主(Sultan)」カードへと昇進する。
 ただし、社会的地位の獲得は良い事ばかりでなく、故郷から気ままに遠く離れられない(何かと故郷に引き戻される)という縛りを伴うのが地味にリアル。
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▲キャラの財力表示欄

 底辺(左端)から順に、「乞食」「文無し」「貧乏人」⇒「小金持ち」「大金持ち」「お大尽様」「億万長者」となる。
 財力が重要なのは、毎ターンの移動力がこれに依る為で、貧乏人以下は陸路で最大3ポイント、海路を含めば最大2ポイントという許容移動力を持つ。
 なお、陸路と海路を併用する場合は、より遅い方に順ずる。

 これが金持ちなら4・4となり、お大尽ともなると見栄の為に行列を組まないといけないので陸路を含むと3に戻るが、海路だけなら快速船を雇えるので5も動ける。
 更に億万長者ともなれば、豪奢な大行列を組んで威信を見せつけないといけないので陸路を含めば2移動力に低下する反面、海路に限れば6ポイントも動ける。

168.png次回➋に続く...

# by ysga-blog | 2018-04-16 18:19 | 【SF/ファンタジー全般】 | Comments(0)

移動した先で遭遇カードを解決するだけの簡単なゲームです...テイルズ・オブ・アラビアンナイト(Z-MAN)システム解説その➋

テイルズ・オブ・ジ・アラビアンナイト
(WE社:1985/TOTAN社:2000/Z-MAN社:2009)
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the game's release!  2009年のオリジンズにおいて、Z-MANゲームズのブースの床に山積みされた
ゴールドバーグの不朽の名作「千夜一夜物語」再版 尊い...103.png
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171.png 初期配置 171.png

 プレイヤーキャラクターを選ぶ。性別トークンを置く。自分色のクエスト・マーカー3個を取る。

➋ プレイヤーキャラクターをバグダッドに置く。

➌ 「人生は波乱万丈」度数と「話のネタ」度数を、それぞれゼロの欄に置く。

❹ 財⼒マーカーを貧乏(poor)の欄に置く。

 出⾝地マーカーと⽬的地マーカーを⼿元に置く。

 クエスト・カードを各プレイヤーに無作為に1枚ずつ配り公開する。残りは⼭札にまとめておく。

 遭遇カードのデッキ(⼭札)をつくる。ラウンド「朝」マーカーを遭遇デッキの脇に置く。
 ⼭札がなくなったら捨て札を再びシャッフルして⼭札を再建する。これによりラウンドは「昼」マーカーとなる。
 3山⽬になるとラウンド「夜」マーカーとなり、以降何度リシャッフルされようとずっと「夜」として進行する。

 お宝カードの⼭札をつくる。

 各プレイヤーは勝利の目安となる「波乱万丈(Destiny)」度数と「話のネタ(Story)」度数を任意にトークンに割り振る。
 度数の合計が20点になるようにして、設定数トークンを他者に見られないようプレイヤーカードに伏せて置く。

 ダイスを振って、出目の最も大きい者が最初のプレイヤーとなる。その者からスキル・マーカーを1個ずつ取っていき、各人が3巡して合計3個取る。

 冒険中にクエスト・カードを達成したら、別のクエスト・カードを山札から引く。ちなみにクエスト・カードの⼭札は、無くなったからといってリシャッフルしない。

 また、社会的地位・状態(Status)カードは無作為に引く物ではないので、アルファベット順にまとめておいて、指定された当該カードをすぐに見つけられるようにしておくと良い。
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173.png プレイの⼿順

 物語パラグラフ・ブックを⼿番プレイヤーの左隣の⼈に渡す。両開きのマトリックス・テーブルは右隣の⼈に渡して、適時に読み上げてもらう。

 財⼒マーカーと状態をチェックし、移動前に影響を確かめる。

 財⼒に応じた移動力で、線(陸路は点線、海路は実線)に沿って移動する。

 移動後に(まったく動かなくてもよい)、移動を終えたポイントにおいて遭遇カードを引いて、それを解決する。

⑤ 遭遇解決後、さらに...
 1)特定の都市にいる場合は(保有しているなら)都市遭遇カードをプレイできる。
 2)己のクエストの達成をチェック。達成できたなら次のクエスト・カードを引く。

 バグダッドにいるプレイヤーは勝利宣⾔できる。他のプレイヤーは後1ターンだけプレイできる。

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123.png 移動フェイズ

・財⼒マーカーに応じて陸路、海路を移動力として表⽰された数字のポイントまで移動できる。
・陸路と海路の両⽅を移動できるが、その場合は⼩さい⽅の移動力に合わせる。
・パワー・スポットはイベントでのみ移動できる。パワースポットに⽬的地マーカーを置いているキャラクターは、⽮印を逆⾏して中に⼊れる。
・⽬的地マーカーは1個しか置けない。別の⽬的地を得たら前の⽬的地は取り除く。
・パワー・スポットに直⾏するイベントもある。パワー・スポットでイベントを解決したら⽮印に従って出る。その場には留まれない。
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▲パワー・スポットの一例:「ダイヤモンドの谷(パラグラフ番号180固定)」▲ ▼ナイル河の水源だと思われる「虹色の湖(パラグラフ番号179固定)」▼
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175.png 遭遇フェイズ

・移動終了時に遭遇カードを引く。パワー・スポットにいる場合は、引かずに固有のイベントを解決。

・イベントの結果で移動させられた場合、終了時に遭遇カードは引かない。パワー・スポットに⾏った場合はイベント解決する。

・キャラクター遭遇カードを引いた場合は、現在のラウンド「朝」「昼」「夜」に合致する数字で、イベントを解決する。

・地形遭遇カードを引いた場合は、キャラがいま居るポイントの地形に応じた数字でイベント解決。「N」とある場合は、マトリックス「N」にあるカード名で解決。

・都市遭遇カードを引いた場合は、カードの底部にある黄金の枠内にある数字でイベントを解決する。そしてイベント解決後も、その都市遭遇カードは保持しておいて、その都市を訪れた際にダイス判定で何が起きるか判定できる。

・パワー・スポットに⾏った場合は遭遇カードを引かない。それぞれ固定の番号があるので、それに従う。

▼遭遇カードの一例:上の左側2枚はキャラクター遭遇カード。それ以外は地形遭遇カード。
 地形遭遇カードの見方としては、キャラがいるポイントの地形でマトリクス番号を決める。
 例えば猿島カードを山地で引き当てたなら「52」、都市なら「56」、そのものズバリの島嶼ポイントで引き当てたなら「N」マトリクスにある横列「猿島」を使用する。
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▼都市遭遇カードの一例。カード底部の番号でイベント解決した後、捨てずに手札とする事で、該当する都市へ行ってダイスを振れば何か得られる。
 ローマだと地位・状態(Status)カードを失うという結果があるが、呪いや抑鬱状態といったネガティブな状態カードもあるので、一概に損な場所とも言えない。
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133.png 遭遇の解決

 遭遇した対象/相⼿がどんな様子なのかを決める。
・6面体ダイスを1個振り、出⽬に以下を⾜し、合計値で遭遇した相⼿/対象物の様子を求める。
・+その場所(ポイント)の劇的度を表す数字
・そのキャラの現在の「話のネタ」度数が3または4の場合は+1、「話のネタ」度数が5以上なら+2
・ダイス修正後の最終的な最大値は「12」

 プレイヤーキャラクターに採らせるリアクションの選択。
・リアクション・マトリックスの反応選択肢から1つを選ぶ。
・ただし「求愛(Court)」は相⼿が異性の場合しか選べない。

➌ 運命の綾による変動判定。
・白色の運命の綾ダイスを振り、出目がマイナス()記号であればパラグラフ番号から1を引く。もしこれがプラス()記号なら1を⾜す。何も書かれていない無地の面なら、その番号のまま読む。

 パラグラフの結果を読んでもらう。その内容によっては...
・「波乱万丈」度数や「話のネタ」度数、財⼒レベルなどが変化する。
・スキルを得たり(レベルが上がる場合も)、状態カードが付いたりする。
・宝物を得たり(お宝カードを引く)、特定の⾏動を取らされたりする。
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166.png スキル

・パラグラフで求められたスキルを持たない場合、スキルなしを読む。
・該当するスキルがあれば、その中から選べる(スキルなしを選んでもよい)。ただし、それによる結果内容を先に確認してはならない。
・滅多にないが「強制(Mandatory)」と書いてある場合は、そのスキルやカードを選ばなければならない。
・パラグラフに該当するマスター・スキルがある場合、運命ダイスを振らず、3つのパラグラフを読んで選べる(最初とマスター・スキルの部分だけ)。
・マスター・スキルで選んだ場合でも、「強制(Mandatory)」があった場合はそちらを選ばなくてはならない。
・スキルを失う場合、マスター・レベルのスキルは通常レベルになる。⼀時的に失う場合はカードの下に隠す。
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177.png お宝(Treasure)カード

・お宝カードを得たら、カードの左上にある黄金の丸の中の財⼒値分の財⼒レベルが上がる。ただし、そのお宝カードを失うのに併せて減る。
・お宝カードは都市で売却可能。遭遇解決後にお宝カードを売ると宣言すれば、お宝カードの下に黒枠で書かれた財⼒になれる。
 下掲のカード例で言うと、巨大ダイヤモンドを持っているだけで財力6レベル向上、売ればカードを失うことで財力が6レベル低下するものの自動的に財力「億万長者」となる。
これが魔法のランプなら、懐も暖まらず、売ってもビタ一文もらえない。
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107.png 死亡

・死んでもゲームから脱落するのではなく、キャラクターの兄弟または姉妹が冒険を引き継いだものとして続ける。ただし、以下のとおり地位・状態、お宝、財力は失われる。
・死亡時点での「波乱万丈」度数と「話のネタ」度数、スキルはそのまま残る。
しかし他は全て失い、バグダッドに戻って財力「貧乏」として再開しなければならない。
・ちなみに強制的にバグダッドに戻るので、そこで勝利を宣⾔できる場合もある。

136.png 勝利

・ゲーム開始時、自らが設定した「話のネタ」度数と「波乱万丈」度数(少なくとも合計20点)に到達してバグダッドに戻ったプレイヤーは、勝利を宣⾔できる。
・そこから1ターンだけ各プレイヤーは動ける。そこで勝利宣⾔できる場合もある。
・複数プレイヤーが勝利宣⾔した場合、地位・状態カードが多い⽅が勝つ。
それも同じ場合はスキルが多い⽅が勝つ。さらにそれも同じなら「話のネタ」度数の高い⽅が勝つ。

【実践例】

 取り敢えずプレイの流れに沿って、ゲームシステムを解説したい。
 担当するキャラは男性で、スキルとしては「話術」「幸運」「忍び込み&泥棒」を選択。1枚引いたクエスト・カードは「宝探し」だった。
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▼クエスト・カード「宝探し」の効用としては、「アラビアの外側でお宝カードを手に入れる度に波瀾万丈度+1、話のネタ+1」で、クエスト達成条件としては「もし、お宝カードを持ったままバグダッドに帰還したら、カリフ(宗教的最高指導者)の宝物殿を更に彩ったとして、手持ちのお宝カードから1枚を取り除く代わりに、地位・状態カード「ムスリムの名誉衣装」を受け取り、話のネタ+1、財力3レベル向上(ただし大金持ち止まり)する」。
 このクエストを達成したか、お宝を持たずにバグダッドに帰還またはお宝を献上したくない場合はこのカードは捨てられて、代わりに新たなクエスト・カードを引き直す。
 なお、ここで言う「アラビア」とはどこまでを指すのか明確でないが、便宜的にバグダッドから陸路で3ポイント、海路を含むなら2ポイント以内の範囲を指すものとしたい。
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▼ そんなわけで早速、バグダッドを旅立つ。財力は「貧乏人」なので、陸路だと最大3ポイント先まで。海路を含むと最大2ポイント先まで移動できる。
 ルーシ好きとしては北上してルーシを訪れさせてみたいので、カフカスを越えて都市ヤルタまで3歩、移動させた。
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※正式には紙製のキャラクター駒を駒立てに立ててプレイするが、例図に使うには大き過ぎる(死角ができる)ので、以前Dublinさんから英国土産としてもらった海賊フィギュアを流用。
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 都市ヤルタはバグダッドから陸路で3ポイント先にあるが、もし海路を含むなら都市ダマスカスを経てキプロス島まで2ポイント進める。
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▲ちなみに見て分かる通り、建造物ポイントは都市、茶色の宝石ポイントは山地、青色の宝石ポイントは海上、緑の宝石ポイントは森林地帯、黄色の宝石ポイントは砂漠地帯、水色の宝石ポイントは島嶼を表す。

▼ 貧乏人の陸路3移動力でも、道を選べば、かなり遠くまで行ける。
例えば都市アンティオキアを経由するとダーダネルス海峡の手前で止まるが、森山と黒海側の道を選べば海峡を渡って都市コンスタンチノープルまで1度の移動で行ける。
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▼移動を終えたので、遭遇カードを無作為に1枚引いてみた。
それは遭遇カード:キャラクター「Prophet:預言者(男)」だった。
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▼ 遭遇カードのデッキは1山目なのでラウンドは「朝(山合から陽が昇るマーク)」。この遭遇カードにおけるパラグラフ基本ナンバーは朝なので85。
 ただし、必ず白い「運命の綾ダイス」を振ってパラグラフ番号変動判定しないといけないので、振ったところ、マイナス記号の出目だったので...
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...85から1を引いた「84」のパラグラフを参照する。
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▼ 84のパラグラフを見ると、「Bのマトリクス使用」と書いてあるのを確認した。
 そして遭遇相手の様子を確認するためにダイスを振ったところ出目は「3」だった。これにキャラがいま居る都市ヤルタの劇的度「2」を足して最終的な数は「5」となった。
 これをパラグラフに当てはめると『Disguised:変装した』とある。
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▼ 従って、預言者に変装した男(Disguisedを目の前にして、キャラクターがどう対応するかを決めるために、手持ちで両開きになっているマトリックスチャートの「B」を参照する。
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▼ そこで、怪しげなエセ預言者Disguisedに対して、面白半分に「へりくだって(Grovel:卑屈に)」接してみることにした。⇒ 物語パラグラフ・ブックを開いて、「335」番を読む。
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335:あなたに下手に出られて、彼は困惑しきっている。「うん、うん、ワシは... フムフム、そうさのぅ。正直ワシには分からん...これはとても込み入った話でな」。彼はブツブツと意味のないことを呟き続ける。

該当するスキルなし(または敢えて使わず)偽者に真理を尋ねたところで、のれんに腕押し。時間の無駄と悟り、その場を離れる。〔波乱万丈度数+1:D1〕

Carnelian Idol(お宝カード)を持っているなら強制選択。スキル「詐欺」、「魅力」のいずれかを持つなら選択可:邪な感情が湧いてきて、あなたはマヌケな偽者を、おだて上げて騙そうとするが、エセ預言者はそれまでの馬鹿面を豹変させて、白い怒りを爆発させる。気が付くとあなたはダンジョンの中にいた。〔話のネタ度+1:S1 / Imprisoned 投獄状態カードを受け取る〕
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※実際のゲームでは隣のプレイヤーがパラグラフの主文を読み上げて、必要スキルの名前だけを挙げて選択を迫る。
 不幸中の幸いだが大抵の日本人なら、ソロプレイしていてゴシック太字で書かれた必要スキル名を確認する際、その影響や結果については細かい字で書かれた英文なのもあって一瞥した程度では到底解読できず、スキル発揮の可否に影響を与えにくい。

 なお、パラグラフの内容によっては、新たなスキルを得たり〔カッコ内にスキル名記載〕、それが既に持っているスキルならマスターレベルに向上したり、1回だけ使えるスキルを得たり、逆にスキルを失う事(マスターレベルなら一般レベルに低下)もある。
 また、太字ゴシックでTreasureとだけあればお宝カードを無作為に1枚引いて自分のものにできるし、中には貰えるお宝カードを指定している場合もある。
 斜体イタリックで上掲の「投獄状態」のように地位・状態カードの受け取りを強要する場合もあり、「不具者(Crippled)」になるなどネガティブなものも多い。
 ちなみに、パワー・スポットに転送されたりもする。

168.png  この様に原則として、移動して、止まった所で遭遇カードを引き、それを解決するの繰り返しでゲームは構成される。
 パラグラフを使うゲームは、(VG)AMBUSH!や(SPI)パンドラ号の例を挙げるまでもなく、一度パラグラフを読んでしまうとネタばれで面白みが無くなってしまうものだが、本作の場合、「運命の綾ダイス」での変動や豊富な選択肢に加え、NTT電話帳並に分厚い2500項目以上のパラグラフがあるので、同じパラグラフに再び巡り合う可能性は少ないと思われる。
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▼ 両開きのマトリックス・テーブルの一面。可能性は、ほぼ無限。
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 プレイヤーの対応選択肢。なかには、かなり非道い選択肢も...
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↓【縦軸】その遭遇カードに対するプレイヤーの反応(一部)

Avoid:避ける、回避する
Abduct:拉致する
Aid:助ける
Barter:物々交換する
Bargain:交渉する
Beat:殴打する
Bribe:賄賂、買収する
Cry Out:泣き叫ぶ
Court:求愛する、ガチ告白
Converse:話しかける、会話を楽しむ
Drink:飲む、呑む
Enter:入ってみる
Enrich:施しをする、金を与える
Examine:調べる
Flee:逃げる
Follow:付いて行く、従う
Grovel:卑屈にひれ伏す
Hide safely:安全な場所に隠す
Hire:雇い入れる
Hire help:召使として雇い入れる
Honor: 敬意を払う、褒めたたえる
Pray:祈る
Rob:奪い取る
Seek aid:助けを求める
Set forth:旅に出る、出立する
Trick:騙す
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【横軸】⇔ 遭遇カードの対象に関する形容詞(一部)

Adulterous:淫靡な、劣情を催す
Armed:武装した
All powerful:全能の/全権を握った
Bloodthirsty:血に飢えた
Bumbling: うんざりさせられる
Busy:せっせと励む/忙しそうな
Cheating:インチキする/不正行為を働く
Crafty:狡猾そうな
Con:イカサマな、詐欺的な
Destitute:困窮している
Demonic: 悪魔的な
Diseased:病み衰えた
Disguised:変装した
Doomed: 運命的な
Dying:死にかけの、瀕死の
Enchanted:魔法にかけられた
Egg of:~の卵
False:嘘つきの
Fine:見事な/素晴らしい
Garrulous:饒舌な/駄弁を弄す
Greedy:貪欲な
Glittering: 輝く
Handsome:ハンサムな/端麗な
Heart rending:胸の張り裂けそうな/悲痛な
Hideous:醜悪極まる
Hypnotic:催眠状態の
Huge:巨大な/膨大な
Impudent:厚かましい/馴れ馴れしい
Insane:正気じゃない/気が狂っとる
Kindly:親切な
Learned:物知りな/教養ある
Lovesick:恋煩いの
Lost:失われた/行方不明の
Malicious:悪意を抱いた
Mild:温厚な
Multitudinous:数多くの/沢山の
Needy:貧しい
Puissant:権勢を誇る
Pursuing:追跡する/尾行する
Practical Joker:悪ふざけをする/担ぎ屋の
Possessed:取り憑かれている/憑依された
Repentant:後悔する/懺悔する
Rock:岩盤
Sad:悲しい
Self Sacrificial:自己犠牲の
Strange:奇妙な/不思議な
Skillful:巧みな
Treacherous:不誠実な/裏切り者の
Vengeful:恐ろしげな
Wealthy:裕福な
Whirling:渦巻く
Wicked:邪悪な
Wise: 賢そうな
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▲遭遇カード:キャラクター「HAG:老婆」。ハグと書かれてあっても、すぐに老婆という単語が頭に浮かぶ日本人は少ないのではないだろうか。それが分からないと見た目だけでは女性だとは判断しにくい。

 形容詞の幅で言うと、朝なら孤独な婆さんからパワフル婆さん、果てはハンサム婆さんにデンジャラス婆さんなどがあり、昼だと呑んだくれの婆さんにうそつき婆さん、催眠状態の婆さん、夜になると恋煩いの婆さんに悲痛な婆さんなどが現れる可能性がある。幸いなことに淫靡な、劣情を催す婆さんに遭遇する可能性はない。

 これに対するプレイヤーの対応選択肢としては、マトリックスA、C、Dのいずれかとなり、普通に話しかけたり、施しをしたり、誉め讚えたりもできるが、いきなり奴隷にしたり、ぶっ叩いたり、プレイヤーキャラクターが男ならガチ告白Courtさえできる。
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# by ysga-blog | 2018-04-16 17:24 | 【探検の世界史:総合】 | Comments(2)